てつ
小学生の頃、いつも隣には彼が居た。 黄色い帽子をかぶって、集団登校するときも。 それどころか、集合場所に行く前に、かならず彼の家によって、一緒に行った。 クラス…
それは僕がまだ研修医で、とある総合病院に勤務していたときのこと。 僕の所属する病棟は、院内でもICUに次いで重症患者さんの多いセクションだった。 さらにその病…
2020年6月20日 13:03
小学生の頃、いつも隣には彼が居た。黄色い帽子をかぶって、集団登校するときも。それどころか、集合場所に行く前に、かならず彼の家によって、一緒に行った。クラスも一緒。帰るのも一緒。ところが、小学校を卒業する時に、彼の両親が離婚して、遠くの中学校へ転校していった。普通に一緒に行くと思っていた中学校に彼の姿は無かった。でも1年経つと、彼の居ない日常が自分の日常に変わり、普通
2020年5月27日 16:02
それは僕がまだ研修医で、とある総合病院に勤務していたときのこと。 僕の所属する病棟は、院内でもICUに次いで重症患者さんの多いセクションだった。 さらにその病棟の中で、もっとも重症の方が入る部屋が決まっていたのだが、基本的にはその部屋は、もう助かることのできない方とご家族との時間を創ってあげることが目的のような部屋だった。 その部屋には、嘘か本当か、妙な都市伝説が囁かれていた