「人生の達人」になるために
私が大切にしている教えは、たくさんある。
例えば祖母から言われた「遠慮と身投げはするもんでねぇ」もそうだし、「あどで(後で)とお化けは出たことねぇ」もそうだ。
仕事の上司から言われた「自分で努力してると話す人間を信用するな」や、「つまるところ、営業力は人間力」という言葉もある。
読んだ本に影響を受けることも多い。
三国志だったり、論語だったり、池波正太郎先生や隆慶一郎先生の著書などの小説だでけでなく、漫画や新聞雑誌のコラムなどからも、生きていく上での「思考」に大きく影響を受けたと思う。
私は、「人生の達人」を目指している。
これは祖父から幼少期に話されたことだが、今でもその情景を鮮明に思い出すことができるほど、強烈なインパクトとなって私の中に残っている教えの一つだ。
「人生の達人」「master of life」
別に、大きなことをして名を残すとか、大金を稼ぐとかということではない。
一度きりしかない、自分の人生を上手に使い切り、人生が終わる日に、
「いい人生だった」
と振り返ることができれば、それでいいのだ。
そのためには、まず日常に幸福感を感じる必要がある。
「朝目覚めれば丸儲け」
「人は一日、畳一畳米三合あればこと足りる」
というようなことだ。
とかく人生を取り巻く世の中は、理不尽や矛盾だらけだ。
オギャーと生まれたその日から、死へのカウントダウンは始まるし、楽をするためには仕事で苦しまなければならないし、生きていくために必要な毎日の食事や酸素を吸う、という行為さえ毒を少量ずつ体内に取り込んでいるのと変わりがない。
その中で、一日一日をどのような心持ちで過ごすか。
同じ人生なら、おもしろおかしく過ごす方がいいに決まっている。
とは言え、毎日おもしろおかしいことがあるわけではないし、むしろ辛いこと悲しいことの方が多いのが人生かも知れない。
では、どうすればいいか?
「幸せのストライクゾーンを広げる」
のだ。
これは自分の感じ方なので、いくらでも自分で調整ができる。
やり方も、それぞれがそれぞれの方法でいい。
要は「小さなことに幸せを感じる脳」を作ればいいのである。
人間の脳と言うのは、一度回路が出来上がると、あとはそれを自動反復してくれる。
この場合で言えば、たとえば毎日の食事の度に、その味がどうであれ「おいしい、幸せ」と口に出す。
そうすると、脳内では「食事=おいしい=幸せ」という回路が出来上がり、食事の度にいわゆる「幸せホルモン」を分泌するようになって、本当に幸せを感じることができるようになる。
また、脳には「忘れる」という機能も付いている。
思い出したくない悲しい出来事や、苦い経験は、意識して覚えておこうとしない限り、時間とともに「忘れる」あるいは「記憶を改変する」ことができる。
「素晴らしい!」と思わざるを得ない。
人間は、生まれながらに「人生を楽しむ」ことができるように作られているのだ。
最近の風潮をニュースなどで見ていると、どうもみんなが結論を急ぐし、自己肯定感を他者に委ねることが多いように思う。
多様性を認めて欲しい人間が、認めない人間を頭ごなしに否定したり(それも多様性ではないのか?)、「戦争反対!」と口々に叫びながら警察官ともみ合う人々。
そういう人々にこそ、この「幸せのストライクゾーンを広げる」という行動を取ってみていただきたい。
他の人に承認欲求を求める前に、まずは自分で自分を認め、自分の人生を彩り豊かなものにして欲しい。
「幸せ」は身近なもので、だれにでも見出すことのできるもの。
自分の背丈に合わせて幸せを感じながら、より大きな幸せを追求していくことの大切さを、再認識してみていただきたい。
最後に、私が最近大好きになった、安全漫才というコンビのお笑い芸人である、みやぞんの心に残った一言を記しておきたい。
「自分の機嫌は自分で取る」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?