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合わせ鏡(1)

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鏡と鏡を合わせると、無限の世界が出来るはず。
そんな不思議な空間に僕は入った。
と、言うよりも吸い込まれた。
それは、・・・・。

僕が小学六年生の頃のお話。
僕の身長よりも高い鏡が2台あった。
僕はイタズラに、その鏡を向かい合わせにしてみた。
鏡が鏡を写し出す。
映し出されているのはトンネルみたいに、
出口に行くほど、小さくなる。
光が織りなす不思議な世界。
僕はその鏡の間に立つ。
その時事件が起こった。
僕の体はそのトンネルに吸い込まれた。
物凄い力で吸い込まれた!

天地が逆さまになり、空間は広くなったと思ったら、
狭くなったり、僕の身体は空中を飛んでいた。
意識が遠のいていく中、僕はある場所で目覚める。

そこは、広大な草原。
アメリカ映画で観た西部劇、それと同じ風景が眼前に広がる。
見上げれば一面の星空。

一人佇む、僕。
…一体此処は何処? 日本だろうか? それとも外国? …

僕の不安は頂点に達したが、それを解決する術もない。

その時、遠くから一台の自動車が僕に向かって走って来る。
僕はヒッチハイクをする様に大きく手を振り、大声で叫んだ!

「お〜い、こっちだよ!乗せておくれ!」
と、何度も、何度も手を振った。

幸いな事に運転手は、僕に気が付いてくれ、僕の前で車が止まる。

「どうしたの?こんな所で、一人で居て?」
怪訝な顔で女性が聞いてくる。

…どの様に答えたら良いのか解らない。…

#青ブラ文学部

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