菜の花 × ナンプラー = 衝撃
"知り合いの奥さん"がアジア料理のお店を経営している。
先日、その"知り合い"の方に会いに、この店に行った。
台湾料理、タイ料理等々、色んな料理を提供していた。
席に着き、とりあえず飲み物を決める。
お酒は弱いので、飲みやすいシンハーを注文。
次は料理。
知り合い「苦手なものある?」
僕「パクチーはダメ。空芯菜もダメかも。」
アジア料理の店に行っておきながら、僕はエスニック料理や、においが強い食べ物が苦手なのだ。
知り合い「それ以外で苦手なものは?」
僕「大丈夫!」
…とは言ったものの、正直、
「何が苦手かと聞かれても、全体的に苦手だから…」
と心のなかで思った。
でも、とりあえず、絶対ダメなものは伝えた。
知り合いがメニューを見て、料理を選定している。
知り合い「どれにしようかな……とりあえず、菜の花のナンプラー炒め」
僕「(……ファッ!!!???な、菜の花???)」
僕は耳を疑った。
うわぁぁああ
菜の花ぁぁぁあああ
苦手だぁぁぁあああ
思い出されるのは幼少期に食べていた母親の作る菜の花のおひたし。
あの独特の苦味が苦手だ。
晩御飯に菜の花が出てきたは、食べるのに時間がかかっていたっけ。
それにしても、菜の花なんて何年口にしていないだろう。
しかもナンプラー炒めって。
そもそもナンプラーの味の想像がつかない。
魚醤でしょ?くらいの知識しかないのだ。
どうしよう…
菜の花のナンプラー炒め、もしめっちゃ苦手だったら…
ゆで豚があるから、ゆで豚と一緒に食うか…
なーんて、色々なことを考えた。
そうこうしているうちに、ヤツはやってきた。
菜の花のナンプラー炒め様の登場だ。
湯気を立て、堂々たる登場。
テーブルの中央に鎮座なさっている。
知り合いがそいつに箸を伸ばす。
僕も食べない訳にはいかない。
恐る恐る箸を伸ばす。
菜の花をつかむ。
そして一口食べてみる。
もぐもぐ。
「……うん??ナニコレ……??…??」
とりあえず、確認のためにもう一口。
「う、うまい……!!??たしかに僕の舌は今、菜の花をうまいと感じているし、ナンプラーもうまいと感じている……!!!」
その衝撃たるや半端じゃなかった。
あの苦手だった菜の花は、今、僕の舌で「うまい\(^^)/」と踊っているのだから。
菜の花の苦味はあるんだけれど、それがまた良い。
ついつい箸がのびてしまう。
かつてなら受け付けなかったはずの苦味も受け入れられる。
それにしても、うまい。
もぐもぐ…もぐもぐ…
菜の花のナンプラー炒めはじめ、アジア料理をたいらげて、大満足のなか帰路に着いた。
そして、昨日、スーパーに行った。
たまたま寄った野菜コーナーに菜の花が売っていた。
気がつけば、菜の花をかごに入れていた。
そして自然と調味料コーナーに足が向かい、ナンプラーをかごに入れていた。
スーパーから帰って、菜の花のナンプラー炒め様を作った。
今度は敬意を表して「様」をつけたい。
素人が作っても、とてもおいしかった。
簡単、安い、おいしい。
素晴らしいバランス感覚の持ち主。
2020年、30歳男、
春先と言うにはまだ少し早い季節に、
菜の花のナンプラー炒め様の虜になった。
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