そんなに急いで何処行くの
ふと立ち寄った本屋。
ビジネス本のコーナーの前に立つと、そこに並べられた本たちには、いかに効率よく業務をこなすかであったり、時短のテクニックを謳うものだったり、人生を無駄にしないために、と言ったようなタイトルが多く付けられていた。
そんな本たちを前にして「皆は何をそんなに生き急いでいるのだろう」と思うようになってしまった。
これからは、人生100年時代とかいうやつだ。
私がいつまで生きれるかは分からないけれど、でも全体で見たら、昔に比べて長生きできる人の割合は圧倒的に多くなるのであろう。というか現にそうである。
そう、100年も生きなければならないのだ。
これはのんびりフリーター生活をして得た気づきなのだけれど、暇も暇で結構大変だったりする。
何せ、食うと寝る以外やる事がない。あっても大した事ないものが殆どなので、すぐ用が終わってしまう。だからそこに時短テクニックなどが導入されてしまった暁にはもう大変。たちまち私は虚無になってしまうだろう。人生は長い暇つぶしとはよく言ったものだ。
もちろん、早く成果を出したいからだとか、家族との時間のためだとか、自分の趣味やスキルアップの時間を確保するためだとか、そういった明確な目的があったうえで、それらの本を参考にする事は全く問題ない。むしろ大いに活用するべきだ。
でも、ちょっと立ち止まって考えてもみてほしい。
もしかして貴方は、そこに書かれた煽り文句にただ不安を掻き立てられただけではないか?と。
YouTubeのサムネとかが顕著だけど、最近は煽り商法というか、必要以上にこちらを不安にさせて、受け手を誘導するやり口がよりエスカレートしているように思える。
フツーの人なら何とも思わないのかもしれないけど、私にみたいに生きづらめで繊細寄りの人だと、そういうのを見ると心がザワつくというか、「今のままじゃ駄目なんだろうか…。」とフツーの人の1.5倍くらい不安になる。そして落ち込む。
たとえ、今の自分自身に納得していたとしてもだ。それはよろしくないと思う。
そういう言葉に惑わされて不安になるのは、自分の軸がしっかりしていないか、自信がないからなのかもしれない。
私自身もまだまだ不安になる事は多いけれど、社会のレールから半歩はみ出して、少しゆったりとした時間軸で生きるようになってから、考え方が変わってきた。
そんな生き急がなくてもいいじゃない。
人生は長いんだし、たまには腰を据えてのんびり学んでいくことも必要だよ。
びっしりと敷き詰められた本に向かって、そう言えるようになってきた。
(別に、どちらも言ってることは間違っていない。ただ、バランスの問題なのだ。)
梨女(@xxnashimexx)
ありがとうございます。 ちょっといいご飯を食べたいと思います。