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クリティカルシンキング(批判的思考)

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#原因帰属

失敗を努力でカバーするコツ「批判的思考」+28

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+10,+20,+21,+22,+23,+24,+25,+26,+27) 前回は、自分の行動を帰属するときの2つのパターンを紹介し、「自己効力感」が大事だと説明しました。 今回は、「帰属を再考」して自己効力感を高める方法を説明します。 ドラえもん映画のサクセスストーリーの秘密ドラえもん映画でのび太がカッコよく見えるサクセスストーリーは、 ①のび太くんが失敗する→②のび太くんが失敗を自分の能力のせいにする→③なにかが起こる→④

抑うつ的な帰属スタイルに気をつける「批判的思考」+22

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+10,+20,+21) 前回は、原因帰属を行うときの4つの視点をご紹介しました。この4つの視点を行き来できると建設的な原因帰属が行なえます。 今回はこの4つの視点の使い方次第で、抑うつ状態になったり、逆にレジリエンス状態(逆境に打ち勝つ)になったりする理由をご紹介します。 いつ、どんなときも、アホな自分?前回の復習からいきましょう。原因帰属を行うときの視点は以下の4つです。 結果が起こったとき、この4つを使って原因を帰属す

原因帰属の4つの視点「批判的思考」#21

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+10,+20) 前回は、自己奉仕バイアスを説明しました。今回は、自分の行動を帰属するときに参考になる4つの視点をご紹介します。この4つの視点を持っておくだけでもムダに悩む回数が減り、建設的な思考がやりやすくなりますので、使ってみてください。 1.内的⇔外的テストで高得点を取れたのが、自分の努力次第と捉えるか、テストがカンタンだったからと捉えるかの違いです。言い換えると、自分に焦点を当てるのか、環境に焦点を当てるのかの違いとも言

なぜ僕たちは自分を過大評価するのか「批判的思考」+19

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+10,+11,+12,+13,+14,+15,+16,+17,+18) 前回までで原因帰属の説明をしました。今回からは、原因帰属を使って省察する方法について説明していきます。 わたしは平均より優れている?100人の学生が国語のテストを受けたとします。その学生をランダムに選び、「あなたは国語の点数が何点だと思いますか?」と聞いたとしましょう。するとほとんどの人は、「平均よりは上だと思う」と答えるという話はどこかで聞いたことがある

【まとめ】クリティカルシンカーに入門するまで「批判的思考」+18

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+10,+11,+12,+13,+14,+15,+16,+17) 前回までで、原因を推測するための方法や原因を帰属する方法について説明してきました。 今回は、いままでの話を総括していきます。原因を推測したり帰属したりする上で、気をつける点をまとめていきましょう。 物事の原因についてそもそも原因とは?から深堀り、必要原因や十分原因の說明をしています。 〇〇飲んだら痩せました!が原因としておかしい理由など、変な原因の特徴を説明し

これの役割を知ってると自分の当たり前を打ち砕きやすくなる「批判的思考」+17

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+10,+11,+12,+13,+14,+15,+16) 前回は、原因帰属の究極的帰属錯誤の危険性について説明しました。今回は、ステレオタイプ思考を作り出す(ざっくりな)固定概念、別名「スキーマ」について説明していきます。 この人はどんな人だろう? たとえばこの画像の人のように、背が高く、メガネを掛けていて、白衣を着た男性がいたとします。あなたはこの男性を街なかで見かけました。 この人の職業は?と聞かれたら、なんて答えるでし

キテレツ差別マンにならない方法「批判的思考」+16

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+10,+11,+12,+13,+14,+15) 前回は、固定概念を使って考える「ステレオタイプ思考」について説明しました。今回は、このステレオタイプ思考の危険性を表す「究極的帰属錯誤」について説明します。 「男は女の敵/女は男の敵」が生み出す悪魔についてたとえば、「男なんて信じちゃダメ!」発言や「女なんてすぐ裏切るよ!」発言は、過度な一般化であり、悪いステレオタイプ思考です。そしてこの害悪思考は、広がれば広がるほど悪影響を周囲

この思考に依存する頭が悪くなります「批判的思考」+15

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+10,+11,+12,+13,+14) 前回は、原因帰属のありがちなミスの「行為者-観察者効果」について説明しました。今回は、決まったフレームで考えすぎてしまう問題の「ステレオタイプ思考」について説明します。 違和感を持つべき断言たとえば、「男って浮気する生き物だよね〜」は、男への解釈が過度に一般化されています。似たような一般化は他にもあり、「関東人⇔関西人」や「内向的⇔外交的」など、そのグループの特徴を強調して、分類分けが行

あなたが他人を見るときに犯しやすい思い込みがこちら「批判的思考」+14

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+10,+11,+12,+13) 前回は、原因を帰属するときに起こりがちな割引と割増の原理について説明しました。今回は、原因を帰属をする際にやりがちな錯覚、「行為者-観察者効果」について説明します。 よく転ぶ人はドジな人?たとえば、「クレヨンしんちゃん」のマサオくんを例に出して考えてみましょう。マサオくんはしんちゃんの友達の中でもドジで頼りない存在です。そんなマサオくんが、みんなで遊んでいるときに何度も転んだとします。周りの友人

こうして人間は他人を非合理に理解する「批判的思考」+13

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+10,+11,+12) 前回は、ケリーの立方体を用いた原因帰属の方法を説明しました。ケリーの立方体は、帰属する相手をよく知っている必要があります。しかし相手の情報を知らない場面で原因帰属を行う場面もでてくるでしょう。 今回は、そんな場面に役立つ割引と割増の原理についてです。 この失敗の原因は何だろう?たとえば、「クレヨンしんちゃん」に登場する秀才のカザマくんを例に出しましょう。カザマくんは塾のテストでいつも高得点をはじき出し

もし他人の行動原因が知りたくなったらこれを軸に考える「批判的思考」+12

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+10,+11) 前回までで、原因推測の原則について説明しました。必要原因や十分原因、一致法や差異法などです。 ここからは、他人の行動を理解するために必要な「原因の帰属」について解説していきます。他人の行動の原因を判断するときに、気をつけるべき点について考えていきましょう。 こんな問題が起きたときの原因はなんだろう?因果関係は、なにも必要原因や十分原因だけを考えれば良いわけではありません。その原因が、内的か外的かも重要な区分の