見出し画像

地域を明るくするリハビリテーション専門職の会 大和の岡原です。
当会は、市民活動団体として地域を明るくすることを目的に活動しています。

今回も昨日に続きリハビリに関する記事です。
昨日の記事では、糖尿病患者に対するリハビリについて色々と調べて軽くまとめてみました。

この記事では低血糖について軽くまとめてみました。

血糖値の基準

  • 正常血糖値は70~110mg/dlの範囲 (セブン-イレブン)

  • 低血糖の定義は「血糖値が生理的な変動範囲を超えて低下することによって様々な症状を呈した状態」

  • 血糖値が70mg/dlを下回ると生じる

低血糖症状 ~交感神経症状と中枢神経症状~

  • 低血糖の症状は大きく分けて二つ
    ⒈交感神経症状
    症状が出始めた初期に見られる症状
    (70mg/dl前後を切った時から出始める)
    ⒉中枢神経症状
    さらに進行した場合に見られる症状
    (50mg/dlを切ると生じ始めまる)

  1. 交感神経症状                           

  • 血糖値が下がり始めると、正常に保つために生体は初期反応としてカテコラミンやグルカゴンを分泌し、血糖値を上げようとする

  • いわば「ちょっとやばいかも」と思い始めて体が警告を発する

  • その時症状として、冷汗・不安感・顔面蒼白・動悸などが現れる

⒉中枢神経症状

  • 頭痛・眼のかすみ・動作緩慢・集中力の低下などが起こったのちに意識障害や、異常行動、けいれんなどが生じ、最終的に昏睡となる

  • これは深刻な血糖不足が生じたことで体が動かなくなっていく状態

  • ひどいケースでは死に至ることがある

  • したがって交感神経症状が警告症状であるのに対し、中枢神経症状は生命の維持に関わってくる症状となる

低血糖とその対応 ~リハ中に起こったら~

  • 「低血糖かも?」と感じたら、いったんリハを中断し、看護師に連絡して早急に血糖測定をしてもらう

  • 病院内のように設備や看護師が近くにいるなど環境が整っていないケースではひとまずブドウ糖を10gもしくはブドウ糖を含んだジュースなどを摂取してもらう

  • 交感神経症状を「なんか変な感じ」とか「ぞわぞわしてきた」なんて表現される

低血糖を避けるには

  1. 空腹時の運動は避ける

  • 空腹時は特に血糖値が低くなっていることもあり、この時間帯での運動は避けるべき

  • 特に食事をとってから次の食事までもっとも時間の空いてしまう朝食前は避ける必要がある

  • ただし昼・夕食時前の運動については絶対的な禁忌ではなく、日ごろの血糖変動や飲んでいる薬によってできる場合もある

  • この場合は主治医と相談して運動可能かどうか決める

⒉食後すぐの運動は避ける

  • 食事をとってからエネルギーになるまでの時間は健常の人と比べると、糖尿病患者では時間がかかる

  • したがって食事をとってお腹がこなれるまで1~2時間の間をあけるようにする

⒊服用中の薬を把握しておく

  • 薬の種類によっても低血糖を引き出しやすいものがある

  • 一般にSU薬と言われる薬及びグリニド薬、そしてインスリン

  • これらの薬は体内の血糖状態にかかわらず、インスリンを放出することで血糖を下げる効果があるため、食事の量がいつもより少なかったりすると血糖低下を引き起こす可能性がある

  • カルテなどでは見かけたときは時間を把握してリハを行う

まとめ

  • 運動をすることで血糖は降下する

  • それは糖尿病における運動の目的の一つでもあるが、状況によっては低血糖を引き起こしてしまうリスクにもなることがある

  • そのためにしっかりとその機序と対策、そして何より避ける方法を知っていると、臨床においても怖がることなく、冷静に対処できる


参考・引用


この記事が参加している募集

#スキしてみて

526,258件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?