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ダイエットの近未来像:完全自動の肥満改善オンラインプログラム

⒈ この記事を読むことのメリット

アクセスいただき感謝します。
この記事は約2分で読めます。
これを読むと近未来のダイエットを垣間見ることができます。

⒉ ダイエットの未来像:なぜ、いま完全自動化の肥満治療プログラムなのか?

肥満は、高血圧や糖尿病、腰痛やひざ痛など、多くの病気に関連しています。

30歳以上の日本人男性の3人に1人、50歳以上の5人に1人は、BMI 25kg/m2の肥満です。

世の中に、いくつかの有用な肥満改善プログラムはありますが、それをサポートする医療スタッフのマンパワー不足が指摘されています。

近年、テクノロジーを用いた肥満プログラムの活用が注目されていますが、全自動化ではないため、少なからず医療者の負担は残ったままです。

そのような中、医療者が一切介入しない完全オートマチックの肥満プログラムの有用性に関する論文が発表されました。
近未来のテクノロジーを活用した栄養教育について勉強する良い機会と考え、この論文を紹介したいと思います。

3. 関連論文の紹介 

権威ある雑誌 Obesity (Silver Spring)で紹介されていた論文を紹介します; 「Pragmatic implementation of a fully automated online obesity treatment in primary care」
2022 Aug;30(8):1621-1628. doi: 10.1002/oby.23502.
 
プライマリケアにおける完全自動化のオンライン肥満治療の実用化
 ※プライマリーケア:ここでは肥満治療を継続的に実施できるサービスという感じの意味だと思われます。

研究対象者は、エントリーを希望した大学生721名から、条件をクリアした464名。平均年齢53歳、BMI36.2 kg/m2 でした。
 
肥満改善プログラムの期間は12週間で、医療スタッフは治療に一切関与しない完全に自動化されたものでした。

減量プログラムのゴールは、低エネルギー摂取と、運動時間の増加(200分/週)による、「体重減少」でした。

プログラムの主な内容は、以下の通りでした。
①アプリを介した体重や運動時間のセルフモニタリング日記を、1週間毎に提出
12回分のオンデマンドのビデオレッスン(地中海食の考え方や、脂質カットによる摂取エネルギー(カロリー)制限、デジタルスケールの利用など);研究対象者は、このビデオをすべて見ても良いし、全く見なくても良い。
③研究対象者のデータに基づいたコメントの自動フィードバック
 
12週間のプログラムの結果、平均で体重が 5.1%低下していました。
興味深いことに、体重や運動の日記をアプリを介して1週間毎に提出していた人の体重減少率は、あまり提出しなかった人の約2倍でした(7.2% vs. 3.4%)

同様に、全12回のビデオレッスンを多く受講したした人の体重減少率は、あまりレッスンを受けなかった人の約2倍でした(8.2% vs. 4.2%)

つまり、自動プログラムの中で、より積極的にビデオで学び、自身の体重や運動をセルフモニタリングして報告した人の方が、高い効果を得ていました。
ただし、そこまで完璧にプログラムをこなせなかった人にも、それなりの体重減少がみられていました。

 
4.ワタシの考察 

肥満治療における私の経験において、ほとんどのケースで減量は成功し、約1年間はそれを維持できる人が多いです。しかし、1年を超えるとリバウンドする人がかなり多い印象です。

そのような人々に、自分で繰り返し治療を受けられる自動プログラムのニーズは高いと思います。
日本でも肥満や糖尿病などの生活習慣病で悩んでいる方が多いので、このような日本版プログラムの開発と導入を検討する事は重要だと思います。
 
※この記事は、論文内容をかなり端折っていますので、興味のある方は本文にアクセスして確認されてくださいね。 
 
さいごまでお読みいただきありがとうございました。 
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