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「取捨選択の先にある光を求めて。」

昨日最後の宿泊を終え、他拠点生活にいったん終止符を打つことにした。旅人としての生活はこれで全て終え、また元の定住生活に完全に戻ることになる。

特にその生活に不満があったとかそういうわけではない。単に自分がしている生活と、すべきことと、利用するサービスとの相性が一時的に合わなくなっただけだ。いずれまた再開するかもしれぬ。


未開の地を訪れるたびに、新たな世界の扉をどんどん開けていくようで、根底に眠っている好奇心の血が騒いだのだった。

しかし同時に、生活のほとんどを読書に費やしており、どこにいても同じような日常を送っていた。果たしてこれは、旅を続けていく意味があるのかと、そんなことをふと思う瞬間もあったのである。

そんな中、先日企業さんにお呼ばれしたということもあり、元の場所に戻らざるを得なくなった。しかしそれ自体はむしろ好機だったのかもしれない。今あなたは、いったい何をするべきなのかと問われているような気がしたのだ。


何かに興味を持ち行動をすることは、自分の領域を広げるためにも重要である。しかし時間というものは止まってくれず、自分という存在は絶えず死に向かって一歩ずつ歩みを進めている。

であるとするならば、何をするかというよりも、何をしないかということの方が重要で、取捨選択をきっちりすることの方が人生において意味をなす。何にでも手を出して全ての物事が中途半端になるぐらいだったら、対象をある程度絞り、何をやらないかということを決めた方が前にことを進めやすい。

ゆえに、他拠点生活という概念をいったん自分の中から捨てることを決めた。もちろんこの生活をすることで出会った人もいるわけで、心苦しいなと思う。ただ、「いったん」というのがポイントで、またゆとりができたら再開しようと思ったりもしている。


インスピレーションを得たくなったときに、ふらっと旅に出かけることはあるかもしれないが、いったんは自分が今やらなければいけないことに集中しようと思う。

少しでも先の未来に、光があることを信じて。

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