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数学×革命に生きた天才、命を燃やし尽くすということ

ここ最近、フランス革命期に生きた数学者を題材にした本を読んでいる。
数学者の名前は「エヴァリスト・ガロア」。
わずか21歳の若さでこの世を去ったが、その生涯が凄まじい。

●数学界で「ガロア理論」と呼ばれる歴史に名を刻む発見
●革命で共和主義者として運動し投獄
●投獄先の療養所で出会った女性への恋に破れて失意
●女性問題がきっかけで決闘を申し込まれて銃弾で命を落とす

濃密で劇的な人生を送ったと思うが、本人が決闘前夜に残した文書には
「時間がない」
という走り書きがしてあったというから、
まだまだ生き足りなかったのは間違いない。

自分はこの数学者の人生に興味を覚えた。
その理由は、
数学 × 革命 × 決闘
という3つのキーワードが織りなす人生が
悲劇ではあるが、とてもドラマチックに思えたからだと思う。

「決闘」についてはガロアの本意ではなく
巻き込まれたものだというが、「数学」と「革命」については
自らが魂と命をかけて追及したものだったに違いない。

その両者に共通するのは、真理を追究すること。

数学:数を通して世界の真理を追究する
革命:運動を通して人間社会の真理を追究する

数学は、人類が古代から研究してきた学問分野であり、
この世界の成り立ちを解明する学問。
数学が基礎となり科学文明は発展を遂げてきた。

革命は、フランス人権宣言
「人間は自由で権利において平等に生まれている」
という内容を勝ち取るためのもので、
現代社会ではごく当たり前に我々が享受している真理だ。

「数学」と「革命」、そのどちらにも情熱を燃やし尽くすというのは
人間本来が持っている
・より良くありたい
という基本的な欲求に、純粋さと貪欲さで突き進んでいったということだと思う。
魅力を感じる理由は、その「より良くありたい」ということへ無謀とも言えるかたちで突き進み、命を燃やし尽くす人生というものに、「生きている」という実感の理想をガロアの人生から感じ取っているのだと思う。
ガロアのような純粋さと貪欲さで、命を燃やし尽くす人生。
それは自分の理想でもある。

ガロア 天才数学者の生涯(角川ソフィア文庫)

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