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一級建築士取得に必要な勉強期間は? (製図編)

こんにちは。やぎ座の人です。
前回の記事では、私が一級建築士の学科試験に合格するまで、どのような流れで勉強していったか、時系列で紹介しました。

今回は前回の続きで、製図試験合格までの道のりを、時系列で紹介させていただきます。

令和4年7月 学科試験合格判明。資格学校の申し込み。

学科試験が終わると、すぐに自宅で自己採点を行いました。結果は無事合格で、とても嬉しかったのですが、嬉しさと同時に、製図試験どうしよう?という不安が襲ってきました。

学科から資格学校に通っている方であれば、そのまま製図試験にシフトできるかと思いますが、学科を独学で勉強し、製図試験は学校に通うとなると、学科試験に合格してから、資格学校の申し込みを行う必要があります。

多くの資格学校の製図の講座は、学科試験の翌週から始まります。
もし土曜日の講座に通おうと思ったら、学科試験合格判明からわずか5日で道具を買い揃えて、資格学校をリサーチして、お金を用意して…と作業が必要になります。

私は学科試験が終わるまで、全く製図試験のことは頭になかったので、学科試験合格が判明してから、急いで製図の勉強方法をリサーチし始めました。

学科試験を勉強している段階では、あまりお金をかけたくなかったので、製図もできれば独学がいいなぁと考えていました。しかし、やはりリサーチしていると、学科を独学で乗り越えた人はいても、製図を独学で乗り越えた人は見つからなかったため、時間もないしさすがに独学は無理だと判断しました。

そうして講座の受講を決意したわけですが、案外一級建築士の製図講座というものは沢山あり、どれを受講すべきか迷いました。製図の資格学校に選び方は、また別の記事で紹介させていただこうと思いますが、私は色々リサーチした結果、TACの建築士講座を選びました。

あまり検討の時間がない中選んだ講座ですが、結果として授業もわかりやすく、課題も良い問題だったので、選んでよかったなと思っています。もし迷っている方がいれば、十分オススメできる講座です。

資格学校は決まったのですが、次に製図道具を買い揃える必要もありました。とりあえずネットで検索し、最低限必要だと思われる道具を調べ、講座が始まる前日に急いで買いに行きました。実際に私が使った製図道具についても、別記事でまた紹介しようと思います。

講座受講費用や、製図道具購入費用で、一気に25万近くの出費が必要になったため、必要資金も自分のお財布と相談し用意しました。学科試験が終わってから、こんなにバタバタするとは予想外でした。特に学科の独学受験者は、前もって製図試験のこともぼんやり考えておいた方が良いかともいます。

ちなみに、これも自分の頭になかったのですが、必ずしも学科試験に合格した年の製図試験を受ける必要はなく、翌年以降の製図試験を受験することも可能です。時間に余裕がなければ焦らずとも、翌年以降の受験に回すという選択肢を選んでも良いと思います。

令和4年8月上旬 資格学校通学開始。しかしコロナに感染。

そして無事に資格学校に通学を開始したのですが、なんとこのタイミングでコロナに感染してしまい、前半の数講座を欠席する羽目になりました。

資格学校は、前半で基礎的な知識やエスキス方法を学んで、後半は問題演習をしていくという流れで進んでいきます。つまり全くの初学者の自分にとって、前半の講座に出席できないのはかなり致命的でした。

コロナの感染が判明したときはかなり頭を抱えましたが、仕方がないので、TACの建築士講座はwebで講座のレジュメ等も配布されていたため、それらを活用して、ほぼ独学状態で前半は勉強することになりました。

そもそも製図試験に必要な知識も全くなかったため、とりあえず基礎的な知識を8月のコロナ療養期間中に学びました。製図する元気はあまりなかったため、テキストを読み込んだり、製図の手順動画を見たりして、一旦基礎的な知識を習得することに努めました。

令和4年8月後半 本格的に作図を始める。

無事に体調も復活したため、資格学校への通学を再開しました。療養期間に何となく製図試験に必要な知識は学べたので、それらを活かして、見様見真似で学校から与えられた課題を解いて、資格学校に持って行きました。

初めての添削で「休んでいた割にはちゃんと書けている。このまま頑張れば大丈夫。」という心強いコメントをいただけたので、不安は少し払拭され、やれるだけ頑張ろうと思いました。

そこからは、毎週与えられた課題をコツコツ解いて行きました。だいたい勉強の流れとしては以下の感じでした。

  • 資格学校の演習時間で課題を解く。解説を受ける。

  • 休日は丸1日使って、再度同じ問題を、本番と同じ時間で解く。

  • 平日は仕事が終わってから毎日3時間程度、同じ問題の違うプランのエスキスや、一式図の作成、記述の復習などを行う。

基本的にはたくさん問題を解くのではなく、1週間かけて同じ問題を何回も解くスタイルで勉強していました。製図試験は、基礎的なことをきちんと学び、いかに減点されない図面を作成するかが大事だと思います。そのため、いろんな問題に手をつけるより、一つの問題を完璧にした方が良いと私は思います。

また一式図は、必ずぶっ通しで描くことを心がけていました。
製図は時間もシビアであり、必ず描かないと即不合格という項目もあるので、いつも同じ順番と時間配分で製図できるようになることが大事です。この力を身につけるために、製図をするときは、まとまった時間を確保して、ぶっ通しで描くようにしていました。

分量としては、一式図は週に4枚程度、全部違うプランで作成して、その中で自分がいちばんよく出来たと思う図面を、学校には提出するようにしていました。よく製図試験に合格するには、何枚一式図を描かないと合格できないといった話を聞きますが、私は最終的に30枚程度、エスキスと一式図を作成しました。

週に4枚程度一式図を描くには、それなりに物理的な時間を確保する必要があります。特に平日は、仕事・睡眠・家事以外の時間を勉強に全て当てないと厳しい、といった事態になります。

しかし、製図をしている時間は基本的にただの作業なので、学科の勉強をしている時間とは違って、ながら作業が可能です。私は一式図を書いている間は、ラジオを聞きながらやっていたので、そこまで辛さはなく、楽しみながらやっていました。資格勉強はメンタルケアも大事なので、うまく心の健康を保てるように工夫して行くことも大事だと思います。

令和4年10月 講座終了。本番へ。

体調の回復後は、資格学校に休まずに通い続け、最終的には講師の方から「よっぽどやらかさなければ大丈夫。」との評価をいただきました。自分でも結構手ごたえがあったので、自信を持って本番に臨むことができました。

そして本番も、いつも通り、いつものペースで解き切ることができました。TACの建築士講座は、特に復元図の添削はなかったので、一旦製図試験のことは忘れて、久しぶりに何も勉強しなくていい日常が戻ってきました。

合格発表までは2ヶ月強あります。
他の資格学校で復元図の添削を受けた人から、SNSなどで、これを描いていたら不合格など、不安を煽るような情報が流れてきます。私もそういう情報を見てしまい、自分のやらかしに気づいてしまい、一時期不安になった時期がありました。

しかし、製図試験の採点基準は、結局試験元しか分かりません
私も結局、蓋を開けたら合格だったので、合格発表までの期間は、建築士試験のことを忘れて楽しんだ方が良いと思います。

令和4年12月 無事に合格。ついに建築士受験終了!

そして運命の合格発表の日。HPで合格発表を確認したところ、自分の受験番号を見つけることができました。長かった建築士試験が無事に終わりました。

職場からも久しぶりの一級建築士合格だったようで、色んな方から祝福を受けました。また小さい頃からの目標でもあったため、やはり合格したときは嬉しかったです。

まとめ

前回の記事から今回の記事にかけて、私が一級建築士に合格するまでの2年間について、時系列で紹介させていただきました。

一級建築士は難関資格といわれるだけあって、途中で挫折したという声も多々聞きます。実際やはり社会人になってから勉強時間を確保するのは大変でしたが、合格したときの開放感は清々しいものでした。

これからも、一級建築士試験に挑む方に向けて、役に立つような情報を発信していきますので、他の記事もぜひご覧いただければと思います。



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