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【あなたの情報は本当に正しい?】基準率のハナシ

我々は出どころの分からない情報によって動かされているというのが、昨今の新型コロナの一連の騒動で特に顕著にわかります。

特に印象的だったのは、『マスクの不足に影響されて、トイレットペーパーが売り切れるのではないか』という噂によりトイレットペーパーが不足した事案。
人は未曽有の状態や大きなプレッシャーに対峙してしまうと、不安を少しでも解消し、正当化するべく、尤もらしい理論や身近にある情報を鵜呑みにしてしまう傾向にあるようです。
(心が病んでしまいそうな方が宗教団体に入信する、といった謂れがあるのはそのためです。事実かどうかはここでは言及しませんが)

情報化社会の中で、少しでも正しい判断をご自身で持つために、ご存知いただきたい概念がありますのでお伝えさせていただければと思います。

(他にも、素人ながら認知バイアスや行動心理学など、自分の理解を深めるためにも書いていることがありますので宜しければご覧くださいましー…)

『基準率』とは

Wikipediaにはこのように書かれています。
何言ってんの!じぇじぇじぇ!むずかちぃー!

確率や統計における基準率(きじゅんりつ)とは、一般には特殊な条件をつけない、素のままの(基礎、ベースとなる)グループがもつ確率のことを指し、事前確率と呼ばれることが多い。 例えば、一般住民の1%が“医療専門職”であり、残りの99%は“医療専門職”ではないならば、医療専門職の基準率は単に1%になる。

とりあえず、かなり噛み砕いて考えると、

10代のイマドキ女子に人気のスイーツ大調査!(当社調べ)

(当社調べ)の部分というニュアンスでいいでしょう。

そうですね、例えば

「このクラスには、男子が25人、女子が15人います。
  男子の割合は、62.5%です。女子の割合は、37.5%です。」

こういった前提となる土台があるものを、基準率であるとお考え下さい。

『基準率の錯誤(誤謬)』

Wikiにもかなり長々と例が載っていましたが、読むだけでも面倒なので先程の要領で学校を例に挙げていきます。

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<ケース①>

A子「えーん…」
B子「先生!A子ちゃんの体操服が盗まれました!
先生「何ぃ!よし!今からクラス会議をするぞ!…さぁ、誰が取ったんだ?正直に言うのなら、まだ先生は許してやる。お前ら男子25人のうちの誰かが犯人なのは明らかだからな!1/25だぞ!」

こちらが、ケース①の錯誤です。
先生は、男子が犯人であると決めつけて1/25という確率を提示しましたが、実際は女子を含めたり先生を含めたり、はたまた他クラスや学校全体を含めた分母でなければなりません
この場合は、クラス内で起こった事件として、ケース②に移りましょう。


<ケース②>

先生「…誰も手を挙げないとなると埒が明かないな。しょうがない、情報科の先生に頼んで、生徒一人ひとりのデータベースを基に90%の精度で犯人かどうか推測できるAIロボットを作ってもらったぞ!」
A子「そこまでしなくても…」
先生「さぁ、結果は…?おっと!C男!お前が疑わしいという結果が出たぞ!さあどうなんだ?」

ここでも、基準率が錯誤しております。
仮に、100%の精度であれば正しいと言えるのですが、あくまでC男が犯人であるかどうかは90%の判断です。
そして、ここからが大事なのですが、クラス全員(先生含めた41人-A子を引いて40人)の中に真犯人がいるとして、その真犯人を『犯人ではない』と判断しているのです。
つまり、実際にC男が犯人であるという確率は、
「0.9/1×0.1/39 = 0.002307…」つまり0.2%程度だということなのです。


「正しく見分けていく方法」

先程の学校を例にすると岡目八目で分かりやすいかなとは思いますが、実際の生活でもしばしばこういった『前提条件を無視した統計』が出てくることがあります。

冒頭でもお話ししたコロナウイルス関連の報道などは、特にそうですね。
ニュースなどは、少しでも扇動的な情報を提供し、視聴率を稼ぐことがあります。

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新型コロナの感染者が1日で300名を超え、たいへん危険です
例えばこんな報道があるとして、検査を受けた人数の提示などはあるのでしょうか?もちろん、検査した人が増えれば増えるほど、感染したと分かる判明する方も増えます。
逆に、感染者の数だけ見て「国内の感染者の割合が0.001%にすぎないのでご安心ください」という方がいた場合、もし国民の中で検査を受けた方が全体の0.01%しかいない場合は、国民全体の感染率は10%なのかもしれません。


こういった誤謬から身を守るためには、とにかく『基準率』という概念を頭に置いておき、早計な判断をしないということが重要です。
母数はどこにあるのか。対象外の確率はどのくらいなのか。その技術の精度はどのくらいなのか…。

情報が本当に正しいかということをよく考えて、楽しい確率ライフをお過ごしくださいね!

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