10年来愛用するツールバッグに込められた物語。現場を支える「相棒」との絆
働く人にとって、日々扱う道具は「相棒」と言っても過言ではありません。
相棒とどのように出会い、どんな思い出を刻んできたのか。
長らく使ってきた道具に焦点を当てると、その人の個性やこだわりが滲み出てきます。
今回は、(株)九州日昌の木邊貴大さんが10年来使い続けてきたツールバッグにフォーカスを当てました。
赤い見た目が特徴的なバッグには、さまざまな現場に足を運ぶことで木邊さんが抱くようになったポリシーも合わせて詰め込まれています。
ふとした偶然と色合いが出会いの決め手に
ー「相棒」と出会ったきっかけは。
木邊
「新しい工具を買うためにホームセンターに行った際、偶然目にしたことがきっかけです。それまで使っていた金属製の工具箱が収納性がいまいちで重量もあったため、『使いやすいモノがないかな…』と考えていた時でもありました。そんな時に手頃な大きさで収納性もある上、色合いが自分の好きな赤だったことも購入の決め手になりました」
ーどんな時に相棒は活躍していますか?
木邊
「社内で装置の組み立てをする際はもちろん、現場での立ち上げの際にもこのバッグを持参しています。中には六角レンチやスパナ、ドライバーなどの工具を仕分け袋に分けて収納していますね。作業が終わった時には収納性を考えて工具を入れる順番を決めて使っています」
10年以上使い続けることで生み出された数々の思い出
ーそんな相棒にはどんな「個性」がありますか?
木邊
「金属製の工具箱と違い、布製で折りたためるので出張の際はスーツケースに収納して持ち運べる点が重宝しています。あとは、自分の好きな赤と黒の組み合わせのツールバッグを他に見かけないことも、10年以上使い続けている理由の1つです」
ー印象に残っている思い出を教えてください。
木邊
「最近のことですが、肩掛けして工場内を移動している時、留め金具が壊れてバッグを落としてしまうことがありました。中に詰める工具の数が年々増えて重量オーバーになったことが原因だと思いますが、金具の部分が直らないこともあって今は取っ手を持って運ぶようにしています」
ー10年以上使っていると、他にも色々な思い出がありそうですね。
木邊
「装置の立ち上げのため年1回のペースで海外にある日本企業の工場に行くことがありますが、その際にもこのツールバッグを使っています。海外出張では持ち込める工具の数も限られるため、持っていくものを厳選しながらバッグに収納していますね」
社会人としての初心を思い返させる不可欠な存在
ーもし相棒が現れなかったら、どんな社会人生活になっていましたか?
木邊
「忍耐強さが身に付かないままだったかもしれません。入社1年目から国内外のさまざまな現場で経験を積めたことは、忍耐力を培う上で大きな糧となりました。今では周りのメンバーを調整する役割もしていますが、入社間もない頃から使い続けるこのバッグはかつての現場をふと思い返す重要な機会を与えてくれるものとして欠かせない存在です」
ーこれから相棒とどのように付き合っていきますか?
木邊
「留め金具が壊れて内部の損傷も激しくなったので、さすがにそろそろ買い替え時かなと感じています。名残惜しさがありますが、工具も年々増え続けているので次は少し大きなサイズのものがないか探しているところです。ただ、好きな色合いでちょうどいいサイズのものが見当たらないので、しばらくは現在使っているモノを大切に扱いたいと思います」
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