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映画『女囚霊』本日公開です

加藤山羊×矢樹純原作の映画『女囚霊』が本日9/22(金)、いよいよ新宿バルト9ほか全国で公開となります。

舞台はとある女性刑務所。女性受刑者達の間で「入った者は死ぬ」と噂される懲罰房に、殺人で服役中の受刑者が連れていかれ、そこから主人公をはじめとする同じ房の受刑者たちに、様々な怪異が降りかかります。
危機を逃れようとした女性受刑者達は、どうにか助かるための情報を得ようと奔走します。その過程で主人公は過去に刑務所内で起きた恐ろしい事件について知ることになり、そこから本当の恐怖が始まります。
懲罰房に隠された秘密とはなんなのか。そんなサスペンス&ミステリー要素を含んだ本格ホラー映画です。

予告映像はこちらになります。上記の公式サイトに公式TikTokへのリンクもありますので、そちらもぜひご覧ください。《女性刑務所のゆかいななかま》として登場人物の紹介動画などが投稿されています。

原作となった漫画『女囚霊 塀の中の殺戮ゲーム』は2009年から小学館の携帯コミックサイト「モバMAN」で配信されていた作品です。当時、自分は漫画家の実の妹とコンビを組んで《加藤山羊》という合同ペンネームで活動しており、こちらは自分達の2作目となる連載作品でした。

初めての連載となった『イノセントブローカー』は2006年から2008年にかけてビッグコミックスピリッツ増刊に掲載されており、次の連載で本誌を目指そうと意気込んでいた矢先に、同じ小学館の青年誌ヤングサンデーが休刊となりました。
ヤングサンデーの人気作がスピリッツに移籍してくるという状況で、新人が連載を勝ち取ることは難しく、次作は携帯サイトでの連載、そしてアクセス数が伸びなければ単行本は出ないと決まりました。それでも連載の企画が通っただけ、自分達は恵まれていたと思います(こんな背景もあって矢樹は「このまま漫画原作者として仕事を続けるのは無理かもしれない」という危機感から小説を書いて応募したりし始めたのです)。

『女囚霊』を連載していた当時、自分は2歳から5歳の3人の幼児を抱えており、そして妹の加藤山羊も2歳児を子育て中という過酷な環境でした。
毎回、怖さと面白さのクオリティを保つのは本当に大変でしたが、『女囚霊』は奇跡的にアクセス数を伸ばし、単行本を出してもらえることになりました。

このように素晴らしく怖いカバーデザインにしていただけたおかげで、2010年に発売後間もなく重版が掛かり、『女囚霊』は自分達の初めての重版作品になりました。
そしてさらに、実はこの頃に一度、映画化のお話をいただいていたのです。しかし2011年3月に東日本大震災が発生し、その影響もあってか実現することはありませんでした。

発売から10年以上が経って、まさか再び映画化のお話をいただけるとは思っていなかったので、編集さんから連絡をいただいた時は本当に驚きました。

現在、自分は小説家としての仕事がメインとなり、漫画原作の方はお休みしています。そして妹の加藤山羊は漫画原作者としてのデビュー作の準備中で、それぞれ忙しくしております。
あの頃小さかった子供達は高校生や大学生になり、それでもまだ自分達は物語を作る仕事を続けています。他に出来ることが無いからというのもありますが、それは諦めの悪い性格と、連載が決まるまで企画を出し続けるという、当時培った根性のおかげだと思います。
そして何より、応援してくださる読者の方、編集者さんやエージェントさん、家族に支えられて、ここまでやってこれたのだと実感しています。
本当にありがとうございます。そしてこれからも、よろしくお願いします。

『女囚霊』は加藤山羊と矢樹純にとって、そこから作家として生き残っていけるかの節目となった作品でした。
このたび、才能あふれる鳴瀬聖人監督に新たな命を吹き込んでいただき、素晴らしく怖い、心を波立たせる映画に仕上げていただいたことを、本当に嬉しく光栄に思います。

女囚霊ポスタービジュアル

皆さま、ぜひ映画館に足をお運びください。

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