寄付の配分は現金か現物か

前回、寄付をする側の「現金寄付」「現物寄付」について書きました。今回は、受け取った寄付を配分するときに現金か現物かについてです。

まず、寄付を受け取って配分する機関の選択肢について整理します。

①現物を受け取って現物を配分する

②現金を受け取って現金を配分する

③現金を受け取って現物を配分する

基本的にはこの3つです。今回は②か③かという話。ちなみに④現物を受け取って現金化し配分する もあります。※例えば古本や入れ歯、携帯電話などを集めて現金化して配分するなど

福祉活動、市民活動団体を支援するために助成金制度を作り、現金を助成するのが②です。赤い羽根も、多くの財団も、コミュニティ基金も、休眠預金の配分団体も、助成金の形をとっています。

この②は何といっても使う側の利便性が高い。必要なものに使えます。ただし「手数」がかかります。書類を整え、場合によってはプレゼンし、助成金獲得後も状況が変われば変更届、最後は当然清算もする。その時期には次の申請。。。

一方、助成金として出す側の「手数」もあります。募集要項作成、申請書を受け付け、不備チェック、審査書類を整えて審査(もしくは審査員に提出)、審査結果を通知、振り込み、活用の確認、精算書・報告書のチェック・・・。

これは、大切な寄付を活用する以上、ある程度は避けられません。その「手数」が寄付者へ伝える信頼感とも言えます。

とはいえ、大半が書類上の審査であり、また計画であることから実態との乖離がある場合も十分にありうるのです。そして「書き方が上手」かどうかによっても結果に大きく差が出てしまうのです。

そこで③です。寄付者から現金を受け取る。必要なものを買う。申請団体へ配る。これが一番寄付者にとってはわかりやすい。不正もしづらい。そうすると審査が簡略化されスピーディになる。実際にそのような仕組みのところもあります。ただ、そうすると必ずこの声が上がります。

「人件費どうするんだ」

その通りです。多くの場合は人が動くことで経費が発生するわけですから、そこに寄付(や助成金)をあてる必要があります。

私は、人件費を含む事務費と消耗品費等の事業費を分けて考えられないかなと思います。もはや、現金が必要な部分っていうのは人件費やコピー代、家賃、電話代といった見えにくい経費です。それとわかりやすい消耗品や「子どものランドセル」のような経費を混ぜてしまうとどうしても煩雑な手続きになる。ここを分けること。その「分け」をすすめることが、寄付する側にとってももらう側にとってもメリットがあるんじゃないかなと思います。

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