【映画備忘録】世界一キライなあなたに
■あらすじ(大雑把)
不慮の事故により四肢麻痺になったウィル。
生活するためにお金を稼ぐ必要があったルー。
そんなルーがたまたま見つけた仕事が、ウィルの介護だった。
最初は心を閉ざしていたウィルが徐々にルーに心を開いていく。しかし、ウィルは事故の後の自分の姿が受け入れられず、自ら命を絶つ選択をすることになる。
■感想
この映画を観終わった後、複雑な感情が渦巻いた。
悲しく、切なく、決して心暖まるとは言えないエンディング。そんな感情のなかで、愛や死生観について考えさせられた。
愛している人を目の前に、自ら命を絶つウィルのつらさもあり、命を絶たれてしまうルーのつらさもあり…
ただ、ウィルには愛よりも、このまま生きることのつらさが勝ったということなのだろう。
印象に残ったシーンは、ルーがウィルの選択を止めようとしているときのウィルのセリフ。
「妙な格好で歩き回る君や 裸の君を見ても 何も出来ないなんて どんなに抱きたいか 君には分からない」
こんなつらさは、五体満足で健康に過ごせている僕たちには、絶対に分からないことだ。
とは言え、ウィルのことを愛しているルーの立場で考えても、目の前で愛する人が死んでいくのはあまりにもつらすぎる。
多くの人が「自ら命を絶つことはダメ」と考え、ルーの立場に立つのではないか。
だが、この映画が問いかけていることは、
「ウィルの立場でも考える必要があるのではないか?」
ということなんだろう。
ーー自分の人生は自分で舵を取る。
ーー人にはそれぞれの価値観がある。
生死に関することだけでなく、この映画からはそんなメッセージも受け取れた。
こうしてnoteを書きながら、先日、友人と話していたときのことを思い出した。
友人に、「最近流行りのオーバーサイズのファッション、かっこよくないよね」という話をした。
友人は、ぼそっと一言つぶやいた。
「ファッションは、人それぞれの価値観だから…」
と。
友人も同意してくれるだろうと思い込んで発言したのだが、予想外の反応に、若干の切なさがあった。
でも、その一言は全てを表している。
ファッション、趣味・嗜好、そして死生観ひとつとっても全て、人には人の価値観があるのだ。
僕らは他人と仲間になりたい、いや、仲間外れになりたくないと思っている。
でも、現実は、人にはそれぞれの価値観があって、マジョリティに見えているようで、実はみんなマイノリティなんじゃないかーーー。
複雑な感情のなかでこんなことを考えた。
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