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短歌集

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2016年以降発表分。Twitter未投稿作品あり。
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#コロナ短歌

コロナ短歌、2021夏

コロナ短歌、2021夏

副反応レトルト食品開けてゆくリモートワークの家族に隠れて

これ投稿したら不謹慎になるのかな逡巡増えるスマホをさす指

酒飲むな、8時には帰れ、県出るな、不純な濃厚接触禁止

あと少し君と遅くまでいたい続きはZoomで8時の会食

午後8時魔法が解けるシンデレラ閉店だねさぁ次どうしようか

増えてゆくメダルも感染者の数もセンセーショナルなニュースな日々も

ほんとうはこんなはずじゃなかったね値下げ

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【俳句・川柳・短歌】2020-21 色褪せぬセカイ

【俳句・川柳・短歌】2020-21 色褪せぬセカイ

冬の星夜明けを待つよ離職票

吐き出した柘榴の種のような恋

ともだちの噂の刺青隠す君

運命の歯車軋む回転音

ふいうちのような写真を宿すときカメラはわたしを切り取ってゆく

鮮やかなようで色褪せて見えるいちねんまえから変わらぬ世界

どうやって誰と一緒に生きていく?恋の緊急事態宣言

夏の日にこの世を去った俳優はどんなセカイを見てたのだろうか

若者の自殺増加もオンラインサロンの罠も根本は同じ

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コロナ短歌 ─春の只中─

コロナ短歌 ─春の只中─

ニンニクと汗の匂いをさせてても堂々とできるWeb meeting

銀座線の中がこんなに白かったいつもと違う通勤電車

いつもすぐ倒されてしまうモンスターずっと残るよポケモンジムに

ポケモンの名を叫ぶ子に旗を振るしりとり続ける集団下校

診断ではじめて目にしたE判定コロナとどちらがまだマシですか

大震災、コロナ以外の病気さえ同時に来ないという保証なく

コロナ終活ひと事じゃないね明日には何が起

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コロナ短歌 ─金太郎飴な日々─

コロナ短歌 ─金太郎飴な日々─

出勤の10分前に目覚めても間に合ってしまうリモート・ワーク

ギフト機能バリエーションも減ってきたポケストップは動いてくれない

使いみちなかった色の口紅も部屋や画面では気軽に試せる

一日を家の中だけで過ごすなんてまるで私たち病人みたいだ

この地球の人類全てが病人か、病人予備軍、ひとり残らず

人間はみんな平等なんだってこんなところで実感をする

レトルトの容器のまま食べるんじゃなく器に盛って

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コロナ短歌

コロナ短歌

花弁の上、怒涛のみぞれが舞い降りる 窓の中には私とあなた

オンライン 繋いで聴こえて漏れてくる 飲み会? ラジオ? さまよう言葉

期待してなかったZoom交流会 仮想背景みんな笑った

笑い声も涙声もいつも聞こえてる 内緒話が許されない壁

アフターコロナまで持つかなこのスーツ スポーツジムにも行けない世界

お留守番 靴にかばんに社員証 次の出番はいつになるかな

リモートワークの孤独と引き

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