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一級建築士取得に必要な勉強期間は? (学科編)

こんにちは。やぎ座の人です。
令和4年度の一級建築士試験に、学科試験は2回目(独学)、製図試験は初受験(通学)で合格することができました。

これから一級建築士の取得を考えている方は、
「どれくらいの期間をかけて勉強すれば良いのだろう?」
と疑問を抱いている方も多いかと思います。

結論から言うと、私が一級建築士取得を決意してから合格するまでにかかった期間は約2年です。

私のスペックは以下の通りです。

・いつ勉強したか
大学4年生から社会人2年目にかけて
・他の建築系資格の勉強状況
→ 建築系公務員試験

実務経験を何年も積んでから、また、二級建築士を取得してから、一級建築士試験の勉強を始める方に比べれば、勉強当初の自分の建築系の知識は乏しいものだったかと思います。

そんな私が一級建築士試験に合格するまで、どのように勉強を進めていったか、時系列で紹介しようと思います。

令和2年9月 教材購入。勉強開始。

大学4年生だった当時、就活も終了、大学も週に数時間、コロナで遊べない…という状態で非常に暇でした。公務員試験を受けた直後であり、建築士試験と重複する内容もあったので、ついでに一級建築士試験の勉強もやってみるか!と軽い気持ちで始めました。

学生でお金もなかったため、資格学校に通うという選択肢はなく、最初から独学で学科試験は挑むつもりでした。そこで、ネットで独学での勉強について色々調べていたところ、「スタディング 建築士講座」を発見しました。

約10万円で、動画もテキストも問題もついていて、コスパ良さそう!ということで、こちらの講座を購入しました。

スタディング は、各科目ごとに大体10~25程度の講義があり、私は1日1~2講座受講(2時間程度)というペースで受講を進めていきました。勉強の流れとしては、動画視聴→テキストをノートにまとめる→問題を解く、と言う感じでした。

勉強のスタンスとしては、あくまでも暇つぶしという感じだったので、気分が乗らない日はやらない…など、特にノルマは課さずに、のんびり進めていました。科目もその日やりたい科目をやるという感じでした。

ゆるゆると続けて、大体4ヶ月程度で一通り講座を受講し終えました。(法規除く)

令和3年1月 法規の勉強を始める。

法令集が手元になかったため、最初の4ヶ月は法規はやらず、法規以外の勉強を先に一通り終えました。一通り終わったタイミングで、法令集の購入をしました。法規についても、他の科目と同じ感じで、動画視聴→法令集に線引き→問題を解く、という流れで勉強を進めました。

当時、大学卒業間近で、卒論、遊び、引越しなどで、勉強より優先すべきものが多かったので、年が明けてからは、毎日勉強するというより、気が向く日に勉強するという感じでした。

年明けからは進捗も悪く、5教科全ての受講を完了するのに、2月頃までかかりました。

令和3年3月 反復学習開始。

一通り講座を終えたので、ここからは一度学習した内容の復習を始めました。主には「スタディング 建築士講座」上で、問題演習の反復を行ったり、今までまとめたノートの読み返し等を行っていました。

ただ大学卒業間近で、勉強より最後の学生生活を楽しむことに重きを置いていたので、3月はほとんど勉強していなかったと思います。(1日30分もやればいい方)

さらに4月になると、社会人生活がスタートし、いきなり激務部署に配属されたため、勉強どころではなくなりました。学生時代のように、1日数時間という勉強時間はもちろん取れず、休日は疲れた心を休める事を優先していました。

GWが明けた頃から、ようやく仕事に少し慣れ、勉強する余裕が心に生まれてきました。とは言っても、平日は物理的な時間を確保することは難しかったため、毎日の通勤電車で問題演習とノートの読み返しを行う程度でした。休日も長時間勉強するようなことはなく、やれて4時間程度だったかと思います。

正直あまり建築士の勉強を優先することができなかったため、特に模試なども受けて、実力を確認するようなこともせず、学生時代にまとめたノートと与えられた問題を機械的にやり続けることに留まりました。

令和3年7月 1回目の学科試験失敗。勉強を一旦やめる。

そんな感じで、あまりやり切れずに迎えた学科試験ですが、結果は予想通り不合格でした。合格点まで10点くらい足りませんでした。

結果に大きなショックも受けないほど、この頃はとにかく仕事に頭を持ってかれていたので、一旦建築士の勉強を休止しました。

令和3年9月 もう一度受験することを決意。失敗の分析。

仕事は夏休みを迎え、少し心に余裕ができたので、そういえば建築士試験どうしよう。という気持ちが生まれました。

仕事上、特に建築士の資格がないと不都合が生じるということはありませんでした。勉強を始めた際とは状況が変わった今、相当な労力が必要な一級建築士試験を受験するか迷いが生じました。

しかし、一級建築士取得は小学生からの自分の夢でもあったので、諦めるのもな。。ということで、一度決めたことを諦めるのは気持ち悪い!という理由だけで、再度建築士の勉強を始めることを決意しました。

学生時代はダラダラ勉強してても良かったのですが、社会人は時間がないため、学生時代のような勉強は通用しないと思いました。そこでまずは、なぜ1回目の試験で失敗したのか分析をしました。

分析の結果は、以下の記事にまとめています。

分析して分かったのは、テキストがそもそも自分にあっていなかったのでは?ということでした。というのも、不合格となった試験を再度解いてみたところ、自分がまとめたノートを全部暗記するだけでは、合格ラインギリギリの点数しか取れないことに気づいたからです。

私はほぼ実務経験がないので、要点を押さえたコンパクトな教材ではなく、もっと深い知識を身につけられる教材を使用して、本質的に内容を理解して行く必要があると思いました。

そこで、建築士試験に必要な内容を体系的に理解できる、資格学校のテキストを購入することにしました。さらに問題集も、過去4年分程度しか解いていませんでしたが、HPに公開されている9年分は最低でも解くことにしました。

実際に使ったテキストは、こちらの記事にまとめています。


令和3年12月 本格的に勉強再開。

勉強の方針も固まってきたので、再度勉強を再開しました。

基本的には全ての科目をイチから勉強し直すことにしました。新しく購入したテキストを読み込み、ノートもまとめ直しました。

1年目の勉強では、自分でまとめるノートは、ほぼテキストの丸写しだったのですが、2年目の勉強では、ネットや過去問、大学時代の教科書等を見つつ、丸覚えではなく内容を理解しながらまとめることを意識していました。

1年目のノート。
ただテキストをひたすら写していた。
2年目のノート。
iPadも活用し、イメージで覚えたり、語呂で覚えたりできるよう工夫してまとめていた。

また、勉強する科目順も1年目は適当にやっていたのですが、2年目は計画をきちんと立てて勉強していました。特に私は、法規・構造・施工が1年目にあまり点数が取れなかったため、この3科目を重点的に先に勉強することに決めました。

平日は、構造・施工のテキストの読み込みとノートまとめ、休日は法規の内容理解と問題演習、構造施工の問題演習と内容を決めて、コツコツと勉強していました。勉強時間としては、残業も多かったため平日は1時間程度休日は10時間程度は勉強していたかなと思います。

令和4年1月 法規・構造・施工を徹底的に。

年が明けても引き続き、法規・構造・施工の3科目のレベル上げに勤しんでいました。仕事は相変わらず忙しかったのですが、確実に1年目より力がついているのがわかるのが楽しくて、そんなに苦にならずに続けることができました。

計画・環境のこともあるので、一旦この3科目は3月末までには完璧にするぞという目標を立て、そこから逆算をして勉強する日々でした。

週末は1日1科目1分野は完璧にしようという目標で勉強していました

令和4年4月 仕事が繁忙期を迎える。ペースダウン。

目標通り3月までに3科目の勉強を一通り終了することができたのですが、4月になると、仕事が繁忙期を迎え、平日の勉強時間がほぼ取れない事態に陥りました。仕事は他律的な業務で帰宅時間は読めず、家に帰って寝るだけみたいな日々もつづいたので、勉強はペースダウンさせることにしました。

繁忙期期間の4~5月は、それまでにやってきた3科目の知識が抜けないように、定期的に復習を行うことをまず徹底しました。また環境と計画は1回目の試験以来ほぼ勉強できていなかったため、過去問を解きつつ、1年前の知識を呼び覚まし、知識不足と感じた部分は、再度ノートをまとめることとしました。

令和4年6月 過去問周回・暗記の詰め込みを始める。

繁忙期は無事終了し、仕事の負担が減ったため、勉強時間が十分に確保できるようになりました。この頃には、全ての科目を再度一通り終えていたので、過去問の周回と、暗記の詰め込みを始めました。

特に施工など、ややこしい数値なども多いので、そういうものは、暗記カードをアプリ上で作成し、昼休みや通勤時などの隙間時間を利用して、何度も繰り返し見ることで頭に詰め込みました。

令和4年7月 学科試験に合格。

勉強の甲斐あって、7月頭ころには、試験前には過去問9年分はほぼ完璧に解ける、さらに細かい暗記系も十分に頭に入っている状態まで持っていくことができました。試験前には仕事を調整し休暇もいただき、メンタル的にも良い状態で挑むことができました。

結果、昨年から20点ほど点数を上げ、余裕で学科試験に合格することができました。

学科試験まとめ

一級建築士試験は、難関資格と言われるだけあり、それなりに勉強が必要です。ダラダラ勉強する感じでは、やはり合格は難しいなと思います。常に自分に何が足りていないか意識しながら、戦略的に勉強していくことが、合格には必要なのではないかと思います。

ただ、ひたすら勉強と仕事をし続けるのはあまりにもしんどいと思うので、私は月に1回は完全にオフの週末を作って、リフレッシュするように努めました。頑張ることも大事ですが、メンタルケアも試験合格には大事な要素になってくると思います。

そして製図試験へ。(続く)

学科試験に合格したら、本当に息つく間もなく製図試験に突入しました。
製図編については、以下からご覧ください。


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