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できたら、私も旅してみたい。『旅猫リポート』有川浩


有川さんは人気作家さんで、この作品は映画化されて、舞台化もされたとか。私は、有川さんの作品はほとんど読んだことがなかったのですが、知り合いの大学生に勧められて、この本を手に取りました。

物語の主人公は青年と猫。青年が猫を飼えなくなったので、貰い手を探して銀色のバンで旅する話です。かつての友達を頼って、いろんな土地を猫と一緒に旅します。そうやって、青年の人生をたどっていきます。

予備知識ゼロで読み始めたので、最初はちょっと入り込めないかな、話が出来過ぎかなと思っていたけど、だんだん中学生くらいのエピソードから引きこまれていきました。登場人物の中で、私にとって一番リアリティがあって魅力的だったのはノリコかな。予備知識なしで読めてよかったです。

生きているって、それだけでチャンスがある。そして、どんな人生でも、愛する人がいれば幸せ。独身だろうが、親が早くに亡くなっていようが、離婚していようが、関係ない。そんなことを思わせられる物語でした。

僕らは旅の想い出を数えながら、次の旅へと向かうんだ。
先に行ったひとを思いながら。後から来るひとを思いながら。
そうして僕らはいつかまた、愛しいすべてのひとびとと地平線の向こうで会うだろう。

よき物語、求む。久しぶりにこんな風に思える小説でした。わが家のクロも一緒に旅してくれないかな。銀色のワゴン、いいなあ。そんな風に夫と一緒に読んで、感想を言いあっていました。

まさか、その数年後、大きくなった娘が有川浩さんの『図書館戦争』にはまりにはまって、小説やら漫画やらを買い集めるようになるとは……。人生、本当に先が読めません。



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