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ショートシュート

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短編集を集めてみました
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#青ブラ文学部

小さいオルゴール(530字の小説)

小さいオルゴール(530字の小説)

結衣ちゃんはもう直ぐ3歳になる女の子。
何でも興味を持つ女の子。

今日は不思議な箱を見つけて、目を輝かしています。
「ねえママ、この箱不思議だよ。蓋を開けると音楽が聴こえてくるよ。」

「そうだね、不思議だね。この中に結衣ちゃんよりも小さな人が
音楽を聴かせてくれてるのかも知れないね。」

と、ママは結衣ちゃんに夢を与えてくれました。
「この中に、小さな人がいるの?結衣ちゃんよりも小さな人がいる

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鳥 (300字のエッセイ)

鳥 (300字のエッセイ)

ヒッチコックの映画で以前「鳥」と言うのがありました。

鳥達が人間を襲う。
こんな事が現実にあったならば、人間は怖くて街にも行けない。
外にも出れない
空から突然襲って来る鳥を、人間は防ぎ様が無い。
自然の摂理で、鳥が襲って来ない様になっているのかも知れない。

カラスが酷い迷惑を掛けていますが、
ゴミを散らかすだけなので
まだ我慢出来ます。
あのカラスを阻害して恨まれたら、
カラスは利功な鳥だか

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未来に行ける眠り薬(パート3)(460字の小説)

「お父様、私未来に行ってみたいです
この薬を飲めば三十年後の世界に
行く事ができます」
と、純情可憐なお姫様が、
新薬の眠り薬を王様に差し出しながら
嬉しそうに言う
「三十年後の未来だって⁉️ 何故、未来に行きたいのだ。」
と、訝しい思いで、王様は尋ねる。

「だって、多くの男達が、私をストーカーしてくるの。
私、怖くて街にも一人で行けないの。
未来に行けばもっと安全な世界だわ。」

「でも、その

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行列の出来るリモコン(440字の小説)

行列の出来るリモコン(440字の小説)

年金暮らしの老人には生活の余裕は無い。
今日も無料で食べれる「炊き出し鍋」に来ている

親切なボランティアの団体が
無料で食事を振る舞ってくれ大助かりだ
私と同じ老人達が群れを成す。
行列は毎度の事、無料だから待つ値打ちがある。

街をぶらついていると、長い行列に出くわした。
習性とは恐ろしいもので、行列を見ると、
つい並びたくなる。
何の行列か尋ねてみると、
リモコンを無料でくれるらしい。

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