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人生のどん底で見つけた 仕事選びで最重要視すべきこと

新年度が始まって、多くの人が新たな職場でスタートを切ったことだろう。最初は、右も左も解らないことだらけで適応することに精一杯かも知れない。でも、徐々にその環境や仕事に慣れてくると、ふと、こんな疑問を抱く人もいるのではないだろうか。

「この仕事は自分にあっているのか?」

この疑問は僕自身も抱いた疑問だ。そしてその度に「知識やスキルが活かせるからこの仕事がベストだ」とか「良い給料で安定しているから良いじゃないか」と自分自身に答えてきた。
しかし、その答えに納得したことは一度たりともなく、何も満たされなくてつらい思いばかりが募り、ついに僕はうつ病を発症して働けなくなった。

うつ病は絶望だった。収入も資産も友人も家族も失って、まさに人生のどん底だ。
しかし、どん底に落ちたことで解ったこともある。
それは、今までの僕は”自分の本当の価値感”、解かり易く言えば”最も大事にしたいこと”というものをちゃんと理解していなかったということだ。
それ故に、本来自分が望んでいる生き方・働き方から逸脱してしまい、耐えがたい苦痛を感じ続けてしまったのだと気がついた。

自分の本当の価値観に気づくのは難しい

仕事に悩んでいる人や、仕事が原因の精神病患者が多い現状を見ると、自分の価値観にそぐわない働き方をしている人はかなり多いのだろう。そしてそれは、自分の本当の価値観に気づくことの難しさを表しているようにも思える。

インターネットやSNSが普及した昨今、嫌でも他人の情報が入ってくるのだから無理もない。同世代の人間が優雅に過ごしている様子や、ビジネスで成功している経営者の本なんかを目にすれば、「もっと稼ぎたい」「有名になりたい」などと思ってしまうのも理解できる。
こうして、誰かに影響されてできた価値観は強烈でモチベーションになりやすい。だが、それ故に自分の本当の価値観を見失い、頑張れども満たされない苦しみに陥ってしまうようにも思う。

冒頭の「この仕事は自分にあっているか?」の問に対して僕が答えたのは、まさに誰かに影響されてできた価値観だった。
スキルや知識を活かせることも、安定した収入も、本心から切望したことではなく、その時の立場や周囲の人に感化されてでっちあげたものだ。
実際、スキルが無ければ新たに習得すれば何とかなったし、収入が増えたことで満足感が増えたかと言われれば、そうでもなかった。
では、僕の本当の価値観は何だったのか?

人生のどん底で見つけた本当の価値観

前述のとおり、僕はうつ病でどん底に落ちたことで、自分の本当の価値観に気づくことが出来た。
職場の人間関係に悩んだわけでもない。仕事を評価されていなかったわけでもない。結婚して子供も生まれて、恵まれた生活をしていたはず。それなのにどうして自分がうつ病になったのか、納得できなくて生き方・働き方についてひたすら自問自答した。
「どうして、うつ病になってしまったのか?」
「ストレスの原因は何か?」
「何が間違っていたのか?」

そうやって自問自答していくと、自分が強くストレスを感じたものが次々と明確になっていった。
僕の場合は、残業が多く仕事の裁量がほとんどないこと。細かいルールが多く、専門知識のある人なら誰がやっても同じようになると思う作業が多かったことに特に強くストレスを感じていた。
つまり、僕のストレスの原因は自由が無かったことであり、自由こそが最も大事にしたかったことだったのだ。
思い返すと、学生時代の縛りの強い校則も、ペースを乱される人付き合いにも物凄く強いストレスを感じていた。おそらく、物心ついた時から自由であることが、僕にとって何よりも重要だったのだろう。

強くストレスを感じるものに本当の価値観がある

最も大事にしたいと思っていることは、それが害されたときに強くストレスを感じる。
僕はそれに気づくのが遅かった。働いていたころ、仕事が辛くても「甘えたことは言っていられない」と思って自分の本当の価値観を一蹴してしまい、長いこと苦しい時間を過ごす破目になってしまった。
これを読んでいる読者さんは僕を反面教師にして、苦しい時間を過ごさなようにしてほしい。
耐えがたいほどのストレスを感じているなら、そこにあなたの本当の価値観があるはず。その価値観に沿った仕事が選ぶべき仕事だ

僕のように『自由』が大事なら裁量権があって働きやすい仕事に、『好奇心』が大事ならそれを満たせる分野に、『成長』が大事なら資格取得に挑戦したり後輩の指導役に手を挙げるなど、自分の価値観を満たす働き方を考えてみよう。

『石の上にも三年』は気にしないでいい

仕事を早々に辞めようとすると『石の上にも三年』という言葉を言われることがある。
もし、その仕事を通じて自分の本当の価値観を満たせるのならもうちょっと頑張ってみよう。最初は興味もスキルも無いかもしれないが、一生懸命やっていれば必ず後から付いてくるからだ。
反対に、完全に価値観と反していると思うなら早めに転職を決断した方が良いだろう。自分の価値観が変わるか、仕事が自分の価値観に歩み寄ってこない限り、辞めたい気持ちは変わらないだろうから。
どんな仕事でも大変であることに変わりはないのだから、自分の本当の価値観に沿った仕事に就いて、充実した人生を歩みたい。

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