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妖怪きなこ爺
2020年7月28日 01:14
何の気なしにあることを思い出すことがある。何かを思い出すと、頭はそのことをより思い出そうと働く。そして、それをだんだん思い出していくうちに、なぜそれを急に思い出したのかは忘れてしまう。さっき丁度そんなことがあった。10年ほど前に東京で仕事をしていた頃の話だ。当時の僕はマネージャーとして、20人くらいの飛び込み営業アルバイトのリーダーをしていた。そのバイトの中に大和里子(おおわさとこ)と言う
2020年7月16日 04:53
理由はひとつもなかった。ただ何となく、本当に何となく僕は病院に寄ったのだった。お決まりの朝寝坊をかましてしまい、今からだと予備校の一限には間に合わない。別に誰に咎められるわけでもないのだが、僕はいつもの気まぐれで一限をさぼり、祖父の「ジジ」が入院している病院に寄ることにした。ジジは末期の喉頭癌だ。どうやらもう長くはないらしい。ちょうど1週間ほど前に危篤状態になり、家族総出で病院に向かったの