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【Maziプロの巻#2】~ザンビアの農村を映像で体験しよう~

Maziプロとは、「こんなテーマで塾生のみんなと議論したい」思ったときに気軽に開くことができる議論の場です。運営担当がバックアップして、ミニ勉強会など様々な形で実現させてくれます。(Maziプロについてもっと知りたい方は、note記事「薮中塾“最年少”の挑戦~Maziプロの巻~」へ)


こんにちは、6期生の田端友佳です。

現在、博士課程において「ザンビアの農業投入財支援政策におけるIT導入」について研究しています。

これまでにザンビア北部の農村に住み込みフィールドワークをしてきましたが、そこでは物が少なく、いわゆるミニマリスト的生活をしているように見えました。

家族みんなで生業である農業に取り組み、支え合っている情景が、外国にきて緊張している私の心を和らげてくれました。

いつか現地で撮ってきた動画を編集し誰かに共有したいと思っていましたが、一年以上寝かせてきました。今回のMaziプロ第3回のミニ勉強を開くに際し、ようやく編集されました!


アフリカを考える~ザンビアの農村を映像で体験しよう。~」というテーマで、調査の記録映像をお見せする機会を持たせてもらったMaziプロを振り返ります。

200918_Maziプロ告知



「アフリカ外交」のミニ勉強会を開催しようと思ったきっかけ


薮中塾に入ったからには、どこかでアフリカ外交について議論したいと思っていました。

それは研究を通して、アフリカに対する日本の関わり方は、アフリカ各国に対しそれぞれの特徴を持った外交をしているというよりも、アフリカ大陸を大きくとらえて援助しているのではないかと感じていたからです。アフリカ諸国を一挙に東京に集めているTICAD(アフリカ開発会議)の動きからもそう思いました。

研究で仮説を一人で検証するだけでなく、塾生を巻き込みアフリカ外交の特徴をつかんだうえで、塾長や外務省勤務のOBOGからご意見をもらえれば、さらに「薮中塾に来てよかったな」と思えるはずだと思いました。


勉強会のシナリオ

そこでいきなり「アフリカ外交」という抽象的なテーマを扱うのではなく、まず気軽に実際のアフリカの一面を知ってもらいたいという思いから、映像を見てもらうことにしました。

そうすれば現地の人々の目線を忘れずに、現実的な目線でアフリカ外交を考えることができると考えました。

もしかすると「外交なんて人々に焦点を当てるものではない」という意見もあるかもしれません。ただ、大学院の地域研究専攻にいると、まず現地の人々のことを理解して、そのあとに気になることを考えるのが大切だと考えます。とくに「開発援助」を主軸にしているアフリカ外交ではなおさら、それを受ける現地の人々の生活を知っておいてもらう必要があると考えました。

また、現在、大抵のアフリカ諸国では都市部が発展しており、携帯電話での送金が日本よりも進んでいたりと、近代的な要素も牧歌的な農村の生活と同居しています。
今回は農村の生活を見てもらい、「開発が必要と自ら言いながらも、のどかで精神的に豊かな生活を送っているように見える農家の状況」について考えてほしいという気持ちもありました。


本題の動画

ザンビアの乾季の農村で一週間に起きたことを15分にまとめました。
前半は、ある日の朝から昼過ぎまでの様子です。

動画のサムネイルを見ていきましょう。


画像2

わたしの住み込み先の家の前。この家では20匹ほどのヤギが放し飼いにされています。


スカートにアイロンをかける


自分のはいていく制服スカートにひだを作るため、12歳の娘が毎朝アイロンがけをします。


幼稚園
近くの農業大学にある幼稚園に兄妹で登園します。送迎には近所の若者が雇われています。


ピースワークがトウモロコシをたたく

7月になると、収穫後1カ月間乾燥させたトウモロコシ(主食)を脱穀します。収穫が大量のため、住み込み先の父は若者を4人雇っていました。


姉妹がメイズを袋に入れている

脱穀後のトウモロコシの袋詰めは、女性と子供の仕事です。この日は学校を休んで一気に片づけていました。


保管用トウモロコシ

家で保管用のトウモロコシには虫が付かないよう、薬をかけます。


水やり

乾季は野菜栽培が盛んです。毎日バケツで広範囲に水をやるため、体力がないとできません。


家をたてる

未亡人である姉の家を一人で建てる、住み込み先の父。壁用のレンガ作りから家が完成するまで3か月ほどかかりますが、完全なボランティアです。


教会

村にある教会において、土曜礼拝が開かれ、牧師が説教しています。


商店
村の中心。奥にショップが立ち並んでいます。


塾生からのコメントと質問


動画視聴後には、うれしいことに40分間にわたってコメントや質問をもらいました。

例えば、


・家も建て、牧師でもある、住み込み先の父はその2つで給料をもらえるわけではなく、農業で稼がないといけないのは、なかなか大変そう。それはコミュニティ内で金銭のやり取りがあまりなされないということか?
・村には家が点在しているように見えるが、教会には人が多く集まっている。教会における人々の結びつきのほうが、家族の結びつきよりも強いのか?
・開発面で、ザンビアで今一番足りていないものは?
・貧困層であるものの予想よりもずっとましで、国自体が発展しているのだと思った。
・調査地をどのように決め、受け入れてもらったか?


質問を受けて、文字と写真だけのプレゼンよりも、 動画のほうが短時間で現地のことを伝えられ、感覚的にも情報を獲得できるため、考えてもらえる内容も深まると再確認しました。

また、特定の地域を見ているということで、地域に関連する情報は幅広く話せるようになっていく必要があると、こちらも再認識しました。

あとは、考えながらゆっくり話していたため、訓練をして速く話そうと個人的な反省として思いました。


今回の勉強会で、自分の関心のあるトピックをきちんと時間を設けて塾生と話すことは楽しいし、サポートがあるおかげで開催するのもそんなに難しいことではないし、研究ではできない内容ができる機会は大変貴重であり、私自身勉強になると感じたので、

今後の展望として「アフリカ外交」以外にも「アフリカへの民間進出(スタートアップなど)」をテーマにしたミニ勉強会の開催を考えています。

お楽しみに!


マジプロきいてもらってる様子

(質疑応答の様子)


お読みいただきありがとうございました!
6期 田端友佳


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