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戯言⑦『ここはだれ?わたしはどこ?』


街一番の急な坂道を

自転車で一気に駆け上がれば

そこはかつて病院があった場所

わたしがこの世に生まれ落ちた場所


神社の横に自転車を停めて

息せき切って見下ろすと

そこにはわたしが生まれ育った街

人生の大半を過ごした街


変わらない風景なのか

変わってしまった風景なのか

懐かしい気持ちなのか

切ない気持ちなのか

とにかくあらゆるものが夕陽に滲んで

ついにはわたしが溶け出した


風が吹いて気がついた

わたしはここで

ここはわたしだ



※この坂道はあまりに急なので、小学校を卒業して以来、自転車で上ることはなかったのですが、この前、久しぶりに上ってみて、何かしらを感じたので僭越ながら投稿させていただきました。

なんとなく思いつきでつぶやいてみた戯言です。

昔は坂道や階段に対して何かしらの感情を抱いたことはありませんでしたが、最近はなんだか魅力的に感じてしまう年頃です。なかなか忙しい日々の生活の中で坂道や階段に興じることは難しいかもしれませんが、休日なんかに普段は使わない坂道や階段を上ったり下ったりしてみたら、何か新しい発見があるかもしれませんし、それこそ徒労に終わるかもしれません。

そんなこんなで昔も今もひとり遊びに没頭してしまい、気がつくと周りに人がいなくなるような根暗な性分ではありますが、有難いことにも、まぁ、なんとか生きながらえさせてもらっています。

あなかしこ、あなかしこ


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