見出し画像

コーヒー豆生産者との関係性を大切にしている「ミルトンコーヒーロースタリー」

周南市花畠町にあるミルトンコーヒーロースタリー本店。山口県立徳山高等学校のすぐ近く、赤い店名のロゴが目を引くコーヒーショップです。こちらのお店はコーヒー豆の販売をメインで行なっています。また、店内・テイクアウトで、淹れたてのコーヒードリンクの提供もあります。(※店内は、新型コロナ感染状況により利用不可となる場合もあります。)

落ち着いた色の赤いロゴと丸いライトが可愛い店舗外観

お店の裏手にはコーヒー豆の焙煎加工工場があり、店内で販売されているドリップバッグのパッキングもこちらで行なわれています。

焙煎をおりこうさんに待つ生豆たち
撮影に苦労した大きな大きな焙煎機

『人対人』の大切さ

ミルトンコーヒーはいつ行ってもスタッフさんが元気で爽やか!元気がもらえるお店です。日頃からお客さんと何気ない話をしていく中で、その人のライフスタイルや好みを把握してコーヒーをオススメしてくれる素敵な接客。中村さんが詳しく教えてくださいました。

中村凜さん。通称「りんちゃん」。

中村さん「オーナーがずっと言ってるのは、人対人の大切さ。接客もただ接客するだけじゃなくて、普段どういう風にコーヒーを飲んでるのかを聞いたりと、相手に寄り添って提案してます。でも、濃いめが好き、お茶みたいに飲みたい、お客さまそれぞれの好みがあるので、最終的にはお客さまそれぞれに美味しく飲んでいただく事が一番いいかなと思い、お客さまの好みや要望を伺うようにしています。」

なるほどなるほど。一人一人の好みに合わせてオススメを教えてくれる、それってお客さんの好みなどの聞き取りをしっかりしておかないとなかなかできないですよね。オーナーさんの思いがスタッフ皆さんにしっかり伝わってこの素敵な接客につながっているんだなと納得です。

マニュアルがない、だからこそ日々勉強、日々研究

実はミルトンコーヒーさん、コーヒーの淹れ方から接客まで、会社で作成しているマニュアルが全くないんですって!
では技術の習得はどうやっているかというと…。

中村さん
「日々コーヒーの淹れ方を練習してますね。色々やってみて、こういう風にしたら美味しかった、と社長に言いに行くんです。新しく入ったスタッフには淹れ方のレッスンはするけど、同じ豆でも日によって味が違うので、そういう調整の仕方は、もう、日々、自分たちで学んで、研究してます。正解がないですね。ずっと追求していく感じですかね。『今日の美味しい』を社長に飲んでもらって、意見をもらいながら、勉強します。」

赤を基調とした明るい店内

現地買い付けで築く生産者さんとの関係性

中村さん
「コーヒーって、インスタントのように手軽に買える物から本格的な物まで沢山あるけど、本当に美味しいコーヒーが出来ていくまで、こんなに苦労があるんだよっていう事をスタッフが理解していないとお客さんにも伝える事ができないと思います。

以前はスタッフも現地買い付けに行っていましたが、新型コロナ感染拡大の状況から行く事ができていないスタッフもいます。今年はオーナーが一人で行く予定です。

コーヒーの国際品評会(カップオブエクセレンス、通称COE)の元審査員だった社長だからこそ入手できるコーヒー豆は、そのほとんどがCOEの受賞経験を持っていて、生産者さんが品質にこだわってつくられています。

産地へ買い付けに行き、現地の方の話を聞いて現地で焙煎をし、テイスティング・採点をし、みんなで意見交換していく。品質にこだわっている生産者さんだからこそ、そういう関係性が築けるのです。」

「わたし、コーヒーがすごい好きで入った訳じゃないんですよ。コーヒー飲めなかったので。」

中村さんがミルトンに入社した経緯を伺うと、まさかの言葉が飛び出しました。コーヒーが好きで入った訳じゃない!?でももう9年も働いていらっしゃるんですよね!?と、筆者がびっくりしていると、「コーヒー好きで入ったわけではなくて、ある方から紹介していただいてミルトンコーヒーに入社しました。9年勤めて、今10年目になろうとしてますが、実は肩書きがないんです。」と笑いながら教えてくださいました。ミルトンに肩書きが無いのは、全員同じようにがんばって欲しいという社長の気持ちだそう。ただし、お店ごとにメインの担当者がいらっしゃるそうで、現在(取材当時:2022年2月)のメインは、花畠本店がちさえさん、久米店があかりさんです。

コーヒーが飲めなかった中村さん。
「今は飲めるし、コーヒーは好きですか?」と伺ったところ
「コーヒーが好きっていうよりは、お客さんに美味しいって言われることが嬉しいし、自分が提案して、りんちゃんが言ってたコーヒーこういう感じだったよ、って言ってもらえる、そっちの方が嬉しいです。スタッフが成長したり勉強して説明や淹れ方が上手になったり、お客さんに喜んでもらえたっていう事の方が嬉しいですね。」とのお答えでした。続いてこんな熱い言葉も。

熱く語る中村さん

「一人一人仕事を楽しめてたら嬉しい」

「自分が向上したり、勉強したことが自分の力になったりする仕事が好きなんです。ただ日々同じことをこなしていくみたいな仕事は絶対自分には向いてないですね。この気持ちはずっと大事にしていきたいです。自分が嫌な事は無理にやらなくていい。だけど仕事って好きな事ばっかりできない。自分が好きな事、やりたい事があるなら、がんばればいいと思うけど、1回全部自分でやってみて、触れてみて、そこから決めたらいいと思ってます。やる前からこれはやりたくないじゃなくて、色々触ってみる気持ちが大切です。そうして生まれたみんなの心を大事にしたいです。」

そんなハートフルな店員さんのいるミルトンコーヒーのオススメコーヒーをお伺いし、筆者とカメラマンの2人で実際に飲んでみました!

季節ごとに出るブレンドが大人気

ミルトンコーヒーでは3ヶ月ごとに季節のブレンドを販売しています。常連さんや初めてのお客さん、皆さん楽しまれているとの事です。本日はその季節のブレンドと、コーヒーの国際品評会(COE)で2位を受賞したという、ラ ピコナ農園(サミュエルさん)のコーヒー豆を使ったコーヒーの2つを注文!
ミルトンオススメの淹れ方、コーヒープレスで淹れていただきました。

ちなみにコーヒープレスとは、コーヒー豆を入れたポットにお湯を注いで3~4分待ち、フィルターの付いた部分を押して(プレスして)濾してカップに注ぐ、という抽出方法です。
ペーパーフィルターでの淹れ方は技術で味が変わってきますが、このコーヒープレスはお湯を注いで待つだけなので、初心者でも簡単に安定した美味しさが出せるというのが特徴です。

花畠本店のメインスタッフ、ちさえさん
プレス中。とっても良い香り!!
農園ごとの詳しい説明のラベルを読みながら飲むのも楽しい

季節のブレンドはコクと甘みがしっかりと感じられ、ミルクも合いそう!(カメラマン談)ラ ピコナ農園はフルーティで飲みやすい!(筆者)
農園ごとに本当に味わいが全然違うそうなので、1つずつ試していくのも良いですね。

あなたの好みに合ったコーヒーと飲み方、淹れ方などのアドバイスがもらえるミルトンコーヒーロースタリー。
「コーヒーが美味しいとミルトンコーヒーに来てくださる人もいれば、スタッフと喋りたいと来てくださる人もいるし、テンションが下がってる時に来てくださる人もいる…みんなの喉と心を潤す、そんな場所になったらいいなと思ってます。」
と中村さんがお話されていた通り、インタビュー中も入れ替わり立ち替わり、色んなお客さんが来られてました!
コーヒーの提供だけじゃない、ハートを感じるコーヒー屋さん。
スタッフさんの熱い接客を感じに、是非足を運んでみてくださいね。

ミルトンコーヒーロースタリー 本店+焙煎加工工場
山口県周南市花畠町1-1
Tel0120-56-3610
営業時間10:00~18:00
定休日木曜日
駐車場8台

この記事が参加している募集

私のコーヒー時間

この街がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?