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イノベーションとは目的である(オープン社内報 #106)

週末のインプット。
企業の戦略立案をいまCSOと一緒にやっていますが、
そのCSOに宿題として目的工学を勉強するご指示いただき、
インプットいたしました。
今日はお勉強ネタのシェアです。

イノベーションとは目的のことである

0-1を産むのは難しい、むしろ無理かもしれない。
まだ存在しないものを構想し、目的として明らかにする。
スティーブジョブスは、
スマホは存在するが使いにくい。
そんなのは嫌だから、ないものを作ろう。
そう言ってiPhoneを作った。

イノベーションとは、無消費の領域の探究。

日本でもSONYが良い事例。
ステレオカセットにヘッドホンをつけて歩いたが重かった。
それを解決したのがウォークマン。

創業経営者は自社の目的を明確にしているケースが多い。
イノベーションの成果を研究するに、
成功しているイノベーションは、
目的やグランドビジョンが必ずある。
失敗しているイノベーションにはそれがないことが多い。

イノベーションとは、
目的界と現実界のギャップを埋める試行錯誤のプロセス。
それを支えるのがイノベーション経営。

創業者の思考。
時代や社会の変化。
なんらかの課題や障壁に目覚める。
そして、
新たな状況や状態、知識の獲得や普及を行う。
試行錯誤していく過程がある。
しかしこれだけでは、よくあるデザイン思考にとどまる。
これに加えるべきは、目的の創出・明確化である。
それによって、成功へとつながる。

イノベーションというのは目的のことを指す。
これが我々が欲しいものだという焦点が大事。
もし、明確な目的意識がなければ、
目の前の短期的成果でエネルギーを浪費してしまう。

目的の旅

イノベーションプロジェクトは、
常に初期の抵抗・反対にであう。
複雑な環境と予期せぬ変化の中で進む。
旧制度の恩恵にいた人を敵に回す。
目的を発見する旅と目的で実現する旅。
目的を追求、体系化し、
目的の調整、組織化、統合していく。
このプロセスは共通している。

コロナの時代で変化があった。
目的の重要性を高めていったのではないか?
日本ではモノづくりが強い過去があったが、
今ではモノの効率性は過去の話し。
ウェルビーイング、人間の本質が大事になってきた。
人間の価値を考える。
こういう変化に気づいた人は多い。

目的と目標は似て非なるもの。
目的は意味合い、意義、価値など主観的。
どんな効果、インパクト、アウトカムが問われる。
試行錯誤や偶発性も有効。
一方目標は、具体的、数値、指標、客観的で固定的。
試行錯誤や創造性はあまりない。
最近の企業は目標に傾斜している。

昨今のSDGsでよくあるのは、
どのSDGsが会社に合致しているのかをみてブランディングしている。
そのゴールに合わせる前に、
自社の目的・大目的を考え、
そこに合わせる方が正しい。
SDGsの目的と自社の目的の関係を考えることが大事。

目的工学

社会的に意義ある価値を形成するため
関係する個々の主体が、
あるべき未来の実現を目指し、
協力せざるをえないような
善い目的を共有する臨時的共同体を形成し、
必要な資源を持ち寄り、
動態的に目的と手段・技術の体系を調整しつつ、
高い価値を創造するために知識を統合していくための、
マネジメント思考と方法の体系。
と定義する。

通常はたった一人でイノベーションを起こすことはない。
個々の思惑・狙いがある。
それぞれの小目的 大目的(共通善)を目指す。
これをつなぐのが中目的(駆動目標)を体系立てる。
目的群を調整して統合する。
アポロプロジェクトや、
トヨタとテスラの例を紹介。

テスラの目的工学。
個別ビジネス目的は、
自動車事業、バッテリー、充電網。エネルギービジネス。
駆動目標は、ハイエンド高収入セグメントから社会全体への浸透。
2025年までに距離500マイルを達成等。
大目的は、太陽電池経済への移行を促進。

目的はビジョンやミッションとどう違うのか?
目的は為すべきこととアウトカムを共有し、
企業や組織を実践に向かわせる動的なコンセプト(概念)
大目的は、顧客や社会のための、
究極には共通善に繋がるステートメントや理念。
ビジョンは企業がなりたい姿。
ミッションは自社が一体何のビジネスをしているのか?
バリューは企業自身の望むべき組織文化。

つまり、目的は自社ではなく、
視線は顧客と社会に+行動を引き起こすことが伴う。

目的工学の体系は2つある。
On Purpose(善い目的に基づく経営)
Of Purposes(目的群の経営)

このあたりから、
目的と工学が掛け算されているのはおかしい。
目的工学はおかしいのではないか?
という問いが発生すると思う。
今の時代は目的が大事、
エンジニアリングはもともと目的を問わなかったが、
今の時代は産む・作り出すが大事。

目的のつくりかた

どのように創って行けばよいのか。
目的群創出のステップ。
①参加者の個人的な小目的の抽出・形成。
②大目的をつくる。
③そして、中目的・駆動目的を設定する
④中目的を絞り込む
⑤個々の目的の検討
⑥大目的の確認

3つの条件。
①共通善・本質的価値
②顧客の痛み、潜在的顧客価値、投資価値
③自社の貢献(能力・資源にみあっているのか)

大、中、小は相互に関係しあう。
上から順にヒエラルキーで形成されていない。
大目的は進化・深化する。
小目的は関与者によって多様でありえる。
中目的は、時間軸、具体的な効用、意味ある数値目標によって構成される。


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