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雪山でみつけたもの

雪山に高圧電線が走る。

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高校の帰り、バス停から雪の積もった歩道を行くと、簡素な平屋の建物を横目に通り過ぎる。この集落の集会所。

この前、トシヒロ君は私にクイズを出した。

この集会所、いくらで建てたと思う?上物だけで。そうだな、50から100万位の誤差で当てたらハーゲンダッツな。

3つ上のトシヒロ君は近所に住んでいる。この間FULAPEのペンケースをプレゼントしてくれたけど、FULAPEペンケース、私はもう、使っている。惜しい、トシヒロ君、実に惜しい。その前はクロッシェハットをくれたけど、惜しいというかそんな可愛げなものこの山で被る事があるんだろうか。catキャップ、欲しい。

叔父夫婦は建設業。叔母から建築に関する話を色々聞いている。集会所を一回りして建物の様子を見る。気合が入る。ハーゲンダッツだから。内装見ていないので50から100万ぐらいは前後するかもしれないけど、かなり自信のある数字をだす。

750万から850万っ!

「あおいちゃんさ、ハーゲンダッツでめちゃめちゃ鼻息荒いね、全然外れているけどね。2000万」

いいい!
言葉にならない声を出してしまう。
「なんで、何それこの小屋、2000万って」

トシヒロ君はふふっと笑っただけだった。

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集落内には比較的大きなスキー場がある。トシヒロ君は雪のない時は建設のお仕事。冬はスキー場で働く。

スキー、叔父から教わっている。小4の時に両親が事故で亡くなり、叔父夫婦に引き取られた。叔父はスキー場にあるスキー学校の校長もしている。中2から本格的に始めたスキーが楽しいかと言われると正直ちょっとわからない。スキーも書道や柔道の様にランクがある。2級、1級、テクニカル、クラウン。私はテクニカル。クラウンになるため、スピードを出さない練習をたくさんやる。

スピードビュンビュン出したほうが楽しいと思うけど、叔父はそれを許してくれない。

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小4で叔父夫婦に引き取られて、何一つ不自由のない生活を送らせてもらっている。部屋は個室だし、叔父が選んでくれた地元の高校に通わせてもらっている。次の春に就職する。
就職先は叔父のつてで地元の組合。何一つ不自由ない。

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スキー場は都市部から相当離れている。来る客は地元周辺や県内の人がほとんど。でも雪質の良さから時折長く間滞在する人もいる。

少し噂になっている客がいる。
ゲレンデの食堂で、カレーを前菜としてその後ラーメン大盛り2杯食べる。宿でも鍋料理3人前を食べた後ご飯のお櫃を全て食べる。聞いただけでお腹いっぱいどころか少し、めまいがする。

強い西高東低の気圧配置が2日ほど大雪を降らせた。快晴となった次の日の朝、その人と2人乗りリフトを相乗りした。デカい。幅もめちゃめちゃ広い。リフトが彼が座っている方に傾く。物凄い勢いで傾く。

話しかけようとしたけど、まさか、体重何キロですかなんて失礼なこと聞けない。私がそんな事聞かれたらリフトから叩き落とす。そんなこと考えていたら向こうから話しかけてくる。

「俺の体重はね、110㎏だからリフト傾いているんだよね」

「はぁ。なんかリフトめちゃめちゃ窮屈です」

「ほぉーう」

ニシジマと名乗るその110㎏に語尾をあげて返事をされた。ビミョーにカチンとくるけどまあいい。ここにどの位滞在するのかとか適当な会話で終わらせようする。でもこんなことを言われる。

「さっきから見てたけどさ、なんでこんなサラサラの良い雪がガッツリ降った後なのに、ちんたら低速練習とかしてるの?パフパフのパウダー、ぶっ飛ばせば最高じゃん」

「んー、そのちんたら低速ゆっくりの練習をたくさんやらないとクラウン受からないから」

「その練習、楽しいの?でさ、クラウン受かってどうすんの?まあ、それはいいや。でさ、太いスキー板とか使った事ある?ファットスキー」

私は叔父が選んだ板しか使った事がない。その板はきれいなターンや質の良いスキーをするためだ、と言われるし、これでないとだめだと言われる。私の板のシルエットはニシジマの板より遥かに細い。

「幅が広い、その太い板できれいなターンとか出来るの?」

「きれいなターン?そんなの関係ないよ、こんなパフパフパウダー、太い板履いてぶっ飛ばせば、天国、昇天、ラーメンがうまい。めちゃめちゃ楽しい。そうだ、乗ってみる?俺もう1台持っているから」

このスキー場は、コース内、自己責任エリア、コース外となっている。最近できた自己責任エリア、そこで滑るのは自由だけど、何かあった時は自己責任。ただ、条件が良いとふかふかの新雪が滑れるらしい。叔父がそんなところには意味がないと言っている。そしてコース外は雪崩を誘発する。そもそもスキー場に戻ってこれない。

ニシジマは自己責任エリアに行こうと言う。

ラーメン旨いとかの基準でスキーしたことがないけど、楽しいスキーに魅かれた。ここ最近スキーを楽しいと思っていない事に気が付いたから。

ニシジマは車から板を持って来た。私のブーツに合わせてくれる。
物凄い幅が広い。何だかスノーボードを2枚履いている気がする。
ニシジマはマシンガンの様に話し始めた。

「今日は年に何回もない最高のコンディション、低温だから雪もさらさら」
「こんな時に整地なんぞつまらん、目の前に天国がある」
「君の技術があればどこでも楽しめるさ。後、ついてきな」

ニシジマは高圧電線塔根本の新雪吹きだまりに猛烈な勢いで突っ込んでいった。そんなところに入れば埋まってしまう。腰が引けると危ないのでポジションを整え私もそのまま突っ込む。

体が浮いている。雪の表面だけをとらえてスキーが浮いている。ターンしても雪に埋まる気配もない。その感覚はニシジマの言うように天国にいるような浮遊感。

呆然としてゲレンデの下まで滑り降りる。
ニシジマがどんどん行くぜ!と言う。

また躊躇なくニシジマが突っ込んでいく。
後に続く。

スピードを出せば出すほど浮遊感が増す。空を飛んでいるようだ。いつものようにきっちり滑ろうとすると逆に上手くいかない。少しルーズにするのが良いようだ。

ニシジマの真後ろを滑ると彼が吹き上げた新雪で見えないし息が出来なくなるので、自分でコース取りを変え大きくターンをする。決められたコースはない。自分で楽しそうなところを見つけてそこに突っ込む。その場その場で判断する。誰の跡もついていない雪面を独り占めする。今までのスキーとはまるで違う感覚。

ニシジマが雪煙をあげて転んだ。相当なスピードで頭から転んで彼は全身雪まみれだ。転んだのに、にやにやしている。その横を私は助けもせずにかっ飛ばした。

何にも縛られない、無重力にいるようだ。
雪は私のためにあった。

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叔父がその様子を見ていたらしい。

あんな板を使っても上達しない。使うな。

それでも、あの何にも縛られない浮遊感は体の中に残っている。

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今更、進路指導の先生に呼ばれた。
私は地元の組合に就職が決まっている。特に何もないはずだけど。

雪がちらつくけど雲は薄い。雲間から時折日がさす。雪面に反射し明るくする。進路指導室の新品の石油ストーブは空気を柔らかく暖める。 

進路指導はカエデ先生。大人の女性って感じで綺麗だけど、チャーミングっていうのかな。微妙に吹っ飛んでいるところがあって、世界史の授業中に鳩の生態とか話し始める。
そんなカエデ先生を男子がぽわんと見とれている。そこで紙粒を男子の顔にビシッと投げる。慌てふためくのが楽しい。コントロール良好の私にカエデ先生はマー君と呼ぶ。ダルビッシュの方がいいんだけど。

カエデ先生は言う。

「あおいさん、あなた今からでも進路、考え直さない?」
「あなたの成績だと県の国立だけじゃなくて、都内の国公立、それもかなりレベルの高いところ、いけるよ。ちょっともったいないと思うのよ。学年でも確実に3位まで入るじゃない」

「でも、組合に就職が決まってます」

「それはあおいさんがその組合に行きたいって思ったのかな。本当にそうだとしたら良いんだけどね。ココア、飲むよね」

カエデ先生がココアを2つ持ってくる。

「あおいさん、アイス、何が好き?」

「もちろん、ハーゲンダッツ」

進路指導でココアが出て、話題が好きなアイス。
いつもながらカエデ先生、飛んでいる。

「ハーゲンダッツは何が好きなの?」

「難しい事聞くね、先生。でもね、ここはバニラ。ラムレーズンも美味しいけど、バニラ。他の味は別のアイスで代わりができるけど、バニラだけはハーゲンダッツ。それからね、抹茶のハーゲンダッツあれは邪道だと思う。わざとらしいな」

「筆箱は?」

「FULAPEがいいな。大人っぽくてたくさん入るし、そんなに高くないし。何たって可愛い」

「そう、それじゃね、スマートフォンは?」

「スマホ、私iphone好きじゃないんですよ。なんかどいつもこいつも食べかけのリンゴって。どう思います?あのリンゴって、いつ誰が全部食べるのかな、ビルゲイツかな。でね、androidなんだけど、雪の上で見やすい画面にしたんですよ、有機EL。すっごくいいですよ」

「あおいさん、おもしろいね、ちなみに私はね、ハーゲンダッツ、抹茶が好きよ。次はそうだな、あおいさん、スキー凄いんだよね。スキーの板って何がいいの?」

「うーん、スキーの板かぁ。スキーの板は叔父さんが全部選ぶ。なんかよくわかんないし。もう少し可愛いデザインがいいけど」

「なるほど。高校はどうやって選んだの?」

「うん、この高校がいいって叔父さんが言った」

「特に理由は聞かなかったの?」

「うん、まあ、養ってもらっている身だし。高校もどこもそんな変わらないって言われて」

「それじゃあさ、就職するという事と、組合に行くことは?」

「叔父さんが決めた。卒業したら地元の組合に、という事を叔父さんが」

「あおいさん、さっきからおもしろいこと言ってるよ。ハーゲンダッツと高校ってどっちが大事かな。筆箱と卒業後の組合へ就職。これもどっちが大事かな。大きなものだったり、大事なものかなと思うものほど、あおいさん、人に決めてもらってるよね」

カエデ先生の言う事、確かに。その通りだ。でも大きなものほど自分で考えるのは大変だし、そこで間違えたら色んな人に迷惑が掛かると思う。

「でも、両親が亡くなって叔父と叔母にお世話になっているわけだし」

「そうよね。でもハーゲンダッツと卒業後の人生、どっちが大切かな、卒業後の人生だと思うの。いろんな事を自分で決めるというのはとても大事だと思うのね。叔父さん、おいくつかわからないけど、叔父さんのほうが普通早く亡くなるよね。その後あおいさん、どう生きるのかな。その頃のあおいさんはほどほどの年をとって、選べることが少なくなると思うのよ。叔父さんは責任とってくれない。だってお墓の中だし。失礼だけど」

黙る。カエデ先生の話すことは良く解る。
でもどうすればいいのかわからない。

「あおいさん、おこずかいとか、学費とか誰から直接もらっているかな」

「叔母さん。叔母さんからです」

「叔母さんは信頼できる?」

黙ってうなずく。

「それだったら一度、叔母さんにお金について、相談するの、いいかもしれないね」

「先生、もし私が組合に行かないと、叔父さんとかに迷惑かかるじゃないですか」

「あおいさん、迷惑ってなあに?」

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年が明けた。
元旦、集落のみんなが揃って、集会所に集まる。自治会長と他の方が挨拶する。長老と呼ばれる人の話が始まる。集落、全員参加。

1時間半以上続く。いつもなら近所の女の子と変顔とかしてやり過ごすのだけど、今年はしっかりと聞いてみる事にした。

わからない。何を話しているのか、わからない。長老とされる人はおじいちゃんだからともかく、自治会長の話もまるで理解できない。難しいことを話しているわけではなく、言葉自体は簡単だ。話の内容が取り留めなく、内容が四方八方に飛び散る。高校の校長先生の話をミキサーにかけて雪に投げ捨て、それを集めてまたミキサーに。そんな感じ。

聞いている周りの大人を見る。死んだ魚の目だ。スーパーに並んでいる秋刀魚の目よりひどい。トシヒロ君を伺う。トシヒロ君は気が付いて、ニコニコしながら口の形を 「くそつまんね」 とした。

この人達は何を喋っているのだろう。
どうしてこの人が喋るんだろう。
何が言いたいのだろう。
何の時間なんだろう。

なんの為に今集まっているんだろう。
私はここに来たかったのだったけ。

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年始の集会の後に、前に聞いた集会所2000万の話をトシヒロ君に聞いた。

個々の家から結構な金額を毎月積み立てさせる。そのお金で集落内の建築屋さんや内装屋さんに相場より高い金額で建てさせる。その建築屋さんや内装屋さんから各家に高額のお礼品。そのお礼品は集落内の商店などから買う。

一見、集落内のみんなが潤う様だけど、受け取るお礼品は選べないし、毎月の積立は高いし。私が思うにあんまりいいことがない。誰が決めたのかわからないけど、随分長い事続いているようだ。誰も異議を唱えない。誰も変えようとしない。

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数日後、ニシジマがまた来た。
私の為に幅広いファットスキーを持って来てくれた。そしてスキーについていろいろ聞いてみた。私はスキーの事はここのスキー学校で習うことしか知らない。

ニシジマによると、私のやっているスキーは基礎スキーというものらしい。基礎スキーも技術を磨くにはとても大事だ。効率的に技術が学べる。いいことがたくさんある。

ニシジマはこうも言う。大事なのは楽しむ事だ、基礎スキーでも楽しむ方法は幾らでもある。でも他人に何かを縛られてするスキーは、おもしろくない。自分で滑りたいところを決めて、自分が滑りたいように滑る。ルールは守る。技術も必要。でも自分で決める。ラーメンも自分で決める。

ファットスキーは相変わらず雪の上で別世界のように浮く。
でも何だか今日は気分が乗らない。せっかくニシジマがファットスキーを持って来てくれたのに2本しか滑らず返す。

ニシジマが心配してくれた。
ラーメン食べてないんじゃないか?

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大雪の日、高校から帰る時にトシヒロ君の軽トラに拾ってもらう。古くてハンドルもクラッチも何もかもが重いらしい。

トシヒロ君に聞いてみる。
「トシヒロ君はずっとここにいるの?」

「外に出るのもいいなと思ったんだけど、ここでやりたいことを見つけたんだよ。このスキー場をさ、いいものにしたいんだよ。雪質もいいし。ただ、いまいち知名度が低いし、最近は客足もジリ貧だし。でもさ、良く出来るはずなんだよね。その為にも少し金を貯めていろんなスキー場廻ろうと思うんだよね、カナダのウィスラーとかオレゴンのマウント・バチェラーとかNZのマウントハットとか」

トシヒロ君の運転はスムーズで落ち着いている。

「田舎のスキー場って、その地域の冬を暖かくするんだ。雪で閉ざされるだろ。そうなるとみんな運動不足になるし。外で子どもたちがきゃぁきゃぁ言うの、楽しいだろ。冬の閉ざされた雪山を明るくするんだよ。その場をな、良くしたいんだよね」

「あおいちゃんはさ、やりたいことないんだろ、ここだとさ、あおいちゃんは縛られること多いからな、出ちまったほうがいいんでないかい?」

トシヒロ君は視界の悪い中、道路に出来た吹き溜まりをいとも簡単に避け、古い軽トラを滑らかに操って行く。

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トシヒロ君はスキー場で圧雪車に乗る仕事をしている。巨大なキャタピラがついた圧雪車で一日みんなが滑ってボコボコになったコースを夜中にならして整地にし、翌日に備える

夜、トシヒロ君にその圧雪車に内緒で乗せてもらった。

スキー場の斜面をごんごんと昇る。前に付けられたいくつかの大きなライトのせいで周りの景色は手前の雪面と闇しか見えない。

斜面を登り切ると、エンジンを切って圧雪車を停めた。外に出てみる。トシヒロ君がライトも消した。目が慣れてくると周りの闇が見え始めた。月が出てないので凄い数の星が見える。

何も言わずに眺める。

随分たってトシヒロ君が口を開く。
「自分で見つけなきゃいけないんじゃないかな。小さな光で目を凝らしてようやく見えるのかもしれないし。圧雪車のライトの様な大きな光に従うのは楽だけど」

「小さいけれど動かない、座標、目印といえばいいのかな。それさえ掴んでいればいいんじゃないかな。北極星って動かないじゃん、余計な強いライトがあると見えにくいけど、確実にそこにあるから。そんなやつをさ」

山の上の星空に高圧電線走る。
トシヒロ君に聞いてみる。
「あの高圧電線、どこまで行っているのかな」

「いろんなところだと思うよ」

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「カエデ先生、卒業の単位ってもう足りているよね」

「うん、大丈夫。もう授業ほとんどないし、卒業できる。卒業式も出なくて大丈夫よ」

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叔母さんにお金の事を聞いてみる。
両親が亡くなった時の保険金が相当あるらしい。それを投資信託で増やしてくれていた。学費など当然そこからと思ったけど、叔父夫婦は手を付けていなかった。

「あおいちゃん、ここから出るんでしょ」

叔母さんは、わかっていた。

「あおいちゃん、ここは悪いところではないのよ。自然も豊かだし。でも、人の出入りが少なすぎるのね。人の出入りが少ないとどうしても閉鎖的になるのよ。人も地域も。それからね、山間の気候が厳しいところだから昔はみんなで手を取り合って暮らさないと生きていけなかったのよ。強い絆がないと。でも、今はそんなものなくても生きていける。本当なら誰が出ていこうと誰が入ってこようと関係ないのよ。迷惑なんてないのよ」

「あおいちゃん、今がいいと思う。就職したら出ていけないから。お父さんには内緒で出たほうがいいかもね。集落への面子みたいなものがあるから。勝手に出て行った事にすれば大丈夫だから。お父さん、悪い人じゃないのは分かるよね。でも、ちょっとこの場所に捉われたのよね」

「今まで本当に楽しかったわよ、ありがとうね」

鼻水と涙でぐちゃぐちゃになって、ありがとうございましたと言いたいけど、ちゃんと言えない。しょうがないから言えるまで、ありがとうございました、を繰り返すけど、全然言えない。ぐちゃぐちゃになりながら叔母さんを見ると、叔母さんもぐちゃぐちゃだった。

****

スキーの板とブーツはもっていかないことにする。

トシヒロ君がニシジマに東京まで車に乗せてくれる事を段取りしてくれた。

トシヒロ君と色々話したいことがある。色々話そうとしたら、車で待つニシジマが場の空気も読まずにクラクションを鳴らす。

車に乗り込み、トシヒロ君に手を振った。

車から高圧電線が見える。
ニシジマに聞く。

「あの電線、どこにいくのかな」

「どっかにいくんじゃね?」

電線はどこかへ行く。色々別れてどこかへ行く。
鉄塔や電柱があるからどこでも自由という訳には行かないけど。
自由はそんなに簡単に転がっていないと思う。
自分で決めるのは多分大変なんだろうな。

電線を伝えば何とかなるのだろう。

ラーメンでも食べようかな。

ほんの少し前に 手に入れた様な未来を
思い出と一緒に 丸めて投げ捨てた
まだ先は長いよ 荷物はもういいよ
ELLEGARDEN






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後記

登場人物、お名前を勝手にお借りしました。
ありがとうございます。もし、ご迷惑であれば遠慮なくご連絡ください
(ニシジマ以外)

ニシジマのモデルは僕のスキー仲間です(だと、思う・・)。
彼のFacebookは凄まじいボリュームのラーメンが頻繁に流れて来ます。胸やけタイムライン。体重のことも何だか誇りに思っているらしい。良く分からない。最近彼もnoteを始めたらしいのですが、やはりラーメンです。ラーメンが好きな方、もしくは暇しかないという方は一度覗いてあげてください。
YouTubeでは相当なアクセス回数を稼いでいるようです。
下のサムネイルは自撮りをしているときに自分ですっころんだ際の画像です。奇跡。

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top画像の写真は、またhotakaさんからお借りしました。快諾頂き本当にありがとうございます。hotakaさんの写真を見ていると色々なことが頭に浮かびます。



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ELLEGARDENの高架線という曲から思いつきました。かなり曲解していると思います。ELLEGARDENを教えてくれたnoteの若い方々に感謝します。

自由と希望を考えながら書きました。ロケンロー。

#挑戦している君へ

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