PBLを家庭で…臨時休校を楽しく健康的・効果的に!!
3月上旬から学校が休校になりどう過ごすか考えている小学生・中学生・高校生のあなたと保護者のみなさんにお勧め!
あなたの家で「PBL」をやりましょう。
そして、やりたくない勉強はやらなくていい。
PBLはProject Based Learning のことです。
私は「わくわく楽しいことをすると学習になる」と理解してます。
いくつかの条件のもと、わくわく楽しいことをじっくりどっぷりやるだけです。それだけで学習になります。
この週末から、あなたは保護者の協力を得てPBLを始めましょう。
■やりたくない勉強はやらなくていい
せっかくの感染症予防のための臨時休校なので、やりたくない勉強はやらないようにしましょう。やりたくないことを無理してやるのは、脳が疲れてあまり脳の発達に役立ちません。いやいやする勉強は免疫も低下するらしいです。
先生に叱られる?
良い経験です。ぜひ叱られてみましょう。
叱られる度胸がつくと、実社会でとても役に立ちます。
叱られた後に堂々と「やりたくない勉強の代わりに○○をやりました」とドヤ顔でプロジェクトでやったことを知らせてあげましょう。
1.プロジェクトを考える
【大前提】今回のプロジェクトは、「平日学校に行っている時間の全部を使って、わくわくやりたいこと」です。 思いついたやりたいこと(=プロジェクト)を、紙に書き出していきましょう。
ただし条件がいくつかあります。その1番目。
条件1.スマホ・タブレット・テレビ・ビデオ・ゲーム機等電子メディア機器は無し
「え~っ!そんな~」というあなた!学校の時間では、電子メディア機器を、あなたの楽しみのためには使えないですよね?だから、学校の時間を使うこのプロジェクトも、電子メディア機器は無しです。
1カ月×6時間くらいの時間を使えるのですから、普段できないような、まとまった楽しいこと(かつ非電子メディア系)をひねり出しましょう。
工作とか、楽器をマスターするとか、1つの曲を踊れるようになるとか、竹馬に乗れるようになるとか、お手玉5個できるようになるとか、超絶難度の折り紙を作るとか、難しいパズルとか、高度な料理とか、全集の読書とか、小説を1本書きあげるとか、大作の絵を描き上げるとか。
あなたの中にある「やりたい」を増幅してみましょう。
1カ月かかりそうなものだけでなく、3日くらいで終わりそうなもの、1週間くらいでおわりそうなものでも「わくわくやりたいこと」ならOKです。
■なぜ電子メディア無しなのか
1.脳が疲れる(脳の発達に悪影響。学習を妨げる。免疫力低下。)
2.ネット・ゲーム依存症に陥る危険(楽しいこと×ネット機器はハイリスク)
3.目に悪い(ブルーライトの影響、急性内斜視、眼球運動の異常など)
4.生活習慣が乱れる(夜更かし、睡眠の質低下、自律神経の不調。免疫力低下。)
5.姿勢が悪くなる、ストレートネット、呼吸が浅くなる、血行が悪くなる、運動不足による骨密度低下、肥満など健康に悪影響(免疫力低下)
6.ネット社会に触れる(主に学習以外の利用)ことにより、未成年者では責任が取れないトラブルが起きる・起こす。
7.ネット社会に触れる(主に学習以外の利用)ことにより、社会に対する感覚が歪む。雑多で過激な情報、偏った情報など。
弊害の詳細は武田信子さんの以下のnoteもご覧ください。
「子どもの発達・健康に対するモバイル機器の影響と対応」
2.管理責任者との交渉
プロジェクトには大抵、プロジェクトを進める人(今回はあなた)とは別に管理責任者がいます。プロジェクトが条件を守っている、ちゃんと進めているかを確認する人です。
会社だと部長や社長なんて人ですが、あなたの場合は「保護者」が管理責任者です。
プロジェクトは「わくわくやりたいこと」でいいのですが、どんなことをしてもOKではないのです。条件が付きます。条件を付けられたなかでやるから、なおさら楽しくなるのです。ゲームがルールがあるから面白いのと一緒です。チートを乱用したらゲームは面白くなりますよね。
次の段階は、プロジェクトのアイデアに対して、次の3つの条件について交渉することです。
条件2.責任を負える内容か
まず「責任」の意味を話し合いましょう。あなたと管理責任者、どちらがどんな責任を持つか決めておきましょう。未成年者であるあなたが負える責任は、それほど大きくないです。
条件3.予算
予算をいくらでも使っていいというプロジェクトは、大抵あまりうまくいきません。予算がないほうが、いろいろ考えますから学習効果も上がります。
条件4.感染症予防できるか
プロジェクトの内容が感染症に対して予防策がとれるか話し合いましょう。どんな対策が必要か話し合って理解し実行しましょう。
プロジェクトの実行に、保護者や他の大人、兄弟や友人など協力者が必要ならそれもOKです。その場合は、いつ、どんな協力が必要か相手に伝えてOKをもらっておきましょう。
■管理責任者(保護者)は必要
社会に出れば管理責任者は当然のようにいます。
企業では管理職がスタッフに対して、家庭ではお子さんに対して保護者が管理責任=法的、社会的、経済的責任を負います。良い機会です。お子さんがやりたいことをやろうとしているときに、お子さんとよく話し合って、お子さんが負いうる責任と保護者が負う責任を話し合って決めていきましょう。保護者はお子さんのProject=「やりたい」が最大限実現できるように協力しましょう。ただし、協力の大部分は話を聞くことと責任を持つことになります。
3.条件1の例外を認める場合
プロジェクトを進めていくうえで、どうしてもネットで情報を探したりメディア機器を使う必要がある場合は、必要な理由、使う機能、利用時間を保護者と話し合って決めてください。
例えば「超難度の折り紙のワザをYouTubeで見る」といった用途をあなたが示し、保護者と話し合って
「用途・機能:超難度折り紙〇〇さんのYouTubeチャンネル」
「理由:超難度でけた違いにすごい。これでしか見られない」
「時間:1本10分程度を3回まで」
というようなことを決めます。
話し合いで用途、理由、機能、時間についてあなたも保護者も納得したら、A、Bどちらかの対応を保護者にお願いしましょう。
A.夕方以降や休みの日に保護者と一緒に使う(※小学生は必ずA)
B.必要な機能のみに機能制限し、必要な利用時間を限度に時間制限を掛けてもらう(利用時間の目安は1日1時間以内)
■機種別機能制限・時間制限の方法
※iPhone、iPadならスクリーンタイム
https://support.apple.com/ja-jp/HT208982
※Androidならファミリーリンク
https://families.google.com/intl/ja/familylink/
※Windows PCならファミリー機能
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/12439
4.計画(時間割と予定表)を作る
①時間割・・・月~金の1日の時間の使いかた
②予定表・・・この期間のプロジェクト実行予定表
以上2つの計画表を作りましょう。
計画表を作る際には、さらに3つの条件を追加します。
条件5.学校に行くときと同じ起床時間と少し早めの就寝時間にする
条件6.学校で運動する程度の運動の時間(通学時間を含む)を必ず入れる
条件7.感染症にならないための予防行動(手洗い、うがい等)を入れる
「学校の時間を自分でデザインする」ということです。
時間割も予定表も条件さえ守れば、あなたが自由に決めていいのです。
プロジェクトは1つをじっくりでもいいですし、短めのものをいくつかでもOKです。
保護者は、計画書を見て主に「責任」「費用」「協力者」の面をチェックして、妥当かどうか保護者自身の考えを伝えてください。
そのときは、かならず「私」を主語にしましょう。
「お父さんは×××と思う。」
そのあとに
「あなたはどう思う?」
と付け足して、お子さんの意見を聞きましょう。
■計画の決定権
PBLでは、計画(カリキュラム)の決定権は生徒(=お子さん)にあります。
ただ、保護者が負う責任の範囲、内容を十分確認し、お子さんが必要以上のリスクにさらされないようにしましょう。
■感染症予防のために生活習慣を守る
感染症予防に必要なのは、規則正しい生活、適度な運動、予防行動です。
学校に行っているだけで、これらはかなり守られるのですが、学校が休みになると崩れてしまいます。今回のPBLでは、この3つの条件は非常に重要です。
5.実行と報告
あなたの計画通りやってみましょう。
毎日、夕食のときにでもあなたは保護者に報告してください。
今日、どんなことが「楽しかった」、「大変だった」、「うまくいった」「うまくいかなかった」
あなたが感じたことを報告しましょう。
保護者も話を聞いて感じたことを話しましょう。
「毎日はめんどい」というあなたは土曜か日曜だけでもいいです。
ただ、言いたくなったときはいつでも報告しましょう。
あなたは手助けが欲しいときは、保護者や協力者の力を借りていいのです。
どんな協力が必要か、あなたから持ち掛けましょう。
保護者は協力の依頼があるまでは、話を聞いて感じたことを言うだけにとどめておきましょう。
■行き詰まりへの対応
PBLはやっていると必ず行き詰ります。行き詰って考えることがPBLの学習スタイルだからです。
行き詰ったときには、本来なら複数で「あーでもない」「こーでもない」と話し合って進めていきます。ですから「やりたいこと」が同じ友人や兄弟がいれば一緒にやるとよいです。
一緒にやる人がいないときでも、ちゃんと話を聞いてくれる人がいれば、自分で問題が整理できて次にどうするかを見出せるでしょう。
6.なんどでもやり直しOK
「楽しい」つもりで始めたけど、ちっとも楽しくないとき。
計画のようにうまくいかないとき。
保護者と話し合って・・・
3まで戻って計画を立て直す
1まで戻って「やりたいこと」を探しなおす
のどちらかをやってみましょう。
同じプロジェクトに何度も挑戦していいのです。
慣れないやり方です。何度でもやり直してよいのです。
「やりたいこと」をやり遂げきれなくてもOKです。
やってみて、やり直しての中で、すでにたくさん学んでいます。
何度でもやり直してよいのです。
長期の休みが電子メディア無しでも楽しみになってきましたか?