古野陽一

福岡県北九州市在住。 子ども・子育てに関するワークショップや人材養成講座を開発している…

古野陽一

福岡県北九州市在住。 子ども・子育てに関するワークショップや人材養成講座を開発している株式会社喜楽学舎 代表取締役。 もともとはIT技術者で、現在も東京の小さなIT企業の代表取締役も務める。 他の主な活動としてNPO法人子どもとメディア 全国ネットワーク担当常務理事。

最近の記事

一議員の意見で「ゲーム依存症予防啓発」が骨抜きになった

文科省から令和2年4月に「ゲーム依存症予防啓発」として高校生に配布されるはずだったパンフレットの内容が、一議員の「活躍」で「ギャンブル依存予防啓発」に捻じ曲げられてしまっています。 ●最終的な啓発パンフレット 文部科学省 「行動嗜癖」の理解のための啓発資料について ■ゲーム依存症予防啓発を阻止山田太郎参議院議員のYouTubeチャンネル「山田太郎のさんちゃんねる No394」に、その「活躍」の様子が語られています。 令和2年4月22日配信【山田太郎のさんちゃんねる】 【

    • コロナ対策としてのGIGAスクール構想、危機感を持って弾力的な予算の運用を!

      コロナ対策補正予算の文部科学省分で「GIGAスクール構想を推進せよ」という文部科学省の解説動画が公開されている。 学校がなかなかICT活用教育に乗り出さないことへのいら立ちすら感じさせる内容。 コロナ補正予算でのGIGAスクール構想説明動画 https://www.youtube.com/watch?v=xm8SRsWr-u4%3Ft%3D6607 コロナ補正予算でのGIGAスクール構想説明 配布資料は https://www.mext.go.jp/content/2020

      • 種苗法改正について素人なりに考えてみた

        種苗法改正について、農業には全くの素人ですし、国際的な知的財産権の考え方についても詳しくないのですが、一生懸命考えてみました。 種苗法改正の是非について、まず、やまけんさんの投稿をシェアします。 ■GW明けに国会審議される「種苗法の一部を改正する法律案」について やまけんの出張食い倒れ日記 2020/5/5 https://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2020/05/30062.html 私が少し前にFaceBookでシェア

        • コロナ禍中の災害への備えを考えてみる

          2016年4月14日…熊本地震が発生して4年が過ぎました。 「まさか熊本で!」というのが発生時の正直な思いでした。 今、このコロナ禍のさなかに災害が起きたら・・・ しかし、「あり得ない話」ではなく「身近な話」です。 毎年6月~7月の梅雨、7月~10月の台風と、日本のどこかで甚大な大雨災害が起きています。今年も起きると考えたほうがよいでしょう。 南海トラフ巨大地震は言うまでもなく、いつ、どこで「想定外」の地震が起きても不思議ではありません。 今、備えておくことで災害の被害も、感

        一議員の意見で「ゲーム依存症予防啓発」が骨抜きになった

          英断を!~企業経営者のみなさんへ

          ■コロナ禍から社会を救えるのは企業経営者の英断しかない主に福岡県の企業経営者のみなさんに向けて書きます。 しかし、他の都道府県でも状況は似通っています。 福岡県は今、日本で一番、感染拡大速度が大きい県です。 感染者は3日で2倍に増えています。その速度はニューヨーク市の感染拡大速度とほぼ一致しています。 「国や行政から業務停止の要請が来てからでもいいのでは?」 それでは、遅すぎる判断になります。 次に示すワーストケースの試算では、 ・企業活動8割減を1週間延ばせば4月29

          英断を!~企業経営者のみなさんへ

          コロナ禍での外出、「だいじょうぶだぁ」と「だめだこりゃ」

          ■「外出」を感染防止の視点から考え直す「不要不急の外出を控える」と盛んに言われるため、用がなければ家に閉じこもって外に出てはダメだと思っている方が多いようです。一方で会社の仕事なら人に会うのは問題ないと思っている方も多いでしょう。 そこで、新型コロナ感染拡大防止の視点から、外出を「だいじょうぶだぁ」と「だめだこりゃ」、さらに「ちょっとだけよ」と「あんたも好きねぇ」に分けてみました。 ※新しい例、考え方の誤りやご意見があればお知らせください。随時追記・修正していきます。 ■

          コロナ禍での外出、「だいじょうぶだぁ」と「だめだこりゃ」

          新型コロナ~4月1日新入園児が一斉に登園を始めることに危機感

          「中国の新型コロナウイルスに感染した小児患者に関するデータ分析から、2000を超える小児が新型コロナウイルスに感染し、とくに幼児や乳児(訳注:1歳未満の子ども)の重症化率が高い。」と報道されています。 中国で小児コロナ患者「2000人超」の深刻度 東洋経済オンライン 2020年3月25日 https://toyokeizai.net/articles/-/339414 ■育児休業を数カ月延ばせば回避できるのではないか4月1日から0歳~1歳児が一斉に保育園に入園します。多く

          新型コロナ~4月1日新入園児が一斉に登園を始めることに危機感

          新型コロナ「肺炎全体の重症者数、死者数の推移」に注目しては?

          医療も統計も専門外ですが理屈で考えてみました。 ■感染者数・死者数では「大局を見誤る」経路不明の市中感染が次々に見つかる今、注目すべき統計値は「肺炎全体の重症者数、死者数の推移」ではないでしょうか。 新型コロナの報道では、感染者数、死者数が大きく取り上げられます。経路不明の感染が1件でも発生すれば疑心暗鬼になるでしょう。感染者が急増してイタリアのようになるのではないかと不安に駆られる方も多いでしょう。 しかし、これは検査をした範囲だけの値です。それだけで過剰に心配したり

          新型コロナ「肺炎全体の重症者数、死者数の推移」に注目しては?

          学校が休みの間の過ごしかた

          安倍首相の「要請」以降、大人たちは対応に追われました。 大人も大変でしたが、実際に過ごしている子どたちもも大変です。 子どもたちに向けて「過ごしかた」をまとめたものを作ってみました。 合わせて保護者に向けて、私なりに信憑性が高いと思われる情報を掲載した保護者用資料を2ページ目に入れました。 学校が休みの間の過ごしかた(PDF) 学校が休みの間の過ごしかた(Word) 文責を示すため、クリエイティブコモンライセンス著作者名表示(CC-BY)を付けています。 どちらの資料も印

          学校が休みの間の過ごしかた

          子どもにスマホ・ネットを使わせるなら

          資料PDFダウンロード 「子どもにスマホ・ネットを使わせるなら」 今、ネットへの依存度が大人も子どもも一気に高まっています。(私もその一人ですが) 子どもが一人で家にいるから、スマホを持たせようという保護者もいるかもしれません。 「大義名分」があるときほど、危険を過小評価しがちになります。 特に子どもに向けて「学習の機会を提供する」「楽しく過ごしてもらう」として、オンラインのサービスが大盤振る舞いの状況になっています。 サービスの提供者には 「危険の押し売りをしているかもし

          子どもにスマホ・ネットを使わせるなら

          休校中の過ごし方は「外遊び」がどうもいいようです

          WHOの発表などから理屈で考えてみました。 新型コロナウィルス感染リスク ■低い場所 ベスト1位.健康観察ができている特定の子どもたちが遊ぶ戸外       健康状態のよい少数の子どもと少数の大人で過ごす戸外 ベスト2位.不特定多数だけど元気な子どもたちが遊ぶ戸外 ベスト3位.健康観察ができている特定の子どもが直接接触が少なく適切に間隔をあけて過ごす屋内 ■高い場所 ワースト1位 不特定多数の大人と子どもが密集し、直接接触のある換気の悪い屋内 ワースト2位 不特定多数の大

          休校中の過ごし方は「外遊び」がどうもいいようです

          休校中にオンライン学習をするなら弊害対策をすること

          一斉休校に向けて「オンラインで自宅学習を」という動きが強くなっています。 弊害と最低限の対応策を大人が理解し、子どもに対して対策することは大人の責任です。 生活習慣が乱れれば免疫力が下がって感染症にかかりやすくなり、なんのための休校が意味がわからなくなります。 ■オンライン端末を使うことの弊害ざっくりとは以下のようなこと。すごくおおざっぱですが、取り急ぎなのでご容赦を。 1.脳が疲れる(過剰な情報が学習を妨げる。脳の発達に悪影響の可能性。) 2.ネット・ゲーム依存症に陥る

          休校中にオンライン学習をするなら弊害対策をすること

          PBLを家庭で…臨時休校を楽しく健康的・効果的に!!

           3月上旬から学校が休校になりどう過ごすか考えている小学生・中学生・高校生のあなたと保護者のみなさんにお勧め!  あなたの家で「PBL」をやりましょう。  そして、やりたくない勉強はやらなくていい。  PBLはProject Based Learning のことです。  私は「わくわく楽しいことをすると学習になる」と理解してます。 いくつかの条件のもと、わくわく楽しいことをじっくりどっぷりやるだけです。それだけで学習になります。 この週末から、あなたは保護者の協力を得てPBL

          PBLを家庭で…臨時休校を楽しく健康的・効果的に!!

          子どものネット・ゲーム依存症~新たな困難

          子どもがネット・ゲーム依存症治療中だという親の話を、ここ1か月ほどの間に異なる地域で数件聞いた。 治療拠点が増えていることを実感するとともに、新たな困難が生まれていることに気づかされた。 ■遊びに誘われるのが怖い治療は通院か入院だが、私が聞いたケースでは学校にはまだ行ってない状態だった。いずれの親も症状が改善したとき、学校に行かせるのがとても不安だと言っていた。 学校に行けば仲の良かった子たちが、きっと遊びに誘ってくれる。それはありがたいことだけど、ネットやゲームの大好き

          子どものネット・ゲーム依存症~新たな困難

          「校則をやめた」からではなく「権利を守る」ようにしたからだと思う

          ■世田谷区立桜丘中の教育改革 西日本新聞 2019/5/27の記事 「校則をなくしてみた中学校 「常識」に挑んだ校長の改革」https://www.nishinippon.co.jp/item/n/513553/ 【校則の?】と題したシリーズの7回目です。 東京都世田谷区立桜丘中学校の取り組みを紹介したものです。 西郷孝彦校長が就任した当時は、荒れた学校で力で押さえつける指導がまん延していたようです。西郷校長は、一つ一つの規則に対して「なぜ必要なのか」「本当に必要なのか」と

          「校則をやめた」からではなく「権利を守る」ようにしたからだと思う

          「科学的検証」の限界と「ならわし」の合理性を知って妥当な行動を決める

          現在、科学的検証によるエビデンスが高く評価され過ぎ、一方で古くからの「ならわし」は科学的根拠がないと過小評価されているように私は感じています。 ここ100年くらいの間、科学の力で人々の日々の営みは大きな変化を続けています。特にこの数十年の変化は激しく、行動のガイドラインがすっかり見えなくなっています。 現代の状況では、「変わらないこと」に基準を置いて、変わった「環境」を分析し、「ならわし」を修正するか「環境」を修正することが、妥当な行動のガイドラインになるのではないかと考えて

          「科学的検証」の限界と「ならわし」の合理性を知って妥当な行動を決める