Red 著:島本理生

 女性の身体と心を一気に見せつけられた会新作だった。濡れ場も凄い。読後、エピローグを読んで思いに耽っている。

 女性と言う生き物が朧げながら分かって来た気がする。場の空気を澱ませない為に言いたい事も言えずに育った塔子。会社で認められるも結婚で辞めなきゃいけなかった塔子。レスで女をちっともわかってない旦那。最愛の人とは結ばれない運命。

 最初は目を覆いたくなる程の不倫劇だと思ってハラハラして読んだが、読後の感想はちっともそうじゃない。家庭と言う居場所と最愛の人は違ったのだ。癌にさえ蝕まれなければ塔子は鞍田と再婚していたのかもしれない。

 愛娘の翠だけは放っておけず、姑に頼って仕事を再開する塔子。夫の真がもう少し包容力さえあれば違ったのに。どうしても塔子に肩入れしてしまう自分がいる。女性ってそれだけで立場的に弱いのだ。女性ってそれだけで強いのだ。結婚、出産、育児、恋。全部手に入れたようで少しも妥協しなかったわけじゃない。翠の成長だけが楽しみだ。

 息継ぎ無しの415ページは圧巻だった。島清恋愛文学賞受賞作。思いっきり楽しみました。

 これで図書館から借りた本は全部読みました。芥川直木賞受賞作に移りたいと思います。

 以上


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