【映画備忘録】ヘアスプレー
あらすじは割愛して…いきなり雑感を。
人種差別をテーマに描いている映画だが、ミュージカル調だからか、さらりと観れてしまう。
こうしたテーマを扱うときは、どうしても重たい雰囲気になるイメージだが、この映画は良い意味で「軽い」。
歌、ダンス、歌、ダンス、歌、ダンス…と、とにかく歌って踊っている。
歌やダンスには人種なんて関係ない
そうやって一つになっていく様に、改めて歌やダンスの持つエネルギーを感じさせられた。
この映画で印象に残っているセリフがある。
トレイシーが人種差別へのデモに参加しようとしたときの父親のセリフだ。
「正しいと考えることがあるなら 古い人間は気にするな」
母親(と言ってもジョン・トラボルタが女装)はデモへの参加を反対しているし、時代的にも反対するのが当時の父親の役目な気がする。
しかし、それを古い人間と表現し、デモへの参加を許容しているなんとも先見の明のある父親だ。
この映画は1960年代のことを描いているようだが、60年経った今なお人種差別は残っている。
ときどきスポーツの世界においても「差別的な発言をした」等とニュースで取り上げられているほどだ。
僕もある国を訪れたときに、飲食店の店員から両目を左右に引っ張る仕草をされたことがある。
「あ、差別されている…」と感じた瞬間だった。
日本にいるとなかなか感じられない感情だった。
この映画を見ながらそんなことを思い出し、
そしてTHE BLUE HEARTSの「青空」の歌詞の一部を思い出した。
生まれたところや、皮膚や目の色で
いったいこの僕の何が分かるというのだろう
全くその通りだ。
ヘアスプレーを通して、普段、なかなか考えることのない人種差別について考えさせられた。
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