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年金は何歳からもらうのが得か?②

前回の続きです。

では何歳から受給するのが得か


60歳から受給したら82歳以上長生きしたら、トータルの金額は減ります。
かと言って70歳から受給して78歳で死んだらトータルは減ります。

では何歳から受給が一番得なのかというと、結論から言うと、それは「何歳まで生きるのか?」の答えによります。

もちろん誰一人として自分の寿命を知る人は居ませんから、「年金は何歳から受給するのが得か」の答えは「わかりません」が正解です。

はい解散。

年金は何歳から受給する「べき」か?


「得か?」の問いの結論が出ましたが、それでは実際に何歳から受給するのが自分にとって幸せなのか、そこを考えてみたいと思います。

そもそも年金に対するイメージが間違っている場合が多く、それは主にマスメディアが間違った印象操作をしているからに他ならないのですが。


そもそもの年金の考え方


日本年金機構のページより引用です。

日本の公的年金制度は、老後の暮らしをはじめ、事故などで障害を負ったときや、一家の働き手が亡くなったときに、みんなで暮らしを支え合うという社会保険の考え方で作られた仕組みです。

 日本年金機構 https://www.nenkin.go.jp/service/learn/index.html

そもそもが「定年になってクソ仕事とオサラバしたら遊んで暮らすための金が降って来る制度」ではありません。

家計を支える人が稼ぐことが出来なくなった時に、その補助として支給を受ける事が出来る公助制度です。
そういう意味では健康保険や生活保護制度とも同じ公助の制度のひとつと言えます。

つまり「定年を迎えたらもう働かなくて良い」という謎の思い込みが、誤解の根源となっているわけです。


では何歳から受給する?


答えは「稼げるうちは稼いで、厳しくなってきたら受給する」が正解でしょう。

「えー!こんなクソ会社にいつまでも居なきゃならんのかよ!クソ!」
と思ったあなた、クソ会社は60歳でオサラバして大丈夫です。

むしろ60歳からは働き方を変えて行く事を前提として計画しなければなりません。

私の場合は(今年還暦ですが)57歳で会社員を退職をして、現在は個人時事業主として会社員時代のスキルを使った事業と、永年趣味だったカメラを使ってフリーランスのカメラマンとして稼いでいます。

会社員と違って、8時間を週に5日という決まりは無く、自由に好きな時に好きな仕事だけを選んで稼げるのと、好きな仕事なので全く苦痛を感じない(むしろ趣味の延長)でいられるという精神衛生上大変よろしい状態にあります。

子供の学費などももうありませんから必要な生活費はすごく小さいので、自分の食べる分だけ稼げばよいわけで、出来れば70歳ぐらいまで生活費は稼いで、年金は70歳まで繰り下げての受給にしようかと思っています。
もちろん、何かトラブルで働けなくなってしまったら、その時点で受給開始すればいいだけの話です。

つまり、年金を「保険」の一種だと考えればいいのです。
健康保険はずっと病気もケガもしなければ使う事は無いけど、だからと言って「あー、病気したら保険金が下りて得だったのになー」などとは思わないのと一緒です。

そういう意味では、例えば70歳過ぎてもガンガン稼いで年収1000万円なら、年金なんてゴミ過ぎてどうでもいいのではないでしょうか。


年金の繰り下げの利点


60代前半はまだまだ元気いっぱいなわけで、仕事しないで減らされた年金をチビチビ受給するなんて、何か事情が無い限りあり得ません。
「いつ死ぬかわからないのだから貰えるうちに貰っておく」という人も居ますが、保険という観点からは無駄に繰り上げ受給で減額というデメリットを受けると思ってしまいます。

むしろ繰り下げのメリットの方が大きいと思います。
1ヵ月繰り下げる毎に0.7%の増額ですから、12ヶ月で8.4%の増額です。
みんな大好きemaxis slim 全世界株式(オール・カントリー)の平均年利8.98%に迫る金利です。
そして70歳までの60ヶ月繰り下げしたら42%アップになり、それがずっと続くわけなので、残りの人生の短い身としてはオルカンより確実な成績と言えるのではないでしょうか。

いっそ60歳から受給してレバナスに突っ込む


残り人生が仮に30年あったとしても、後半の75歳以降は稼ぐのも大変になるかもしれませんし、健康状態も悪くなるでしょう。
レバナスビットコインに突っ込んでも暴落する危険もあり、若い人のように暴落後の30年で回復みたいな事も出来ず、かなりリスキーで晩年に生活保護を受けるなんて事にもなるかもしれません。
それはそれで医療費もかからないのでアリかもしれませんが、配偶者や子供が居るなら、迷惑をかけてしまうかもしれませんのでお薦めしませんね。
75歳以降は安全な資産に移しておくのがセオリーですし、なんだったら切り崩し期に入るわけです。
だからリスキーな商品に年金を突っ込んで一発逆転なんていうのはもってのほかです。
つまり75歳くらいをひとつの出口戦略の始まりと捉えるのが正解ではないでしょうか。


稼げる前期高齢者になるために


60歳で会社を退職して(クソな会社ならもっと早くても可)その後は自分の好きな事を仕事にしていきたいものです。
そのためには55歳ぐらいから自分のスキルの確認と、追加で何か勉強が必要だったら始めるのをお薦めします。

定年退職になったら失業給付を申請して、形だけでもハローワークで再就職のための活動をしてみましょう。
ちなみに59歳以前だと受給金額も多いはずなので、興味がありましたら調べてみて下さい。
場合によっては職業訓練を受けて、今までとは違う分野のスキルを身に付けるのもアリだと思います。
もし万一ハロワで「とても良い仕事(楽そうで賃金もそれなりな)」に出会ったなら、試しに応募してみるのも良いと思います。
仮にだめでも、30年近く社会人をしてきたスキル・知識・人脈などがあるわけですから、60歳以降の個人事業主としてのスタート準備期間としての失業給付期間はアリだと思っています。

60歳はまだ老後ではありません。


人生の戦略をお間違えないように。


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