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ショートシュート

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短編集を集めてみました
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#オールカテゴリ部門

君に届かない!(一分で読める小説)

君に届かない!(一分で読める小説)

命を宿す。
元気な君の胎動。
その胎動感じながら、喜びの日を待つ。
こんな私が母になるなんて!?
私の喜びは不安に変わる。

その不安を感じているのか、最近君の胎動を感じない。
「だらしないぞ!私
我が子が不安を感じているぞ!
しっかりして!」
と、叱咤激励を私にしながら、お腹をさする。
だけど、君は動かない。
どうしてなの何故動かないの?
前はあんなに動いていたのに!
私のお腹を蹴っていたのに!

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近未来の出来事(一分では読めない小説)

近未来の出来事(一分では読めない小説)

西暦20XX年
医学の進歩により、高齢化が急速に進み
少子化が加速し人口の分布バランスは
大きな歪みを描き出していた。
この状況下において、人工知能を備えたロボットが、
人間の職場に次々と進出し大量の失業者を作り出す。
しかし行政は何ら打開策も示さず、社会不安は日に日に深刻度を増していた。

…このままでは、人類は滅亡する。
少なくても日本は壊滅する…
不安を持ち悩む私の前に、少女が現れる。

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君に届かない(一分で読める小説)➕追伸

君に届かない(一分で読める小説)➕追伸

君には届かない赤い糸
だって、左の小指が僕には無いから
散髪している時、間違って自分の小指を
切断したの。
あれから、赤い糸が結べ無いの。
縁結び神様が、そう言うの。
「一度切った縁は、結べない」
って。
神さまって、無慈悲なの。
だから仏様にお願いしたの。
でも、仏さまには、ほっとかれたの。
だから、
未だ知らない君には、
運命の赤い糸は届かないの。

追伸
🎵私が切った小指が痛い
昨日の夜の

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不思議な女(一分では読めない小説)➕追伸

不思議な女(一分では読めない小説)➕追伸

ある日、初めて会った女から突然言いがかりをつけられた。

「貴方は、『私と初めて会う』って言ったけど
貴方は覚えてないのね!私が貴方に散々いじめれれていた事を」

「いじめていた!君を。いつ、虐めた。
今、会ったばかりなのに」
「そう、貴方は知らないのね?前世の事を!」
「前世だって?そんな事知るか! 
お前、頭が可笑しいのか?」
と、怒って言うが、女は薄笑いを浮かべ

「前世で、お前に虐めれ、

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冷凍記憶(一分では読めない小説)(1140字)

冷凍記憶(一分では読めない小説)(1140字)

20XX年世界を驚かす画期的なマシンが発表された。
「これが弊社が開発しました、世界初の人の記憶を冷凍させるマシンです」

「冷凍させるって、記憶ですか?
脳ミソの中の記憶をですか?」
と、一人の記者が全員を代表するかの様に
疑問をぶつける。

「そうです、記憶を冷凍保存するのです。
優秀な科学者、医学者、各分野のそれぞれの
優れた記憶を冷凍保存し
時代を超え未来の人達に、
その知識やノウハウを残

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奥の細道(一分で読める小説)

奥の細道(一分で読める小説)

芭蕉は、いま悩んでいた。
自らの希望で全国巡る旅に出たのであるが、
目的地に辿り着く迄に多くの困難が待ち受けていた。
今までは、彼の長年培ってきた努力と忍耐と
並外れた体力で全てを乗り越えてきた。
だが、今回は違った。

芭蕉は、悩みに悩む。
…こんな事では目的地に行けない、
だからと言って、神にも頼れない
私自身が決断し選ばなければならない…

芭蕉は、天を仰ぐ。
頬に当たるは熱い風。
額には汗

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完全犯罪(420字の小説)➕追伸(全部で四四四字)

完全犯罪(420字の小説)➕追伸(全部で四四四字)

「あのジジイまだ生きていやがる!」
ジジイが死ねば、遺産金は全部俺の物
医者はもう匙を投げているのに、まだ粘ってやがるあのジジイ
心臓に負担を掛けぬよう医者に注意さている
安静にしているジジイの心臓に
どの様に負担を掛けかるかを俺は悩む

そして完全犯罪を想いつく
安静の状態で心臓に負担を掛け
殺害する方法
そして俺は計画し、それを実行する
冷酷な手段で

毎日、俺はジジイを笑わせた
私のジョーク

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ペット誘拐の真相(ペット誘拐の続編)➕追伸

ペット誘拐の真相(ペット誘拐の続編)➕追伸

ギャンブル好きの男がいる。
何処にでもいる男達だが、彼は負け続け借金が膨らんでいた。

彼の名前は、野々村誠一 25歳。
一流企業に務めるサラリーマン。
…このままではダメだ。どうにかしないと奴らが来る…
(奴らとは反社の借金取り立て人)
セッパ詰まった彼はある計画を思いつく。

彼の知り合いに、マンションの管理人の
吉田太朗がいる。
そのマンションは普通の庶民には手の届かない、
いわゆる、高額で

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ペット誘拐(1&2)(2000字)➕誘拐事件(140字)

ペット誘拐(1&2)(2000字)➕誘拐事件(140字)

私は見知らぬアパートの前にいる。
目の前にあるのは、古ぼけたアパート。
廃墟のアパート。
誰も住んでは居ない不気味な代物。
私がここに来た訳は、・・・。

その日、私に一通の不審なメールが届いていた。
開けると、私の飼っているペットの写真。
メールには、この様に書いてあった。

「お前の大切にしているペットを誘拐した。
返して欲しければ、この口座に
五百万円を振り込め。振込を確認したら、
このペッ

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始まりは、あの雨の日(450字の小説)

始まりは、あの雨の日(450字の小説)

始まりは雨だった。
傘も持たずに、濡れてる君の後姿に僕は惹かれた。

…あの時の僕と同じだ…
僕は遠い昔の事を思い出す。
あの日僕は、雨に濡れながら歩いていた。
荒む心を雨が洗い流すのか、僕の体に降り掛かる。

…君に何があったの?…
と、問いかけるすべは何も無く見つめているだけ。

あの日の僕も、雨のことなど気にもならなかった。
…この雨に打たれながら死んでしまいたい…
と、心の片隅に残して歩い

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手のひらの・・・。(550字の小説)

手のひらの・・・。(550字の小説)

それは私が神様を信じていなかった頃のお話。

うらびれたアパートに、僕は一人住んでいた。
生きる希望も無く、金も無く、友達も恋人も居ない。
まだ25歳なのに、これから何をして生きていこう?

バイトの仕事も無い僕には、満足な食事が取れる訳でも無く
寝るしか無い状態が続いていた。

だが、寝ていても現状は全く変わらない。
……いっそうの事、泥棒でもするか!捕まれば刑務所でただ飯が食える…
馬鹿な事を

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お返し断捨離(410字の小説)

お返し断捨離(410字の小説)

[「断捨離」とは、不要な物を「断ち」「捨て」、物への執着から「離れる」ことにより、「もったいない」という固定観念に凝り固まってしまった心を開放する]
と、ある。
何と!哲学的な事が書いてある。
「ほっといてくれ!」
と、私は言いたい。

私はケチな男
一度買った物は捨てられない
不要な物であっても
「捨てるのはもったいない」
と、思う心が強い。

物にも命がある。
使命があるはずだ。
それを活かせ

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春は風を待っていた(410字の小説)

春は風を待っていた(410字の小説)

春は風を待っていた
寒風は冬だ
熱風は夏だ
春の風は寒くも熱くもない、心地よい風
そんな風を、春は待っていた

だが、最近の地球環境は、春の思い通りにさせてはくれない
夏はまだまだ遠いのに、
異常な暑さは一体何?
春の出番を飛び越えて夏が突然顔を出す

「僕の季節は無くなるのか?」
元気無くつぶやく春
そのつぶやきが聞こえたのか、
秋が駆け寄って来た
「君と僕は兄弟さ
夏が済んでも僕の出番は、最近

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レトルト三角関係(400字の小説)

レトルト三角関係(400字の小説)

ある男からレトルトカレーを三角形にする案が、提案された。
従来の四角形では、インパクトが無いと云う理由からであるが、
男以外、誰も賛成はしなかった。
その男が云う。

「従来の四角形に比べて素材の使用量が少無くてすむ。
また、パッケージの形状が斬新でインパクトがある。
必ず売れるはずだ。
我が社これで推すべきだ」
と、強く主張する。
その甲斐あって、男の意見は採用された。
だが、売れ行きはさっぱり

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