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【聖杯戦争候補作】兆し

モンスター【英:monster】
怪物、化物。語源はラテン語「monstrum(不可思議なもの、奇怪なもの、正体不明の怪物、驚異)」で、動詞「monere(警告、忠告、予兆)」に遡る。 古代人にとって、驚くべき出来事や奇怪な生き物の出現は、神々から人間への警告であり、何か異常なことの前兆であると考えられていた。
monition(警告)、premonition(予告)、monitor(忠告者・監視者)、monument(記念碑)なども、同じ語源から派生している。

 ◆ ◇

深夜。ようやく帰宅した男は、見慣れぬものを見た。

見知らぬ少女が、安アパートの軒下に、壁に背を預けて立っている。
年の頃は、十代半ば。なかなかの美少女だ。小柄で、胸は薄い。 藤紫色の髪をツインテールにし、ミニスカのチャイナドレスを着て、ニーソックスを履いている。冬の深夜に、寒そうだ。 表情はやや虚ろだが、凛として気が強そう。虚勢を張りたいお年頃、なのだろう。

男は、少し興味をそそられたが、訝しげな目つきで睨んで通り過ぎた。
コスプレか?デリヘル?援助交際?家出娘? いや、俺には関わりのないことだ。

ここらは、ああいう少女が深夜一人で歩けるほどには、治安が良くない。
近くに怖い連中がいて、あいつにのこのこ近づくカモを狙ってるんだろう。
そうでないなら、まあ、そういう商売か、迷い込んだバカなガキってだけだ。たまにいる。

自分の部屋の前に来ると、男はドアの鍵穴に鍵を差し込んだ。 多少の眼福だが、明日も早いんだ。冷蔵庫には何が残ってたかな……。

少女は、呟いた。

「息絶えるがいい」

「あれ?」

鍵が回らない。故障だ。どうしたものか。男は舌打ちした。

『退路遮断』。帰宅を禁じたの。あなたはもう、帰れない」

少女が、少し愉しげな声で呟く。男は苛立ち、そちらを振り向く。こいつのイタズラか。次の瞬間、男の背後から、胸を何かが貫いた。

「がふっ」

驚愕に男の目が見開かれ、首を後ろへ向ける。

空中に、夜の闇よりも暗い「穴」が開いていた。そこから赤黒い掌と、黄色い蛇のような触手が伸びている。その触手が、男の胸を貫いたのだ。ほどなく腕が、顔が、髪が、上半身が、穴から抜け出てくる。

長手袋と水着のようなものだけを身につけ、蝙蝠の皮翼めいたマントを羽織った、半裸の白い女。装束は赤黒、長い髪は銀白色。額には赤いハートマーク。瞳と唇は赤い。冷たい顔貌は彫刻のように美しい。

「消え去れ」

白い女が、右掌を男の顔に向けて宣告すると、男の視界は真っ黒に染まり、意識が途絶えた。男の頭部は、跡形もなく消滅していた。その魂は白い女に喰われ、死体は闇の穴へ引きずり込まれて、消えた。

「よくやったわ、アーチャー
「造作もないこと。しかし、NPCの魂では大して腹も膨れんな。マスターやサーヴァントが喰えればよいが」
「そいつら相手には、もっと慎重に策を練らないと……」
「お前の小細工に頼る気はない。いらぬことをすれば、殺されるだけだ。やはり自分の部屋にこもっておれ」
「もう少し、この世界を楽しませて。敵に襲われたら、守ってね」

無言のままで少女を一瞥すると、白い女、アーチャーは再び闇の穴に姿を消し、その穴も消えた。少女は鼻歌を歌いながら、夜の街へ歩いて行く。


少女の姓名は、董白。祖父は董卓。父は早世し、名は伝わっていない。
後漢末、朝廷の実権を握った祖父は、洛陽から長安へ強引に遷都を行い、一族郎党を高位高官につけた。董白は、未だ笄も挿さぬ(十五歳未満の)年齢であったが、渭陽君に封じられ、華々しく印綬を受けた。董卓が擁立した漢の天子、劉協の妃とする予定ではなかったかと推測される。

董卓が長安の西方二百五十里に建設した、豪奢な居城・眉塢(びう)の中で、董白は何不自由なく育った。

――楽世を承け、四郭に遊び、天恩を蒙り、金紫を帯び――

栄耀栄華の終わりは、あっけないものだった。
遷都から二年後。董卓は、王允と士孫瑞に唆された呂布の裏切りに遭い、長安で殺された。眉塢にいた董氏一門は族誅。董卓の九十歳になる老母も命乞いしたが斬首され、一族の屍は一箇所に集められて焼かれた。董卓の屍骸は晒され、誰かが戯れにへそに灯芯を刺して火をつけたところ、脂肪が燃焼して何日も灯り続けたという。

――西門を出て、宮殿を仰ぎ見、京城を望み、日夜絶え、心くじけ――

董逃、董逃、董白逃。

眉塢にいた董白は、必死に逃げた。姻族の牛輔らは、長安のずっと東の陝県に駐屯している。西へ、祖父の地盤たる涼州へ向かうしかない。追っ手を逃れ、従者や侍女とはぐれ、月光を頼りに夜の山中を彷徨ううち……そこからは、覚えていない。多分、死んだのだろう。いや、どこかで白い符を渡されたような、気もする。


自分が今いる場所は、時代は、何もかもが違う。千八百年以上も未来。高句麗よりも遠い、東海の遥か彼方の異郷。夜もなお煌々と明るい広大な都市。天を衝く建築物。無数の鉄の車。黒い砂利を固めた道。そればかりか、これらは皆、月が作り出している幻なのだという。

なぜ自分がそこにいるのかは、すでに思い出している。植え付けられた記憶だ。古今東西の英雄の霊、『英霊』を魔術師たちに召喚させ、万能の願望器『聖杯』を奪い合わせる殺し合い。思い出しはしたが、なぜ自分が参加させられているのかは、よくわからない。大した理由はないのだろう。

「……私は、英霊となるほどの者ではなかったようね」

陳寿の『三国志』本文や、小説『三国志演義』に、彼女の名はない。『三国志』の裴松之注に引く、王粲らが編纂した『英雄記』に、わずかに見えるだけだ。そこにも、彼女自身の意志による事績はない。ただ祖父の専横の一つの事例であるに過ぎない。誰かの妻になることも、子を産むこともないままに、彼女は歴史から姿を消した。

彼女に……彼女の記憶の断片に、仮初の記憶と社会的役割が与えられた。
「父に先立たれ、裕福な祖父も最近死に、母も不在がちな中国系の少女」。上出来だ。カネと自由がある。命や遺産を狙う奴はいるかもしれないが、この従僕、アーチャーがいればどうということはない。いい餌食だ。

人の死など、飽きるほど見てきた。尊敬する祖父は将軍として長年戦場を駆け回り、戯れに大勢の人を殺し、鼎で煮込んで食らうような男だったのだから。

 ◇ ◆

数刻前。
寝室で記憶を取り戻した董白は、枕元の白い符から出現した、己の従僕と初めて対峙していた。姿形は半裸の女性のようだが、身長が異常に高く、空中に浮かんでいる。異様な服装、腰の後ろから生えた二本の触手、漲る魔力、禍々しい妖気。英霊としても尋常な存在ではないことは見て取れる。董白は畏怖を覚え、次いで歓喜を覚える。なかなかに強そうなこの妖しい女魔が、私の従僕なのだ。

「問おう。お前がわしのマスターか」
「そのようね」

口調も声音も、外見よりは年老いているが、美しく妖しい声だ。

女は、董白を見下ろし、眉根を寄せ、苦々しげな表情で嘆息する。
「……小娘。お前は、弱い。あまりにも弱い。武力も魔力も微弱きわまる。ようも、このわしが召喚されたものよ」
「いきなり失礼ね。主君(マスター)とお呼びなさい、従僕(サーヴァント)。魔王・董卓の孫娘である、この董白を見下ろさないで」
「董白、董卓、のう。わしは知らぬ。かつての手駒に魔王を名乗った者はおったが」
「私だって、あなたを知らない。名乗りなさいよ」

女は、ようやく董白に名乗る。
「わしのクラスは『アーチャー』。真名は『暗闇の雲』だ。そう呼ばれておる」

「暗闇の、雲? ……生っ白くて黒いものを纏って、ふわふわ浮いているからかしら?」
「知らぬ。どうでもよい。とにかく、それがわしの真名だ。呼ぶ時はアーチャーでよい」
「アーチャー、弓兵ね。あなた、強いの? 強くないと困るわ」

不躾な董白の問いに、アーチャーは憮然として返す。
「……それなりにな。お前の力が弱いのと、やたらに能力を制限されておるせいで、随分弱まっておるが。そもそも今のこのわしは、本来のわしではない。次元を漂う記憶の断片を、月だか聖杯だかが脆弱な器に投影したものに過ぎん。いつぞやも、そんなことがあったな。『神々の闘争』とやらに駆り出されて、おかしな連中と戦ったものよ」

遠い目をして独りごちた後、アーチャーは空中にうつ伏せに寝そべり、董白に顔を近づけて自己紹介を続けた。

「わしはな、いわば『兆し』だ。愚かな者どもが力を暴走させ、この世が滅びようとしておる時、わしは自然と姿を現す。そうして、その力をさらに暴走させる。闇でも光でも同じこと。闇は光を、光は闇を飲み込んで、諸共に消滅する。全てを滅ぼし、無に還す。わしはそのためだけに、ひと時存在する。ことが終われば再び、わしも無に還るばかりよ」

闇と光。陰と陽、というやつか。陰極まれば陽を生ず、というわけにはいかないのか。

「この世が滅ぶ。妖賊どもが、そんなことをほざいていたみたいね。黄巾や米賊、それに浮屠。選ばれた、教えを信じる者だけは生き残ると」
「たわ言よ。天地万物が滅ぶというのに、たかが人間が滅ばぬ道理があるか?」

ファファファ……とアーチャーが哄笑する。

「そして、今は陰……闇の力が極まりつつある、というわけかしら。月の、太陰の裏の幻の世界だものね」
「わしが、この姿でここにおるとは、そういうことよ。たとえ脆弱な、まがい物の、かけらに過ぎぬわしでもな。滅びの兆しだ」

董白の身の上話を、興味なさげに聞き流した後、アーチャーは己の方針を告げる。

「ああ、まあよい。お前の魔力が弱いのならば、『魂喰い』で力を集めるとしよう。わしは大喰らいでな」
「魂喰い。あなたに生贄を捧げればいいのね?」
「いらぬ。無力なガキは、ここで見つからぬようじっとしておれ。わしは勝手に動き、勝手に食事をする。あまり足手まといなようなら、洗脳してやろう。それとも縊り殺して、誰ぞ魔力の強い主君に鞍替えしてくれようか」

「私は、あなた以外に味方がいないの。側にいて私を守りなさい。裏切るようなら『令呪』を使うわよ」
「やめよ。いずれわしの役に立つかもしれぬものを、くだらん理由で無駄遣いするでない。わかったわかった、いきなり主君が殺されるのも、わしの気に食わん。できる範囲で、お前が死なぬように努力しよう」

なんともワガママな従僕だ。だが、それだけ己の力に自信があるということでもあるはず。今のところは、一番頼りになる味方だ。せいぜい利用させてもらおう。

「で、あなたは、聖杯に望むことがあるの?」
「先程言ったであろう。わしの望み、存在理由などただ一つ。全てを滅ぼし、無に還すことよ。まあ聖杯にそれが出来るとしても、叶えてくれるとは限らぬな。叶えぬと言うなら、破壊して無に還すばかりだ。あるいはせいぜい、わしに存分な力を与えてくれと願うか。誰がやろうと、結果的にこのつまらぬ世界が消滅すれば、わしはそれでよい」

つまらぬ世界、か。私にとっては、これほど面白そうな世界もないのに。

「主君よ。わしの望みは告げたぞ。お前の望みを言ってみよ。死んで無に還るまでの僅かな時間に、成し遂げたいことがあるならば」

董白は、すぅ、と目を細めた。私の、今の私の、望みとは。『逃げ延びたい』という切実な望みは、叶ってしまっている。この世界での平和な日常? 元の世界に帰る? おじいさまを蘇らせる? 董氏一門の栄耀栄華を取り戻す? 否。答えはこうだ。おじいさまなら、こう答えるはず。

「聖杯を手に入れ、この世界を我が物に」

「ファファファ! 覇者を気取るのか?」

アーチャーは、董白を見下し、笑いながら言った。偉大な祖父の七光りだけで生きていたという、この無力で高慢な小娘が、何を抜かすかと思えば。

「覇者。そうよ。おじいさまは乱世の覇王だった。私だって、そうなりたい。あなたがこの世界を消し去りたいなら、私が天寿を全うしてからにしてね」

アーチャーの表情は変わらない。くだらぬ。だが、多少は興味をひく生き物だ。無と化す世界を欲するか。

董白は、凛とした瞳で前を見、口角をつり上げる。今から殺し合いだ。戦だ。どうせ死んだはずの身だが、やるなら必ず生き残り、勝つ。そのために、まずは練習と行くか。お互いの能力を確かめてみなくては。

「みんな私のおもちゃにしてやろう」

 ◆ ◇

【クラス】
アーチャー

【真名】
暗闇の雲@ディシディア ファイナルファンタジー、ファイナルファンタジー3など

【パラメーター】
筋力C 耐久B 敏捷A 魔力A+ 幸運C 宝具EX

【属性】
混沌・悪

【クラス別スキル】
対魔力:A+
A+以下の魔術は全てキャンセル。事実上、魔術ではアーチャーに傷をつけられない。光と闇を兼ね備えた攻撃なら少しは効くかもしれない。

単独行動:A
マスター不在でも行動できる。雲は自由。ただし宝具使用など、膨大な魔力を必要とする場合はマスターのバックアップが必要になる。

【保有スキル】
波動砲:A++
自分の手や周囲から強力な波動砲を放つ遠隔攻撃。彼女(?)がアーチャーたる所以。近距離で放つほど強い(零式)。波動球(潜地式)、波動柱(高射式・追尾式・報復式)、波動壁(広角式)などのバリエーションもあり、多数の波動球をばら撒く(乱打式)ことも可能。それなりに魔力を消費するが、自前の魔力と単独行動スキルにより、マスターが弱かろうと問題なく連発できる。属性は無。魔法防御力を高めれば軽減できる。

浮遊:A
空中を自由自在に飛ぶ能力。永続的に飛び続ける事ができ、常に浮遊している。地に足がつかないわけではない。

闇の穴:C
次元に自分が通れるほどの穴を開け、自在に出入りして瞬時に移動する。それほど遠くへは行けないが、回避や撤退、不意打ち、気配遮断に利用できる。一応マスターなど生身の人間を抱えて運ぶこともできるが、穴の向こう側に長時間匿っておくようなことはできない。

カリスマ(偽):A+
人望というよりは、魔力、呪い、洗脳の類である。魔王ザンデや、アーリマン、エキドナなど闇の世界の強大な魔物たちを己の影響下に置いた。ディシディアでも、とある少女を洗脳して戦わせたことがある。

【宝具】
『暗闇の雲(クラウド・オブ・ダークネス)』
ランク:A+++(EX) 種別:? レンジ:- 最大捕捉:-

自らが『暗闇の雲』であること、そのもの。ただし様々な制限により、著しく弱体化している。本来は「意志を持つ現象」であって、光と闇のバランスが崩れた世界を無に還す権能を有する存在、破壊者である。異世界(ディシディア)においては、その記憶の断片として混沌の神に召喚され、秩序の神の戦士らと『神々の闘争』を繰り広げた。とはいえ暗闇の雲は神ではなく、神として崇められたこともない。その出現自体が世界滅亡の先触れという不吉な存在である。「この」暗闇の雲は、ディシディアでの姿形と能力を基本としつつ、様々な異世界に顕現した『暗闇の雲』の要素や記憶を、断片的に兼ね備えている。その本質にのっとり、現実世界だろうと擬似世界だろうと、自分が出現した世界を破壊と消滅に導くことを唯一の存在意義とし、そのためだけに行動する。

『闇の氾濫(フラッド・オブ・ダークネス)』
ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:自分~? 最大捕捉:?

闇の力が暴走した時に起きる現象。吸収した闇の魔力によってアーチャーの力が強化され、装束を脱いだ全身暗緑色の姿に変貌する。マスターの魔力が微弱である場合は、魂喰いなどで魔力をアーチャーに集束させる必要がある。この段階では、スキル:魔力放出とさほど変わらない。だが膨大な量の闇の魔力が集まれば、アーチャーは暗緑色の姿のまま巨大化(FF14版では身長40m)し、周囲の空間を固有結界めいた暗雲で飲み込んでいく。光の魔力でもOKだが、その場合は『光の氾濫』が起きる(アーチャーの全身が白くなり、光り輝く雲が拡大する)。どちらにせよ、究極的には現世(存在世界)そのものを崩壊消滅させる現象であるため、威力や範囲は本来より大きく制限されているものと思われる。

『超波動砲(スーパー・ウェイヴモーション・ガン)』
ランク:A+++(EX) 種別:対軍宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000人

『闇の氾濫』が発動している時にのみ使用可能。極めて強力な波動砲を放つ。溜め込んだ魔力が少なければ、一発放つだけで『闇の氾濫』モードも解除されてしまう。暗雲に覆われた範囲内であれば、FF14版のように全方位から多数の標的に対して無数の波動砲を放つことも可能。

【Weapon】
「触手」
自らの身体(腰の後ろ)より伸びる、黄色い蛇のような2本の触手。それぞれに意志があって自在に動き、振り回して攻撃する。膨らんだ先端には口や目や小さな翼がついており、小さな雷や波動球、ついでに『臭い息』も吐ける。アーチャーが巨大化すると一緒に巨大化し、数も増えたりする。

【人物背景】
ファイナルファンタジー3(FF3)のラスボス。雲様。ナンバリング作品ではFF11とFF14にも登場する。ディシディアでのCVは池田昌子。光と闇の均衡が著しく崩れた時に出現し、優勢な方を暴走させて世界を破壊し、無に還す「現象」。なぜか巨大な女性の姿。本来は光と闇が協力して立ち向かわない限り無敵なのだが、記憶の断片から再現されたディシディアなどでは相応に弱体化している。サーヴァントとしては、さらに著しく弱体化させられている。そもそも抑止力とか泥とかビーストとかORTとか、そっちの方に近い。
根本的に人間でないため極めてマイペースで、他者の命など何とも思っていないが、興味を抱いた対象には、なんだかんだ面倒見はいい気がする。

【サーヴァントとしての願い】
この世界を無に還す。

【方針】
魂喰いをして力を蓄えつつ、ひとまず聖杯を狙う。願いを叶えないなら破壊してもよい。結果的にこの世界が消滅すれば、存在目的は果たせる。マイペースに、焦らず、無理はしない。他の参加者が憎み合い、殺し合って数を減らすよう仕向けるのも一手、一興。マスターである董白のことは小馬鹿にしているが、多少は興味を抱いている。とりあえず生かしておき、勝手に行動させてみる。


【マスター】
董白@三国志大戦(2、3、TCG)、史実?

【Weapon】
なし。馬上鞭とか持っててもよい。10代中頃の少女の体であるが、一応は軍馬を乗りこなし、馬上で剣や鉄鞭を振るい、弓を射、騎兵や歩兵を率いることができる。武力は10段階評価で2。

【能力・技能】
『退路遮断』
範囲内の敵を自城へ戻れなくする妨害計略。計略範囲は自分の前方に向けて楕円形に伸び、最大で一部隊に及ぶが、効果時間は短い。知力の低い者ほど、かかりやすく解けにくい。知力が高ければすぐに解除されてしまう。董白自身の知力は、10段階評価で5。

計略とは言うが、発動時のエフェクト等から、魔術か妖術、禁呪(行為や有り様を禁じる呪術)のたぐいではないかと思われる。自分の根城・安全地帯に逃げ込もうとする行動を短時間禁止するだけであり、それ以外のデメリットはない。また、敵にかけるものであって、場所にかけることはできない。相手を追い込んでいるなら使い道はあるが、董白本人を守る能力ではない。
董白は背後に隠れ、雲様の火力で押しまくった方が無難である。ピンチになったらTCG版の『火事場の神速行』(強敵に狙われない)が発動するかもしれない。ちなみにFF3(FC版)では「にげる」の成功確率が低く、しかも「にげごし」状態で攻撃されると大ダメージを受ける仕様であった。

【人物背景?】
魔王・董卓の孫娘。

ここでは、音楽ナスカ氏のイラストによる、いわゆる「ナスカ董白」としての姿である。さんぱずや無双の董白ではない。貧乳チャイナミニスカニーソ絶対領域紫髪ツインテタカビードSツンデレポンコツ悪ロリという各種萌え属性のてんこ盛りにより、現代日本における董白のイメージに重篤な影響を及ぼした。ちなみに某小説家の四月馬鹿企画では英霊化していたようだ。史実の董白がナスカ董白として投影されているのか、ナスカ董白が史実の記憶も持っているのかは判然としない。なお、頭飾り等は目立つので外しているが、ぱんつの紐は見える。属性は秩序・悪っぽいため、混沌・悪の雲様とは話が合わないかもしれない。

【マスターとしての願い】
この世界を我が物とする。自分が死んだら、世界も無に還ればよい。

【方針】
聖杯を狙う。邪魔者は排除する。無力な弱者として振る舞い、敵を罠にはめ、殺して生き残る。戦力たるアーチャーの魔力を高めるため、魂喰いを支援する。この世界を楽しむ。

◆◆◆

これは「箱庭聖杯」に投下された候補作のひとつだ。おれが初めて書いた聖杯系SSだ。カタツキに実際詳しくはないのでステータスの細部は適当だが、いろんなものを参考にした。舞台はアメリカで、白いカードから鯖が召喚される仕組みのようだ。詳しいルールは箱庭聖杯のwikiを見ればいい。

雲様ことCoDは、FFシリーズで一番気に入りのベイブだ。マイペースで貫禄があり、つよい。DFFACではまだ実装されてなかったので、ついでにナスカ董白も実装を願って書いた。これを投下したあと二人とも同日に実装された(董白は戦国大戦にだが)のは驚いた。シンクロニシティだ。書いてみるもんだ。あとで出て来るメーガナーダは、この雲のイメージから発想した。メーガナーダが女体化したらこんな感じかも知れない。つよいベイブで触手使いという点ではイシュタムも近いかもだ。

【続く】

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