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「小児看護学」まとめ

※※※現在、小児の発達・成長(一部)まで作成済み!「小児の発達・成長の続き、小児特有の疾患、ケアについて」は作成中です!
作成済みの項目でも更に内容を充実させていくつもりですので、よろしくお願いします(^^)※※※


項目は、看護ルーさんの「看護師国家試験 過去問題集」を参考に分けております。そのため、国試対策のためのまとめっぽくなっております。
もっと更新して国試以外にも実習や実践などでも役立てるような記事にしたいと思っております(=^・・^=)


成長:身長・体重・骨の太さ、長さなどの形態的あるいは量的変化
発達:運動機能、臓器の働き、精神能力などの機能的あるいは質的変化
発育:成長と発達を含めた広い概念
内的因子:遺伝、成長にかかわる各種の成長ホルモン、疾病
外的因子:栄養、心理社会的環境
と定義しています。




小児看護の対象と社会・環境

小児保健に関する統計

・15歳未満人口:1465万人(2022)
・15歳未満割合: 11.7%(2022)
↑割合は沖縄県が最も多く(16.5%)、秋田県が最も低い(9.5%)

【出生率】
人口 1000 人に対する1年間の出生数。
出生数: 77 万 747 人(2022)
出生率:6.3(2022)

【合計特殊出生率】
一人の女性が一生の間に産む子供の数(15歳から49歳までの年齢別出生率の合計)。世代の単純再生産を可能にするには「2.10以上」必要。
合計特殊出生率:1.26(2022)

【周産期死亡率】
出産1,000件に対して、周産期死亡率(妊娠満22週以後の死産+生後1週未満の早期新生児死亡)。 母体と胎児の健康状態を反映する指標。
周産期死亡率:3.4(2021)

【乳児死亡率】
出生数1,000件に対して、満1歳未満の乳児の死亡率。公衆衛生や医学の水準を反映する指標。
乳児死亡率:1.7(2021)

【死因別ランキング】

2022年のデータを参考に作成しました。


小児保健に関する法律

・「児童福祉法」
1947 年制定。
「全て国民は、児童が良好な環境において生まれ、かつ、社会のあらゆる分野において、児童の年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮され、心身ともに健やかに育成されるよう努めなければならない」と述べられている。

・「児童憲章」
1951年制定、児童福祉に対する国民の意識を啓発するため。
前文で「児童は、人として尊ばれる」「児童は、社会の一員として重んぜられる」「児童は、よい環境の中で育てられる」という3つの理念を示している。

・「母子保健法」
1965 年制定。
「母性並びに乳児及び幼児の健康の保持及び増進を図るため、母子保健に関する原理を明らかにするとともに、母性並びに乳児及び幼児に対する保健指導、健康診査、医療その他の措置を講じ、もって国民保健の向上に寄与することを目的とする」と述べられている。

・「子どもの権利条約」
1989 年に国連総会で採択、1994年に日本の批准
子どもであっても、倫理的配慮が大切であり、医療の場においても、子どもの最善の利益を前提として子どもの意思を尊重する。


小児の成長・発達

成長・発達の特徴

・頭部から下部へ、中枢から末梢へ、粗大運動から微細な運動へと発達する。
・発達の速度は一定ではなく、身体各部によって臨界期(諸機能の獲得・成熟を決定づける時期)が異なる。
・新生児期の発達は、環境因子よりも遺伝の影響の方が大きい。


成長・発達期の区分

・出生前期:月経0~280日
  細胞期:受精まで(月経0~14日)
  胎芽期:受精から妊娠12週(9週)未満
  胎児期:妊娠12週(9週)から出生まで
・新生児期:出生から4週間
・乳児期:生後1年未満
・幼児期:1歳~満6歳未満(就学前)
・学童期:小学校通学中(6~12歳)
・思春期: 「女」8、9歳~15、16歳 「男」9、10歳~16、17歳
・青年期: 「女」12、13歳~21歳 「男」14、15歳~25歳


成長・発達の指数

・「スキャモンの発育グラフ」

SGS総合栄養学院からお借りしました。


・「デンバー式発育検査」:
乳幼児期に発達の遅れやかたよりのある子どもを発見することを目的とした検査。適応年齢は生後16日から6歳まで。

看護学生・看護師の病院就職・転職情報サイトMedian-netからお借りしました。


・「タナ―段階(生殖の発達)」

Wikipediaからお借りしました。



・「カウプ指数」:
乳幼児の身体バランス、栄養状態をみる。適応年齢は生後3ヶ月から5歳頃まで。生後3か月までは数値が低くでるため判定に適さない。
「カウプ指数 = 体重(g)÷ 身長(cm)2 × 10」
~14:痩せぎみ、15~17:ふつう、18~:太りぎみ

・「ローレル指数」:
学童期、思春期の体系を評定するのに用いられる。
「ローレル指数 = 体重(g) ÷ 身長(cm)3× 104」
100未満:やせすぎ、100~115未満:やせている、115~145未満:普通、145~160未満:ふとっている、160以上:ふとりすぎ、160以上:肥満150cm、170以上:肥満130-149cm、180以上:肥満110-129cm

・「肥満度」:
幼児、学童期の子供の肥満の判定。
「肥満度(%)= 100 ×(測定された体重(kg) - ※標準体重(kg))/ 標準体重(kg)」
※「標準体重(幼児・学童期)=(身長(cm)- 100 )× 0.9」
幼児期:15%以上で肥満、学童期:20-30%、軽度肥満、30-50%中等度肥満、50%以上高度肥満

・「パーセンタイル値(標準値)」:
集団の計測値を小さいほうから大きいほうへ順番に並べ、全体を100として何番目になるかを表した、乳幼児を対象とした発育基準値。3および97パーセンタイル曲線の間に測定値が入って本人なりに発育していれば、まず問題ないと判断される。しかし、乳幼児期の身体発育は個人差が大きく、出生時から本人なりに増加していれば問題がないことも多いので、経過を追って観察・判断していく必要がある。
要観察者:10パーセンタイル未満、90パーセンタイル以上
発育上の偏り:3パーセンタイル未満、97パーセンタイル以上(要精密検査)


各機能の特徴・成長とバイタル

【頭蓋骨の閉鎖】
大泉門(前側):生後1年~1年半
小泉門(後側):生後3カ月まで

【歯】
乳歯:全部で20本。生後6か月頃から生え始める。下の前歯(乳中切歯)から生え始める。
永久歯:全部で32本(第3臼歯(親知らず)は萌出しないことがあるため、28本のこともある)。6歳頃から生え始める。

【骨】
子どもの骨は柔軟性が高いため、不全骨折(不完全骨折)が多い。そのため、変形して癒合しても、ある程度自家矯正(自己の身体が修正する)が期待できる。
※不全骨折…骨にひびが入る程度で、骨の断裂がなく骨がずれていない。

【循環器】
出生後には卵円孔、ボタロー管、アランチウス管が閉鎖され、心臓・血管系の解剖学的変化が生じる。
 
【呼吸器】
新生児:腹式呼吸(肋骨の角度が水平で呼吸筋が未発達なため、横隔膜の運動が主)
乳幼児:胸腹式呼吸
学童期:胸式呼吸(肋間筋の運動が主)

乳幼児の気道は直径が小さいため、気道が狭窄しやすく喘鳴や窒息が起こりやすい。また、鼻腔の間隙は狭く、鼻呼吸が主なため、鼻汁などにより鼻閉や窒息を起こしやすい。

【消化器】
乳児期の胃は洋梨子状をしていて、食道や胃の筋肉(噴門)も未熟の為、吐乳や溢乳が多い(食道に逆流しやすい)。そのため、授乳後は必ず排気させる必要がある。

アミラーゼ(多糖類の消化酵素)の活性は、2~3歳でほぼ成人の値に達する。また、新生児の腸内細菌叢は、最初に接触する母親の細菌叢(腸内、腟内、皮膚)の影響を大きく受けるとされている。自然分娩の子どもは母親の腟内細菌叢、帝王切開の子どもは母親の皮膚常在細菌と類似するといわれている。

【泌尿器】
腎臓における皮質の発育が未熟で、尿の再吸収が悪く、稀薄尿を多量にだす。年齢が低いほど排尿量が少なく、回数は多い(年齢があがるにつれて量が増え、回数は減る)
「一日の尿量」
乳児300cc~500cc、幼児500~1000cc、成人1000cc~1500cc

【必要水分量】
子どもは体全体に占める水分の割合が多い(体液の細胞外液の割合が高く、体表面積が体重の割に大きく、不感蒸泄が多い)。そのため、成人に比べて体重1kg当たりの1日の水分必要量が多い。特に、乳児の生後3~4か月頃は、1日の体重1kg当たり水分必要量が最も多い。
「一日に必要とする体重1kg当たりの必要水分量」
新生児、幼児、学童:80mL/kg/日
乳児:120~150mL/kg/日
成人:40~50mL/kg/日

【免疫】
IgG胎盤通過性があるため、母体から胎児へと直接受け取られる。徐々に減少し、生後6か月頃までに消失する。
IgA母乳により徐々に増加する。
IgM:出生時から産生される。感染症に対する抗体産生がある。

免疫グロブリンが成人レベルに達する年齢は、IgM:1歳、IgG:5~6歳、IgA:10歳。生後3か月頃は母体由来と自己産生の免疫グロブリンの入れ替わりの時期であり、最も少なくなる。

【睡眠】
成長・発達に伴い昼間の覚醒時間が増え、多相性→単相性の睡眠へ移行する。昼寝をしなくなり、成人と同じ睡眠覚醒リズムになるのは5歳頃から。
レム睡眠の割合は、新生児:約50%、乳児:40%、幼児:20~25%。

【バイタル】
「体温(脇腋窩)」

新生児:36.7~37.5℃
乳児:36.8~37.3℃
幼児:36.6~37.3℃
学童:36.5~37.3℃
成人:36.0~36.5℃

「脈拍数(1分間)」
新生児:120~140回/分
乳児:110~130回/分
幼児:90~120回/分
学童:80~100回/分
成人:60~70回/分

「呼吸数(1分間)」
新生児:30~50回/分
乳児:30~40回/分
幼児:20~30回/分
学童:18~20回/分
成人:16~18回/分

「血圧」
新生児:60~80/60
乳児:80~90/60
幼児:90~100/60~65
学童:100~110/60~70
成人:110~130/60~80
小児の血管の方が弾力性があるので、年少になる程低くなる。

原始反射

イラストは、子育て応援サイト MARCH と 医歯薬出版株式会社「母性看護学Ⅱ 周産期各論第2版」より引用しました。


発達段階

出生時の身長:約50㎝。1歳で約1.5倍、4歳で約2倍、12~14歳で約3倍。
出生時の体重:約3㎏。3~4か月で約1.5倍、1歳で約2倍。

※体重は出生後にいったん減少し(5~10%程度)、生後7~10日で元に戻る(生理的体重減少)。

情緒の分化

看護ルーより引用しました。

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