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#1 恋人歴12年:メガネ君と私

私には付き合って12年になる彼氏がいる。
周りから「距離感が快適すぎる」とよく言われる
自称おしどりカップルである。
 
 通称:メガネ君
私より5歳年上で、メガネがトレードマーク。
筋肉質で、趣味が多く、何でも人よりちょっと上手くこなす器用な人。
実家暮らしで、お父さんと二人で住んでいる。
ちょっと変なところもあるが、変な部分も丸ごと愛せてしまうくらい、面白くて尊敬できるところがたくさんある人だ。
 

彼と私は、ギブ・アンド・テイクの関係性で成り立っている。
それが私達、12年物カップルがずっとラブラブでいられる秘訣だと断言できる。
与えてばかりでは身が削れるし、もらってばかりでは相手と対等でいることが難しくなっちゃうものだ。

彼のちょっと人とは違う部分。

[人の気持ちを理解することが難しい]
[超ウルトラマイペース]
[謙虚を通り越して自虐的]

などなど。
人によっては「え、無理」と思うような部分があるかもしれないが、私はそれをメガネ君の面白いところだと感じている。
ちょっと変なところもひっくるめて大好きなのだ。
 
ただし、その変な部分がはじめから大好きだったわけではない。
直さないと関係が破綻してしまいそうなところは直してもらったし、私も思考を変換することでメガネ君という人に順応していった。

私が思考を変換したところ

人の気持ちを理解できないというのは、
理解する気がないのではなく、ただ他人の思考パターンを知らないだけ。

なら、教えてあげればいい。
こういうことを言うと人は傷つくんだよ、こうされると喜ぶ人は多いと思うよ、と教えることで、彼も「なるほど」と素直に受け止めてくれるようになった。
なんとなく、哀れな人造人間に情操教育しているような気分になるが、これはこれで面白い。
 

超ウルトラマイペースなのは、自己中心的なのではく、限られた余暇を効率よく過ごしたいという気持ちの現われなのだと考えるようにした。

自分の興味や関心のあることで生活を埋め尽くしてる彼は、
思い付いたその瞬間に、つい行動してしまう。

デート中、急に調べ物に夢中になったり、久々に会うというのに自分の趣味に没頭していたり。(ちょっと多動気味なのも自覚しているらしい)
私は彼がそうなった時、少しだけからかいつつ、同じように自分の世界に浸ることにしている。
「まぁた何か始めたなー? じゃあ私もー」
と言って小説を読んだり、文章を書いたり、
その場でできる自分の趣味に没頭する。
一緒の空間でそれぞれソロプレイをしているような感覚だ。
私も好きなことができる上に、一緒にいるから共有できると気づいてしまった時には「え、最高じゃないか」と声に出してしまったくらいしっくり来た。
いつしかそれを心地よく感じ
彼のマイペースも受け入れられるようになっていった。
 

自虐的なのは、メガネ君自身の自己肯定感の低さからくるもの。

彼が彼を肯定できないのなら、私がずっと彼を肯定し続ければいい。
彼はそれを決して認めないが、彼の素晴らしさは私が一番良く知っているのだから、私が彼に教えてあげればいいのだ。

「俺、コミュ障だから人と会うの緊張する」と言えば
「そうかなぁ。メガネ君はコミュ力高いと思うよ。例えばこの間の~」
と具体的なシチュエーションを出して、あの時のあの対応が良かった、あの人も褒めていた、と彼が気づいていない良いポイントを教えてあげるのだ。そうすることで「なるほど、これでいいんだ」と少しでも自信になってくれれば、それでいいと考えている。
 
 そんな感じで、メガネ君が持つネガティブなポイントを、私のポジティブで埋めるイメージで関係を続けたら、何かがカチッとハマったのだ。

「対等」でいることこそ

マイナスとプラス。
陰と陽。
凸と凹。
与え与えられ。
どちらかの不足をどちらかが補う。

これは逆も当てはまる。
私の苦手を彼が埋めて、私が知らないことを彼は教えてくれる。
新しい世界を見せてくれる。
お互いを埋め合っているから、一方通行ではなく、対等にいられるのだ。
適切な距離感と愛の比重を二人で模索しながら、手を取り合って今日までやってきた。
 
 そうやって私達は12年間、「結婚」という選択をしないまま、お互いを一番大好きなまま、一緒に歳を重ねてきた。
 きっとこれからもそうなんだろうと確信できるのは、二人の歴史がそう物語っているからだ。

 ここまで読んでくれてありがとう。
私の恋愛観や、人間関係の構築の仕方が面白いと思ってくださった方は、ぜひスキやフォローをお願いします。元気が出ます。
 私の経験が誰かの人生の手助けになりますように。


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