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「荒野のタグ・スリンガー」名鑑01+α

# ファンクル・アート

タグ・スリンガー。年齢不詳。かつては下級スコッパーの一人として苛酷な労働に従事していたが、タグ・スリンガーの能力に目覚めて転職。電子遺跡発掘保全機関「アーカイバー」の荒事担当として採用された。名前は当然アート・ガーファンクルから。

ハッシュタグ』:タグ・スリンガーが掌から生成する手裏剣状のエネルギー塊。情報竜巻や電子爆発、転移ポータルなど多様な能力を持つ。扱える者は少ない。

# サイモン

ファンクルの相棒である電子馬。オス。よく喋り脚が速いが、カンは鈍い。名前は当然ポール・サイモンから。サイモンの名前が先に湧き出てきたので、必然的にタグ・スリンガーの名前がファンクルになった。

電子馬』:電子的な馬。メカニカルでサイバー。アンテナから電波を飛ばして「アーカイバー」本部と連絡をとったりできる。電子スコップや様々な道具を電子的にアクセスして取り出したりもする。戦闘力はあまりない。

# ホルヘ・エルコンドル

古株のスコッパー。ファンクルの古い友人。小柄な髭面の男。彼の電子スコップ捌きは組織でも注目されており、下級スコッパーの指導にあたる。名前は『コンドルは飛んでいく』を編曲したロス・インカスのホルヘ・ミルチベルグから。

電子スコップ』:スコッパーを始めとする「アーカイバー」所属者の基本装備。電子遺跡を掘り返し、可能であれば一時的に蘇らせる。正式な認定を受けないと次第に崩壊してしまうが、「アーカイバー」は大概の案件なら承認を与える。

# アロミア

ホルヘの相棒である電子馬。メス。よく喋り、鼻が利く。プライドが高い。
名前は『コンドルは飛んでいく』を作曲したダニエル・アロミア・ロブレスから。

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電子遺跡の発掘調査および救出、保全管理についての呼びかけ

今は昔、noteはおろかTwitterも存在しなかった頃……ブログさえもなかった牧歌的な電子時代がありました。多くの原始web人類は「ホームページ」あるいは「webサイト」と呼ばれる洞窟住居にすみ、狩猟採集で生計をたてていました。そこには掲示板と呼ばれるものが設置され、時には激しい論争も繰り広げられていたといいます。そのような住居跡は、現在では遺跡化していることが多いのですが、それら貴重な電子遺産がいま、消滅の危機にひんしています。ニフティ、ジオシティーズなど、住居の存在を支えていた鯖が消え去ろうとしているのです。こうした鯖の上に築かれていた遺跡群は、鯖が消え去るや虚無の暗黒へ墜落し、01化してしまいます。
救済手段がないではありません。インターネット・アーカイブと呼ばれる強大な存在が、常に電子の海を見張り、様々な情報を記録しています。しかしそれでも漏れ落ちるものは多々あります。かつて栄えていた遺跡、崇拝を集めていたweb作品の多くは、今ではコトダマ空間かアカシックレコードにでも接続しない限り、永久に見ることができません。人々の言い伝えや僅かな断片によって、そのかつての様子を想像することが許されているだけなのです。今のweb文明もそのような運命を辿らないとは限りません。…


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