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この思考に依存する頭が悪くなります「批判的思考」+15

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+10,+11,+12,+13,+14

前回は、原因帰属のありがちなミスの「行為者-観察者効果」について説明しました。今回は、決まったフレームで考えすぎてしまう問題の「ステレオタイプ思考」について説明します。

違和感を持つべき断言

たとえば、「男って浮気する生き物だよね〜」は、男への解釈が過度に一般化されています。似たような一般化は他にもあり、「関東人⇔関西人」や「内向的⇔外交的」など、そのグループの特徴を強調して、分類分けが行われています。

これらの分類分けが危険なのは、分類を過度に単純化しているからです。ちょっと頭をひねればわかるように、すべての男が浮気する生き物なわけがありませんよね。これらのような断言は、自分の固定概念を過度に一般化し、思考を停止しているに過ぎないのです。

この思考が行き過ぎると、有害な思考になりえてしまいます。

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このような害悪思考が起こる理由を考える過程で、「ステレオタイプ思考」が参考になります。

先に例に出した「男は浮気する生き物」と断言したのが、女性だと仮定して考えてみましょう。

その結論への原因は多々あれど、大きな影響を与えているのは実際の体験談でしょう。自分の恋人が浮気したり友人が浮気されたり、芸能人が不倫していたり。こういう経験を元に、「男は浮気する生き物」という固定概念が生まれるのは、想像できます。

このような固定概念を使った思考を「ステレオタイプ思考」と呼びます

ステレオタイプ思考が有効な場面

過度な一般化は害悪だとしても、人は誰しも自分の固定概念を使って相手を判断しています。

たとえば、坊主頭で肌は真っ黒、声は太くて服装はスポーティー。そんな人と初対面で会ったら、まずはじめに「野球やってるのかな?」と想像がつくでしょう。この原因帰属は、自分の中の「野球をやっていそうな人」という固定概念から導き出された結論のはずです。

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そしてこの単純化はデメリットではなく、ムダな思考を減らしてほしい情報をカンタンに抜き出してくれる良策なのです。

仕事場でもステレオタイプ思考は有効です。来週接待する相手が、アメリカから日本にやってきたアメリカ人だとします。であれば、日本でしか食べられないお店に連れて行ったり、日本限定のお土産をプレゼントしたりなど、「アメリカ人なら…」という固定概念を使ってアイデアを考えますよね。

つまりステレオタイプ思考にはメリットも多く存在しているのです。というより、人は多かれ少なかれステレオ思考を持っており、使い方が歪んでいる人がいるだけなのです。

まとめ

パッと外見を見ただけで、「この人はこういう人なんだろうなぁ」と想像するのも、ステレオタイプ思考の一種です。頭の中の枠組みに相手を当てはめているからです。ただし何度も言うように、この思考の善悪を説くのは不毛であり、大事なのはこの思考の使い方なのです。

【考えてみよう】
「これは絶対にこうだ!」とステレオタイプ思考できて、かつ自信がある主張を1つ出して、なぜステレオに考えることが優れているのか、考えてみよう。ほんとうに良いステレオ思考なんだろうか。

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クリティカルシンキング「原因帰属の錯覚:ステレオタイプ思考」+15の解説




読んでいただきありがとうございます。これからも読んでもらえるとうれしいです。