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地方出身の新卒デザイナーがロコガイドで働いた1年を振り返る。

はじめまして。
22卒新卒として、株式会社ロコガイドに入社したデザイナーの渡邊聡美です。静岡出身で現在はトクバイというチラシ情報・買い物アプリサービスの開発部門で、ビジュアルデザインからUI/UXデザインまで幅広い業務を担当しています。

1年間を振り返ってみると、Figma使用経験が無い中で、LP・バナー・販促物制作や、デザインシステムの構築・UI設計など、分からないなりに取り組み乗り越えてきた年でした。

そんな私がこの社会人1年目を経験し、身についたことや学びについてを綴っていきたいと思います。

1 )最初の1年間で身についた知識と姿勢

a. ミス防止の習慣がついた

仕事をする上で、ミスなく業務を進めることはとても重要です。特に社会人1年目だと、経験や知識不足から、うっかりミスが起こりやすい状況に置かれます。

そのため、私は入社直後から同期と共に、デザイナーが考慮すべきポイントや心得を社内ブログにまとめる取り組みをしました。ざっと考えるべき事項や意識すべき項目をリストアップすることで、業務上のミスや問題を事前に防ぐ手段を見つけられました。

またこの取り組みをきっかけに、セルフチェックリストの作成など、ミスを防ぐために積極的な行動を取ることができたのも良かったと感じています。以下に、私が作成したセルフチェックリストの一部を載せておきます。

【作成したもの対するチェックリスト】
✅ 四原則など、基本的なミスがないか見直したか
✅ 最低フォントサイズ・ロゴサイズを守っているか
✅ 展開作業の場合、 元データとの差分を表記、確認したか
✅ 誤字脱字や固有名詞の表記ミスがないか
✅ ロゴを扱う時は、ガイドラインを守っているか
【その他】
✅ 指示や依頼内容・修正内容で、反映漏れがないか見直したか
✅ 意図を説明するための準備と、推し案はメモに残しているか
✅ ファイル名は「案件名(正しい固有名詞)_MMDD」になっているか
✅ 資料を外部共有する場合は、3MBに収まるように作成できているか(クライアントがメール受信されることを想定)

セルフチェックリストを作成したことで、自分自身のミスを未然に防ぐだけでなく、他のデザイナーと共有して、ミスがさらに多発しない仕組みも構築できて、大きなメリットを感じました。これらは社会人としての基本であり、信頼を築く上で初めの1年目には重要な要素です。これを機に、周囲の人々に対して適切な言葉や、正式な用語を使うことに意識を向ける必要性にも気付くことができました。

またSlackでやりとりをする際は、相手にとって馴染みやすい言葉遣いをするなど、人一倍伝えたいことが伝わるような言葉遣いをするように気をつけています。職業柄、目に見えないことを具現化することが多いため、自分の中で咀嚼して、言葉で伝わらなければ、ラフに落とし込んだり、実際にFigmaで作りながら見せたりしています。そうすれば、認識のずれが起こり、作り直しというミスが起こりづらくなります。

b. OSガイドラインを熟知し、UIデザインに活かせるようになった

UIデザインはComponentと呼ばれるパーツで構成され、1つ1つの役割に応じて種類があり、分類されています。これらのComponentを組み合わせながら画面をレイアウトし、デザインを作っていくのがUIデザインと呼ばれるものです。

ロコガイドではiPhone / iPad 端末(iOS)とAndroidに対してサービス提供をしているため、iOSではHuman Interface Guidelines(HIG)、AndroidにはMaterial Design(M3)という2つのプラットフォームで公開されている、アプリデザインのガイドラインを読んだ上でデザインしています。

これらのガイドラインを理解するために、同期と2人で輪読会を行う場を設けました。ディレクターやエンジニアにも参加してもらい、開発部全体がデザインに興味や関心を持つような取り組みを行っています。

輪読会の様子

輪読会を実施することで、OSガイドラインを理解するだけでなく、トクバイとガイドラインを比較し、理想的な提案ができる機会となりました。
学生時代には、他社のサービスをトレースすることに固執していたため、「何故このComponentがそこに配置され、どのような色使いや表現がされているのか」という視点が身に付いていませんでした。
こうした取り組みを通して、ものづくりにおいて小さく地味な作業であっても、ユーザーに届ける価値観や思いによって、アウトプットも変化するのだと気付きました。つまり、目には見えない理由があって現行のデザインに至っているという大きな発見と気づきがあったのです。

c.「伝わる」ビジュアルデザインの作り方がわかるようになった

学生時代は造形学部のビジュアルデザインコースに所属していましたが、ビジュアルを作ることに課題意識と抵抗感を抱いていました。実務に取り組む際には、思い通りのデザインを作り出すことにとても苦労しました。

そこで、1〜2ヶ月の間、コツコツとデザインドリルをトレースしたり、良いと思ったバナーや販促物をスクリーンショットで撮ったりしました。また、何故そのレイアウトや文言、フォント、配色、素材を使っているのかという、制作者の意図を考え、試行錯誤し実際に形に起こしていました。

デザインドリルやあるあるデザインを参考にトレースしたもの

現在は、52週特集というビジュアル表現や情報設計が主な業務では、印象の良いデザインを作成するだけでなく、表現の幅も広がったことで作業時間が9時間から5時間に短縮され、4時間の業務時間削減のメリットにも繋がりました。また経験を積んでいく中で、よりユーザー満足度の高い特集を作ることや、バナーのCTRを向上させる要素や表現方法を知るなど、デザイナーとして提案の幅も広がりました。結果的に、コツコツと自主学習を行うことで、成果物の品質を向上させることができました。

52週特集のメインビジュアルの一例

c-1.自学自習の仕方

週5でがっつり働いている中で、どうやって自学自習の時間を捻出し、実践していたのか紹介します。OSガイドラインやビジュアルスキル向上も、基本的に仕事終わりの2時間を目安に取り組むという具合で、ルーティン化していました。具体的には、それぞれ以下のような進め方です。

【OSガイドライン 輪読会】
期間:2022年9月〜2023年5月
実施時間:平日21時〜23時(2時間)
頻度:月、水、木(リモートワークの日)
内容:・Human Interface GuidelineとMATERIAL DESIGN の通読
   ・スライドの作成
   ・発表会の実施

OSガイドラインでは、「つくる行為」とは離れて「文章を読む」というという別の脳が必要となるため、仕事終わりの夕ご飯や休憩後の頭がリフレッシュしているタイミングに自習をしていました。また出社が必要な火曜日と金曜日は、体力的にも精神的にも自習するには集中力が持たないので、リモートの日を有効活用して時間を作るようにしていました。

【ビジュアルスキル向上】
期間:2022年5月〜現在
実施時間:平日19時〜21時(2時間)、もしくは土曜の午前中
頻度:水、木、土
内容:・デザインドリル、あるあるデザイン、バナー収集
   ・トレースと、表現ごとの効果をテキストにまとめる

逆にビジュアルスキル向上のための自習では、「つくる行為」の脳の状態で取り組んだ方が個人的には集中力が続いたり、体に定着しやすい感覚があったりしたので、仕事終わりにすぐ着手するようにしていました。平日に進めることが難しい時や作っていて楽しくないなと思った時は、潔く諦めて、土曜日の午前中に一気に進めるようにしていました。

元々ルーティン化するのが苦手だったのですが、お尻が見えていたり、身についた表現を実務で生かしたり、結果的に数値やユーザーの反応に跳ね返ってくる楽しさを知ったことで、今でも続けられているような気がします。

2)大切なのは提案スタイルのコミュニケーション

入社前と入社後での仕事に対する姿勢の変化に、「常に提案する姿勢を持つ」というのがデザイナーの基本的なスタイルだと学びました。

一見すると当たり前のことかも知れませんが、元から提案しようと思って手を動かすのと、場合によって提案するというのでは、成果物を作り出す上での考え方や進め方、プロジェクトメンバーとの関わり方が全然変わってきます。
最初は後者の気持ちで業務をしていたのですが、それだと作業者に近い感覚になり、プロジェクトや案件などの起案者にとって嬉しいモノが生まれ、ユーザーにとって嬉しい体験が作れなくなるのです。

特に最初の頃は、サービスを作る上で一般的な○○、よく見る○○というのが全く分からない状態でプロジェクトにアサインされていたので、具体的なイメージやラフが共有されていないものは、自分から提案の幅を出せない故に、ラフ以上のものは作れない状態でした。
その為、レビュー時に多くのコメントがあり、視点の欠落や考慮不足が指摘されることがとても悔しかった記憶があります。だからこそ、業務時間外に地道に学習を続けるなど努力していました。

このような悔しい経験をバネに、OSガイドラインを参照したり、さまざまなサービスを触れたり、トレースしてみることで、「実際に伝えたいことは何か」「どう伝えて、ユーザーにどんな体験をしてもらいたいか」「これで本当に目標を達成できるのか」という問いに向き合う視点が生まれました。この視点を持つようになれたのは、おそらく11月頃だったと思います。

同じタイミングで、デザイナーとして自分ならではのスキルについても考えるようになりました。情報を可視化し整理するスキルや、ユーザーの感情や心情を理解するスキル、Componentが持つ意味を踏まえた上で、理想の形を提案できることが私の強みだと考えました。その強みを生かして、与えられた指示書やラフスケッチから「ここで何を伝えたいのか」「目標がこれならAやBの方向性もアリで、それぞれの利点と欠点を考慮するとこうなる」などを考えるようになりました。

デザインは手段であるように、知識や表現のアイデアさえ身に付いてさえいれば、目的を達成するための方法を数多く提案できるのです。その中から最も適切な方法をいくつか作り出し、一番妥当な案を提案することに意味があると気づきました。この姿勢は、この先もずっと大切にしたいと思います。

3)最後に


新卒1年目では、自分の苦手な部分に焦点を当て、知識やスキルを着実に身につけるために辛抱強く努力しました。(出来なすぎて、悔しくて、最初は家でひっそり泣いてたこともありました・・・)

家族や友人に自信を持って紹介できるような、成果物を作ることが、私の最大のモチベーションだからこそ、続けられたのだと思っています。未知のことに直面する苦労もありましたが、やはり使ってもらえるものを作り上げてユーザーに喜んでもらいたいという気持ちが、私を行動させ続ける理由であったことを再認識しました。

最後になりますが、これからデザイナーになる人・なったばかりの人に向けて、少しでも一助になっていれば幸いです。最後まで読んでくださりありがとうございました!

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