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悪夢をきっかけに、方向転換をした話

講師のだんまりした表情と、はっきりときこえた「わからない」という言葉。もしかしたら、今まで営業に出ていた私もこんな風に思われていたのではないだろうか…。

そう思うとぞっとしました。

けちょんけちょんにやられた後、怒りがこみあげてきたのと同時に、とても情けなくなってしまった私は自問自答の一日を過ごしました。

本当に自分は今まで何を学んできたのだろう?5年間なにをやってきたのだろう。新卒という枠で、私は何を培ってきた?今まで読んできた読書の成果は?


同時に感じたことはセミナーの内容が呼んでいたビジネス書と全く同じ内容だったこと。ビジネス書は間違っていない。講師の人は実績があり、かつ経験者だ。私はなにもしてこなかったのかもしれない。

もう一度、一から出直そう。

ビジネス書をもう一度読んで実際にやってみよう。出直してもだめだったら、やめよう。

そう誓いました。その日からというものの、現在売り出している商品・当社の魅力・当社ができること・消費者目線で考える。半年がたってたどり着いたのは、

基礎の土台から一から考えること

今までの商品に対する概念を捨てました。

あくまで売るため、消費者がほしいと思うような考えを持つように努力しました。商品をみるのではなく、消費者がほしいと思うものを考えたのです。


といっても、商品の種類は限られているので商品と紐づけながら考えました。


振り返ってみます。当社が売っている商品は3種類です。

①フォトフレームサイズの鏡面加工のフレーム

②カード型の鏡、当時はカバー付き

③はがきサイズのアクリルフレーム(当時は鏡面加工で売りだしていた)


この3種類から連想できる事柄をすべて洗い出しました。そして単語を一番多く発想できた商品を当社のメイン商品にしようと考えました。


結果、②のカード型ミラーでした。


スルスルと連想できる単語とターゲットのニーズ、価格からサイズ感に至るまで、売れると思ったのはこの小さなカードサイズでした。一方で以前のメイン商材である、フォトフレームはなかなか単語がでてきませんでした。

前記事でも書きましたが、この選択はのちに吉と出る選択でした。

入社して半年、やっと方向性を修正することができたのです。

また、一台投資であるプリンターの導入は私にとっても大きな利点でした。プリントまでが自社でできるということは、自社ですべてが完結するということ。自社製品を作るコストが大幅に減ったのです。他の企業よりも早く配送ができる、ということに気が付いたのです。

私はネットショップを開設しようと決心しました。

それまでは、minneやcreemaなど、一般のお客様が多いハンドメイドサイトでの販売しかしてきませんでした。少量ではありましたが、カード型ミラーは売上があり、鏡面加工のインテリアはひとつも売れていませんでした。

そう、モノの価格は消費者の購買意欲と非常に深い関係があるのです。

実物が見えない状態で価格の高い商品を売るとなると、よほどのブランド価値やファンがいないと決して売れるものではありません。そのことを改めて感じた半年になったと同時に、大きいサイズのものは地元店舗でも売れないんだから、いっそのことカードミラーだけをアピールしようと考えました。


ネットショップでは、自社商品だけを販売する。ブランド名から考え、メイン商材はカード型ミラーにしよう。当時はSサイズという名前でしたが、これではなんだかわからないため、カードミラーという名前に変更し、SMLというサイズ表記は一切やめることにしました。

次はターゲット層です。鏡を使う世代で考えました。ターゲットは20代から50代の女性に大きく絞りました。なぜ20代からかというと、スマホ使用やクレジッドカードなど、ネットショップで自由に買い物ができる世代だからです。

商品に対して、どういったイメージを持たせるか。

ココが最大の焦点になりました。セミナー講師の言葉では、「なぜ鏡にイラストや写真をいれなければならないのか」という質問がありました。私はただ、「綺麗だから。」と答えましたが、カードミラーをメイン商材にしたことで、「綺麗だから。」だけではあまりにもインパクトが少ないと思いました。

そもそも綺麗の概念は男女でとても違います。

率直に言えば、私は絵柄が付いた鏡面加工の鏡を買いたいとは一度も思ったことはありません。むしろ、絵柄ではなく、プラスチックに写真加工ができるという点に魅力をもちました。

この、写真をプリントできる「オリジナル商品」

最近、どこでも見かけます。社長はどこでも見かけることはやりたがらないタイプです。差別化を図りたかったんでしょう。写真入れに関しては白ベタをなくすなど、一工夫しないと競争に負けてしまう。と一点張りでした。


しかし私は社長の反対を押し切り、写真入れというサービスを前面に押し出すことにしました。


写真が入るカードミラーとして、飾れて持ち歩けて、裏が鏡面のカードミラーを「新しいカタチ」として、お客様に紹介していこう。と考えました。

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