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筋肉量増加の鍵である栄養、運動、同化力について

今回のタイトルについては、ある程度見聞きしたことがある情報だと思いますが、改めてしっかりまとめてみようと思います!

1.筋タンパク合成とは何か?

2.食事と栄養

3.運動

4.同化力


1.筋タンパク合成とは何か?

筋肉はタンパク質で形成されていますから、筋肉がつくことを(筋タンパクがどれだけ形成されたかとして)筋タンパク合成(MPS)といいます。

一方、筋肉は常時同化と異化を繰り返しており、筋肉が異化することを筋タンパク崩壊(MPB)といいます。

*健常人の筋肉量増加を議論したい場合はMPSが重要となります。なぜならMPBは疾患やストレスで増加するものの栄養や治療などの介入であまり変化しない(MPBに介入することは難しい)のに対し、MPSは栄養や運動で大きく変化し筋肉量の増減に大きく関わるからです。

つまり・・・筋肉は同化(MPS)と異化(MPB)を常に繰り返しており、最終的な筋肉量の変化はMPS-MPBとなります。

2.食事と栄養

上記にも述べましたが、筋肉がつくかどうかは同化が異化をどれだけ上回るかによって決まります。そして、「同化は栄養が余った場合だけにおこり栄養が足りなければ異化するという」当たり前ですが普遍的事実があります。エネルギーが余るからこそ筋肉を作れるし、エネルギーが足りなければ筋肉を作っている場合でなくむしろ筋肉を壊してエネルギー供給しないと生きていくことすらできなくなります。基本的に栄養が余るのは食事を摂取したときですから、同化刺激というのは栄養摂取のみが引き金になります。

つまり・・・筋タンパク合成は栄養摂取(食事)によってのみおこり、一日全体のオーバーカロリーがあってはじめて筋タンパク合成はプラスとなる

⇒筋肉には栄養が命!

3.運動

運動は筋合成を確実に促します。筋合成において運動がどのように同化/異化に影響するか、運動と食事と筋合成の関係をイメージ化したものが画像1となります。

画像1

画像2

ここでの栄養はプロテインで表されていますが、ホエイのような吸収の良いプロテインを飲んだ場合に図のような短時間の同化誘発となります。同化誘発はプロテイン摂取でのみ強く促されますが、運動はこれを底上げし同化しやすくする、つまり筋同化力を短期間ブーストする好意といえるのです。運動だけしていればエネルギー不足でMPBがおこるだけになるので、運動は栄養摂取と合わせてはじめて筋同化に意義をなすわけです。

運動と栄養どちらが重要かといわれれば、間違いなく栄養ということになります。実際に健常人を対象に①安静ー低量プロテイン②安静ー高用量プロテイン③運動ー低量プロテイン④運動ー高用量プロテインで比較した試験でもMPSは④>②>③>①となることが示されています。巷では筋トレは栄養:運動を7:3(~9:1?)で考えろと言われる所以ですね。

*リハビリ目線で考えても改めて栄養の大切さを思いしる内容ですよね。

つまり・・・運動は筋タンパク合成曲線を底上げし、栄養による筋合成の効率を高める行為と考えられる。

4.同化力

同化力とは、同様のタンパク質や栄養を摂取したときに筋合成すなわち同化がなされる力だそうです。同化力は色んな因子により変化し、その人ごとその時点ごとに存在します。同化力を一番よく理解できるのは年齢による変化かと思います。高齢者は筋肉がつきにくく若い人ほどつきやすいです。これを明確に表したのが画像2です。

画像2

画像1

横軸は摂取プロテイン量、縦軸は筋合成を表すFSRですが、FSR0.06%/hという同じだけの筋合成を得るのに、若年者ではプロテインを0.24g/kgとればよいのに対して高齢者では0.4/kgとほぼ倍のプロテインが必要になっています。これが同化力の差になります。

この同化力に差が生まれてしまう原因としては、少なくとも男性ホルモンや成長ホルモンといった同化ホルモンの量は強く関係しています。加齢によりこれらの同化ホルモンが減ることは同化力低下に結びつきます。

一方で異化の量(MPB)は年齢によってあまり変わらないとされ、高齢者で筋肉がなくなっていくのは主に同化力の低下によるものと考えられています。運動は同化力を短期間高める行為ととらえることができ、同化力を意識することが筋肉増量の最後の鍵となり、臨床における患者へのアプローチにも大きく関わってくることになります。

つまり・・・

⇒同化力とは筋合成のしやすさであり、筋肉量増加のために意識して介入すべきである。

⇒運動は同化力を短期間高める行為といえる

⇒筋肉量増加のためには鍵である①栄養②運動③同化力を意識しよう!

次回はこれらをふまえ、筋トレの仕方についてまとめられればと思います。

引用は画像3となっています。リハビリ+筋トレや栄養学に興味のある方にはおすすめです。(自分もまだまだ途中ですが)

画像3

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