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春は風を待っていた(410字の小説)

春は風を待っていた
寒風は冬だ
熱風は夏だ
春の風は寒くも熱くもない、心地よい風
そんな風を、春は待っていた

だが、最近の地球環境は、春の思い通りにさせてはくれない
夏はまだまだ遠いのに、
異常な暑さは一体何?
春の出番を飛び越えて夏が突然顔を出す

「僕の季節は無くなるのか?」
元気無くつぶやく春
そのつぶやきが聞こえたのか、
秋が駆け寄って来た
「君と僕は兄弟さ
夏が済んでも僕の出番は、最近無いんだよ
僕は、どうでも良い季節だよ」

「そうだね。
僕達、春秋は寒くも無く暑くも無い
何も特徴が無い季節だね」
と、嘆く様に春が云う

その時、桜の木々達が励ましてくれる

「花見の季節はやはり春でしょう
冬に花見は出来ないし、夏の日に花見をしたら熱中症になるよ
春は必要な季節だよ。
秋は、暑い夏が終えホッとする季節だよ
紅葉も秋にならないと出来ないよ
みんなを癒す季節だよ」

「そうだね、僕達は癒しの季節だね
だったら、人間は地球の環境を守って欲しいね
将来ある子供達の為にも」








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