見出し画像

キツネが「コンコン」鳴いています!

昨日、発売になった写真絵本「となりのホンドギツネ」
なんと、amazonなどで一時在庫切れになっていました。(7/1現在)
※在庫復活いしました!!
たくさんの方に買っていただけて、本当に嬉しいです。
お買い求めいただいたみなさん、ありがとうございます!
少しでもホンドギツネの存在を知ってもらえてらと思ってます。


キツネの鳴き声はどんな声?

ところで皆さん、キツネがどんな鳴き声か知っていますよね?

「コンコン・・・?」

正解です🦊

キツネは本当に「コンコン」鳴くのです。

童謡「こぎつね」で「こぎつね こんこん やまのなか ~♪」
という歌詞が出てくるので、知っていたと思います。
でも本当に「コンコン」鳴くのか疑っていた人も多いのでは?

確かにキツネは「コンコン」鳴きます。
ですが、そのように鳴くのは童謡のように「子ギツネ」ではありません。

ではどんなキツネがいつ鳴くのでしょうか?


キツネの「コンコン」は誰の声?

キツネの「コンコン」とう鳴き声は、とあるキツネが出す声なのです。
それは↓

オスのキツネです。
子ギツネではなく、オスのキツネが出す声なのです。
実際の声はリンク先で聞くことができます。短いし、音量も小さめなので、よーく耳を澄ませて聞いてくださいね。

どうでしょう?「コンコン」と聞こえましたか?

実はこの声、一年中聞くことが出来るわけではありません。
冬の一時期にしか聞くことが出来ないのです。

ではキツネにとって冬はどんな季節なのでしょうか?
そしてこの「コンコン」にはどんな意味があるのでしょうか?


「コンコン」の正体は・・・

実はキツネにとって冬は「恋の季節」です。
つまり繁殖期ですね。

「コンコン」という声は、繁殖期である冬の一時期にしか聞くことが出来ず、しかもオスが鳴いている。
このことから動物好きの方なら「コンコン」という声が持つ意味に、もうお気づきかもしれませんね?

そう、キツネの「コンコン」という声は、繁殖期にオスがメスに向けて自分の存在をアピールするための声なのです。
つまり、キツネの「恋の唄」なのです。

冬になるとオスは「コンコン」と鳴きながらメスを探して歩き回ります。
そしてそれを聞いたメスがオスを見つけることが出来るのです。


「コンコン」は身近な場所でも聞ける?

「コンコン」という声は身近な場所でも聞くことが出来ます。
例えば河川の堤防やグラウンド、田んぼや畑などです。

日中は人が使っているので、キツネに出会うことは少ないですが、夜になるとこのような場所は彼らのデートスポットになっていることがあるのです。

しかもお気に入りのデートスポットがあるようで、毎晩のように同じ場所で、オスとメスがイチャイチャしている姿に出会うことがあります。

夜のグラウンドのサッカーゴールの横でいちゃつくホンドギツネのカップル。
上がオス、下がメス。

今年の冬の夜は是非こういった場所の近くを散歩してみてください。
耳を澄ますとキツネの「恋の唄」が聴こえてくるかもしれませんよ。


「となりのホンドギツネ」のコンセプト

昨日発売になった写真絵本「きみの町にもきっといる。となりのホンドギツネ」を作るにあたって伝えたかったことが大きく2つあります。

1つ目は「命のつながり」

今回紹介した「コンコン」というキツネの鳴き声は繁殖期の声だと話しましたが、彼らはそうやって夫婦になり、子どもを作り、大人になれるように育て、独り立ちを促し、また冬に恋をし、、、そうしているうちに、やがて自分の命を全うさせて、その土地へと還っていきます。誰のためでもなく、自分たちのためにそうやって命を繋いできたのです。
そうしたホンドギツネの「命のつながり」を感じてもらえたらと思います。

人に知られることなく、ひっそりと、しかし強かに育っていく子ギツネ兄弟


2つ目は「人とのつながり」

キツネを身近な場所で見たことがある人は少ないと思いますが、実はキツネのデートスポットのように僕らが自分たちのために作った場所や、やったことが、実はキツネの暮らしに影響しています。
キツネは僕らの暮らしをとてもよく観察しているので、彼らなりに上手に人と付き合っているのです。でも僕らはキツネの存在にすら気づかないことが多いです。
彼らと上手く付き合っていくには、彼らが僕らを観察しているのと同じように、僕らもまた彼らを観察して、彼らの暮らしを理解し「キツネと人とのつながり」を知る事がとても大切だと思います。

暮れゆく街並み。ここからがキツネの時間。
キツネがどこにいるかわかるかな?

絵本では今回の記事では紹介していない「命のつながり」「人とのつながり」をたくさん散りばめています。

多くの子どもたちが「ごんぎつね」などの物語でキツネは知っていると思います。そして「ごんぎつね」のモデルになっているのが今回の絵本の主役「ホンドギツネ」です。
ですが、きっと子どもも大人も実際の「キツネ」の暮らしについては知らないことばかりだと思います。

現代を生きる「ごんぎつね」の姿を、ぜひ多くの方に知ってもらえたらと思います。


この記事が参加している募集

生物がすき

多様性を考える

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?