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一つの波周り、詩やその周縁/Keitoh Natsuko

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一つの波周り、詩やその周縁/Keitoh Natsuko

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    水路三号

    ケイトウ夏子の個人詩誌三号。五篇を収録。見ない人の分まで空をみている「揺籃期」より◉目次月の水差し半夏うるおう湾で記述揺籃期B6 16p発行日 2024年8月21日
    ¥300
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    水路二号

    ケイトウ夏子の個人詩誌二号です。今回は短い期間に生まれた五篇を収めました。“ねえどこからどこまでが 草原だったでしょう”B6 14p発行日 2023年10月25日
    ¥300
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    水路一号

    ケイトウ夏子の個人詩誌です。2022年に書いた詩を中心に五篇を収めました。B6 14p発行日 2023年4月20日
    ¥300
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最近の記事

カルタ詩

あ 藍色に暮れる港に い いさきの群れ う 産土がおめかしして え えくぼの形に お お山との区別がつかなくなる か かんかん照りの道はいつまでかなあ き 希望は く くるくる空回り け 袈裟固めでならした こ 恋のゆくえ さ さらさらと し 子音が欲しくて欲しくて す 砂を噛むビンの中 せ 背中合わせに そ そっと一礼 た 棚から棚へ ち 痴呆を責めないロータリー つ つづら折りのアコーディオン て てらてら眩しいから と トタン屋根でねむる な 仲間が欲しい に 庭に腰掛

    • 波に還す気付き

      久しぶりの海に足を浸すと 歓声も 汗も  アルコールまでもが 波に溶けて還っていく ぷくぷくと息をしているよ 貝を教える友の声に振り返り 砂浜を静かに蹴ると ほんとだね貝がいる と 自分の声に揺り動かされて 立って眠ることが上手くなった と 気付き 結び始めた額縁を 七月の空にひらいていく 初出:たびぽえ VOL.4(2022年秋冬号) * 今年は海に行けなかったな、と振り返る8月31日に、海の詩を置いておきます。

      • 水路三号について

        個人詩誌、「水路」三号ができました。 オンラインストアから購入頂けます。順次、本屋さんで取り扱いもしていく予定です。 読んでくれる方、気にかけてくれる方のおかげで、三号まで来れました。 どうぞ、よろしくお願いします。

        • 汝の睡眠の島を 死ぬほど好んでゐる。 夏 ポール・ヴァレリー(訳/鈴木信太郎)

        カルタ詩

        • 波に還す気付き

        • 水路三号について

        • 汝の睡眠の島を 死ぬほど好んでゐる。 夏 ポール・ヴァレリー(訳/鈴木信太郎)

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        • 36本

        記事

          『八月の光』冒頭読み比べ

          道端に座り、荷馬車が丘をのぼってくるのを見ながら、リーナは思う。〈あたし、アラバマから来たんだ。すごく遠くまで。アラバマからずっと歩いてやってきたんだ。すごく遠くまで〉 (諏訪部浩一訳/岩波文庫) 道ばたに坐り込み、馬車が坂道を登って近づいてくるのを見ながら、リーナは思う。『あたしはアラバマからやってきた。遠くまで来たものね。はるばるアラバマから歩いてきた。ほんとに遠くまで来たものね』 (黒原敏行訳/光文社古典新訳文庫) 道端に坐りこんで、馬車が丘をこちらに登ってくる

          『八月の光』冒頭読み比べ

          6月

          昨日は… 昨日は、「夏至の庭」と銘打ったキャンドルと燭台の展示を見に行った。まだ初夏の光が眩しくギャラリーに差し、その空間だけ時間が止まったようだった。一つも灯されていないキャンドルを一つずつゆっくり眺め、夏至が来るのを待つ心持ちに。一番小さなキャンドルを購い、巾着に入れてもらった。 その後はいつも行く場所へ。『荒地詩集1955』がまだ残っていたので、ありがたく購入。これだけで満たされた。日に灼けたページを見ると、かつてその本が置かれていた誰かの部屋に勝手に入ってしまったよ

          「生きていてよかったと思えた」と言われたとき、聞き取れる耳を持っていた自分にも感謝する

          「生きていてよかったと思えた」と言われたとき、聞き取れる耳を持っていた自分にも感謝する

          引用から

          ――たとえばジャケットの場合、着て、前のボタンを一つかけると、そこにジャケットの重心がすっとかかる。その瞬間に服が命を得て、ボタンは役目を終える。扇のかなめと言い換えてもいいけど、成仏する、その位置を探すことが、服を生かしも殺しもします。三つボタンでも六つボタンでも、ポイントになるのは一個だけ。残りのボタンやカフスボタンは、単なる飾り、様式美にすぎません。ついでに言うと、ボタンをはずしたとき、身頃が少し脇にいくはず。しめてもはずしても同じ服は、どこかが間違っています。 山本

          引用から

          第一詩集のこと

           三年前に出した第一詩集『例えば鳥の教え』。いまだに手に取ってくれる人がいることが、本当に有り難い。読み手なしには成立しないこと。初めて手に取る人の導入にもいいのではないかという、過去に書いてもらった評を今日は二つ挙げておく。 ・高嶋樹壱さん  テキストに沿った丁寧で確かな読みをする方。他の詩集評も必読。まさか読んでくれているとは思わなかったので、当時は驚いた記憶がある。 ・内島すみれさん  圧倒的な読書量でなおかつそれをきちんと血肉にできている方、という印象がフォロー当

          第一詩集のこと

          稜線のまどろみへ

           六月。都内は早くも夏の気配がしている。それでも、昨年の同じ時期よりは涼しいように感じる。駅から少し歩く場所が目的地の場合、日が落ちてから行くのがいいだろうか。  私の周りは暑さを苦手とする人の方が多い。  あったような、なかったような夏を思い出させてくれる、引用を置く。導入として。

          稜線のまどろみへ

          夜明け剥がし

          鍵を縦にして 開け放ったドアから 私は出ていく 「ぐにゃりとした道を渡って」 来た道を戻るだけ けれど 復唱して 風景に埋没していたベンチを 視界から取り出して洗い リハーサルをする 目印の 川のせせらぎを 耳に味わって進む 橋 重心が順調に移動して バス停とバスが近付くころ 灯台の役目が一つ剥がれる

          夜明け剥がし

          傘をさすと怒られる場所の一つが競馬場だった

          傘をさすと怒られる場所の一つが競馬場だった

          参加した詩誌『mare vol.2』ができました。写真と作品のマリアージュ、フルカラーの紙面になっています。 よければお手にとってみてください。 https://amzn.asia/d/3Ppp5Wy

          参加した詩誌『mare vol.2』ができました。写真と作品のマリアージュ、フルカラーの紙面になっています。 よければお手にとってみてください。 https://amzn.asia/d/3Ppp5Wy

          振り返り

          文学フリマ東京38から一週間が過ぎようとしている。 今回から入場料がかかるようになったのと、自分は新刊がなかったのとで、どれだけの人が来てくれるのか不安な面もあったが、一緒に出店した人のおかげもあってか、予想以上にたくさんの人に会うことができた。手元の『例えば鳥の教え』はなくなった。感謝している。 詩歌トライアスロンの選考会以来に会えた人、当日電車に乗って遠方から来てくれた人、先に本屋で作品に出会ってくれた人、個人詩誌への評を書いてくれた人、逆に私が感想を伝えたかった人、

          振り返り

          下に落ちる星(つまり流れ星)と上にのぼっていく花で封をした。みんなどこの夜にいるだろう。

          下に落ちる星(つまり流れ星)と上にのぼっていく花で封をした。みんなどこの夜にいるだろう。

          静謐なピアノを水のように携えて、今日は https://youtu.be/ci53bEL8KWA?si=yAZkQU4mscw9rk_h

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