見出し画像

チャーミングなアイアンレディたち。映画『アタック・ナンバーハーフ』タイ、2000年

劇場で見て、とっても楽しくなれた作品です。タイの実在のチーム「鋼鉄の淑女」(サトリーレック)がモデルというから、本当に、現実は小説よりすごいを地で行くんですよね。

男性として生まれたけれど、男性として生きるのが辛い彼女たち。でも、とっても明るいです。そして、周囲に馬鹿にされながらもバレーボールが好きで、ステキな人はもっと好き。日本的な、いわゆるスポ根とはちょっと違って、彼女たちはかわいくて、おしゃれなものが好きで、楽しくないと力を発揮できません。

そのあたりが、コメディとしてとっても効いています。そして、人生って楽しくないとダメだよなあ、と納得できる素敵な作品になっています。というか、この邦題をつけた人、天才じゃないですか?

周囲には彼女たちを認めて、応援してくれる両親もいれば、認められない両親もいます。自分のアイデンティティを一番認めて欲しいのは、やっぱり家族。でも、親しいだけに、難しい。こんなときこそ、言葉よりスポーツが雄弁なのがいいですね。

娘が思春期になったので、いい映画だから見せようと近所の大きめのレンタルビデオ屋に行ったら、なんとナイ! 名作なのに!! 我が家もそろそろネットフリックスかAmazonプレミアムに移行しないといけないかなと思いつつ、結局購入してしまいました。こういうのって、最終的には実物を持っていないと、あとでどうなるかわからないから。

その昔、本当に勉強が苦手な学校の学生さんたちに、苦肉の策でこの映画を見せたら、とっても反応がよかったことがありました。「主役の一人の子の両親が、いつでも応援してくれていいですよねー」って、喜んでくれて。
スポ根らしさというか、まじめさがほとんどなくて、ケンカしたりシモネタもチラホラ。でも、なんだか楽しい。いいですね、こういう映画。

邦題:アタック・ナンバーハーフ(原題:The IronLadies)
監督:ヨンユット・トンコントーン
製作国 タイ 2000年(日本公開 2001年4月14日)
上映時間 104分

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?