タンパク質摂取の弊害について

本日もこの本から得た情報を引用していきます。

筋トレ好きな方、筋トレをはじめようとしている方、リハビリに関わる方におすすめです!筆者はお医者さんですね。普通の筋トレ本よりは割高ですが、その分、エビデンスもしっかり載っていて良書かと思います。

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タンパク質は大切ですが、タンパク質のとりすぎが体に悪いのではないかという考え方があることは知っておかなければなりません。当初は自分もそこが気になり、プロテインの摂取はなるべく控えていました。

細かくいうと、タンパク質長期摂取の弊害が出てくる可能性があるということです。これは大きく分けて①発がん性と②代謝する肝腎への負担、特に腎障害の問題です。

ということで本日は・・・

1.タンパク質の発がん性

2.タンパク質の腎障害

3.最終的にトレイニーはどれだけタンパク質をとるべきか


1.タンパク質の発がん性

発がん性は全てのタンパク質というわけではなく、タンパク質でも特定の種類で問題なると言われています。2015年にはWHOが特にベーコンやソーセージなどの加工肉に発がん性があるので摂取を控えるようにと勧告し騒ぎとりました。ちなみにWHOは加工肉だけでなく、赤身肉も危険として挙げています。これがまとまっているのが画像1になります。

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ですが、以上の発がん性の話は加工肉あるいは赤身肉を毎日とり続けた場合の話ですので、普通はそんな取り方しないと思います。ここで注目したいのが、鶏肉や魚、植物性など他のタンパク源であれば上記の発ガンリスクは回避できるという点です。タンパク源も様々な食品から分散してとれるとよさそうですね。

まとめ:発がん性の観点から、筋合成のための追加摂取には赤身肉や加工肉は避けたほうがよいかもしれない

2.タンパク質の腎障害

タンパク質を代謝する臓器として肝臓と腎臓があり当然負担をかけることになります。透析前の慢性腎臓病の患者に低タンパク食が有効なのがすでに明らかになっています。

この機序として、高度のタンパク質負荷が腎臓の糸球体濾過量GFRを増加させることがわかっており、過濾過になると腎臓に負担となり、腎障害のリスクとなります。

しかし、このGFR増加はタンパク質をさばこうとする必要な代賞反応であり、腎予備能(RFR)と呼ばれています。

腎臓が健康な人や若年者などはRFRが強く働きますが、高齢者や慢性腎臓病の人はこのRFRが働きにくいです。

そして実際のところ、観察研究ではどうかというと、長期的に腎障害のリスクになるとした研究がある一方で腎障害のリスクにはならないとした研究があるなど、若干混沌としています。

しかし最近の研究をみると、中高年では特に腎障害のリスクとなることを示す研究があり、長期的に腎臓によくない可能性はあるようです。

ここでもタンパク質の種類が影響する可能性が考えられており、やはり赤身肉、加工肉で腎障害のリスクが高く、魚などそのほかのタンパク質ではそれが少ない傾向を報告しています。やはりとりすぎと特定のタンパク質への偏りは避けたほうがよいでしょう。

まとめ:腎障害の観点からも、過剰すぎるタンパク質摂取は避けたほうがよいかもしれない

3.最終的にトレイニーはどれだけタンパク質をとるべきか

以上から結局どれくらいのタンパク質摂取がよいか?

ここで問題になるのがタンパク質摂取推奨量(RDA)です。日本では成人も高齢も男性は60g、女性は50gをタンパク質のRDAとしています。

何が問題かというと、この国民に推奨されているタンパク質のRDAが非常に少ないのがスポーツ選手はじめトレーニーたちのジレンマとなります。

でしたが・・・厚労省の基準は2020年に改正され、試案は厚労省のHPの中で公表されています。

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出典:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」たんぱく質

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出典:日本医師会

上限がだいぶ変わりましたよね。笑

というのも特に高齢者のフレイル、サルコペニア対策として政府も重要視していることが考えられています。

それでも上限は2g/kg/day以下です。

しかし、先に挙げた発がん性や腎障害などの観察研究は全て一般人のものであり、運動を習慣にしているトレーニーに当てはまるかは別の話になります。実際にアスリートでタンパク質摂取と腎障害は証明されておらず、3g/kg/day程度の高タンパク質でも健康被害はなかったとする研究もあります。しかし、あくまで無制限にとってよいということではなく、2-3g/kg/dayの上限を目安にするとちょうど良いかと思います。

まとめ:タンパク質摂取一日量は2g/kg/day程度とすべし(減量期で3g/kg/day)

本日は

1.タンパク質の発がん性

2.タンパク質の腎障害

3.最終的にトレイニーはどれだけタンパク質をとるべきか

についてでした。

厚生労働省の表を見ると高齢者でも活動量ある程度ある人は、79-105gのタンパク質を推奨してるとすれば、なかなかとるのは大変ですよね。

プロテイン約3杯で60gのタンパク質とすれば、一日3回とって、さらに食事からとらないと足りませんね。

まして歯が無いなどの理由で肉や硬いものを食べなくなる方もいると思うと・・・この問題はいろいろと奥深い気がします。

また分かったことがあれば、発信していきまーす。

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