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メンズ化粧品(コスメ)のアンチエイジング世代の現状

海外で男性が化粧をすることが一般的になってきているのに伴い、Z世代と呼ばれる若者世代では、メンズコスメを買う人が増えてきています。しかし、メンズコスメを買っているのは若者だけではありません。30代以上のアンチエイジング世代もスキンケアやメイクへ関心を持ち始めています。
では、なぜ関心を持つようになり、どのような商品を買っているのでしょうか。人気のメンズコスメ商品情報と共にお届けします。


1.コロナがアンチエイジング世代の男性のコスメへの関心を後押し

コロナ禍により外出の機会が減って化粧品業界全体の売り上げが不調だったものの、成長をし続けたのがメンズメイク市場です。
長時間のマスク着用による摩擦や蒸れで肌荒れを起こし、スキンケアを始めた人が増えています。また、リモートワークの普及により、オンライン会議などの画面上で、自分の顔を見る機会が増えたことで、シミやしわ、目の下のクマなどそれまで気にしていなかった部分を気にし始めた人も多くなりました。
メイクで美しくなるためというよりかは、コンプレックスをカバーするために化粧品へ関心を持ち始めた人が増えてきています。

2.アンチエイジング世代の美容への意識

クロス・マーケティングの「メンズ美容に関する調査(2024年)」*¹によると、男性がスキンケアを実施したきっかけについて、20代では「他の人がきれいな肌や整った外見を気にしているのを見て興味を持った」が最も多くなっています。一方で30代40代になると共通して「年齢を重ねる中で、外見のケアが重要だと感じた」が最も多くなっており、加齢に伴う見た目の変化を気にしていることが分かります。
*¹クロス・マーケティング「メンズ美容に関する調査(2024年)」2024年1月、全国の20~49歳の男女2,400人を対象に調査

3.アンチエイジング世代の男性はメンズコスメを買うのか?

3-1.  男性の肌は女性と異なる

一般的に男性の肌は、皮脂の分泌量が多いことはよく知られていますが、それだけではなく水分量が低いことも明らかにされています。持田ヘルスケア株式会社「男性の肌あれ原因とは?スキンケア時のポイントについて」によると、男性の肌の皮脂量は、女性の肌に比べて2〜3倍である一方、保水に関わる角層細胞面積が小さいため水分量は女性のわずか30〜50%しかないとのことです。そのため、乾燥しやすくシワができやすくなっています。

さらに、朝日新聞「男性の肌の老化は早い 中高年男性は日焼け止めと保湿のスキンケアを」によれば、男性の肌は加齢に伴う男性ホルモン減少の影響を強く受けるため、女性よりも早く老化するとのことです。男性ホルモンのテストステロンが減少することによって、肌のターンオーバーを遅くなり、肌のハリや弾力が低下し、たるみやしわなどの老化症状を引き起こすと考えられています。

このように男性の肌は女性の肌と異なるため、女性と同じ化粧品を使用すれば良いという訳ではありません。メイクやスキンケアへの関心が高まっている現在、男性のために開発された専用の化粧品には需要があると思われます。

3-2. 金銭的な余裕

現時点では、1か月で美容にかける金額が高いのは20代、次いで10代となっています。美容への関心度は高いものの、金銭的な余裕があまりない若年層は、低価格帯や中価格帯の商品をよく買っているようです。一方で、アンチエイジング世代は10代20代と比較してかなりの金銭的な余裕があります。もし、高い客単価を見込めるこの世代に商品を売り込むことができればメーカーにとってかなりの利益が見込まれます。大手メーカーでもメンズコスメブランドを立ち上げる動きが加速していますが、メンズコスメはまだまだ定番のブランドが確立されていない市場であるため、多くの可能性を秘めていると言えるでしょう。

3-3. 男性に化粧品を売るための考察

以上の2つの観点からアンチエイジング世代の男性が化粧品メーカーの新規顧客になる可能性は十分あるといえます。しかしながら、化粧を全くしない男性が多くいるというのが現状です。彼らに化粧品を売るためにはどうすれば良いのでしょうか。

株式会社ネオマーケティングの「メンズメイクに関する調査」*²によると、男性が化粧をしない理由は、「やり方がわからない」が24.0%、「何を選んだらよいのかわからない」が16.2%でした。このことから、 知識不足が原因でメイクをできていない男性が一定割合いることが分かります。そのため、「いかに手順を踏まず、これだけやればいいということを訴求できるか」がキーポイントとなるでしょう。また、シミやしわが改善されるだけでどれほど若く見えるのか、その効果を知らないという男性も多いため、ある程度啓蒙から入る必要もあります。さらに、ヒアルロン酸やナイアシンアミドなど化粧品の成分についてその効能を詳しく知らない男性も多いのではないでしょうか。成分の働きの詳細は女性より興味がある可能性があるため、「〇〇という成分には〇〇という効果がある」という効能をしっかりと説明するのも良いかもしれません。
*²株式会社ネオマーケティング「メンズメイクに関する調査」2022年11月、全国の16歳以上の男女400名を対象に調査

4.勝ち筋コスメ 何が売れている?

コロナ禍によりメイク分野では売上規模が縮小しましたが、男性の化粧品購入は増えており、市場規模は拡大を続けています。市況調査やマーケティング指針立案を行うカタリナマーケティングジャパンは2022年3月~2024年3月のスーパー、総合スーパー、ドラッグストアにおける消費行動を調査しました。

それによると、メンズコスメのカテゴリー別の配荷状況では、上から順に化粧水、乳液、クリーム、美容液、ファンデーション、アイブロウ、カラーリップ、コンシーラーとなっています。基礎化粧品や比較的チャレンジしやすい唇や眉毛に関わるコスメが良く販売されていることが分かります。

カテゴリー別に売り上げ成長率を見てみると、カラーリップ、ファンデーションが1位、2位となっており、基礎化粧品だけにとどまらずメイクをするための化粧品が売れ始めていることが分かります。

5.メンズコスメのプロモーション手法

では具体的に、メンズコスメはどのようにプロモーションされているのか事例を4つご紹介します。

5-1. 女性の視点を利用? ブランドアンバサダーに夫婦を起用

SHISEIDO MENは反町隆史さん、松嶋菜々子さん夫妻をアンバサダーに起用しました。2023年11月22日(いい夫婦の日)から放映されたCMでは、松嶋さんの「夫の肌を見ると、思います。」というセリフから始まり一貫して妻側からの視点で描かれています。これは、女性よりも美容に関心を持ちにくいとされる男性に興味を持って商品を使ってもらうという狙いがあります。

5-2. 婚活用スキンケアセットの販売

メンズコスメブランド「MULC」は、男性用に “婚活向け”スキンケアセット商品の販売を開始しました。婚活の場において、清潔感があることや身だしなみが整っていることは大事な要素です。しかし、何をすればよいのか分からないという男性も少なくありません。そんな男性のために、洗顔料とオールインワンローションのセット商品を発売しました。洗顔と保湿という簡単な2ステップのスキンケアで、肌トラブルをケアします。

5-3. 「推し活」にメイクして行くことを推奨

メンズコスメブランドunoでは、2022年6月1日から「#推せる自分で会いに行こう」というプロジェクトを始動しています。女性がアイドルのライブへ行くときにいつもより気合を入れてメイクをすることがよくありますが、それを男性にも推奨する「推し活」×「メンズコスメ」は斬新なアイデアだと言えるでしょう。アンバサダーには小坂菜緒さんが就任し、「推し」と「ファン」が互いに“推せる自分”で会うための準備をする姿を描いたコンセプトムービーの公開や、対象商品の購入者に抽選で小坂さんからのビデオレターが届く店頭キャンペーンなどが行われました。

5-4. 誌面だけにとどまらない!メンズ雑誌への広告出稿

従来雑誌への広告出稿といえば誌面への掲載が主流だったかもしれませんが、現在では編集部公式のwebサイト、SNSや、所属している専属モデルの公式SNSで商品をPRすることも可能となっています。美容や流行に敏感な男性から支持を集め、2024年1月期には3780万PVを達成している『MEN’S NON-NO』という媒体での広告出稿例をご紹介します。

まず、こちらはロート製薬の肌ラボがメンズノンノ公式インスタグラムでPRされている様子です。俳優の中川大輔さんを起用し、誌面での肌ラボ特集記事のオフショットを公開しています。

また、製品を編集部が試してリアルなコメントをお届けするweb連載 「アガる!MY BUZZ BEAUTY」という企画で商品をPRすることもできます。

他にも誌面、webサイト、SNS、それらの組み合わせなど多様な広告メニューが用意されています。

6.さいごに

いかがでしたか?Z世代だけでなくアンチエイジング世代もコスメへの関心が高まっていることが分かりました。市場が成長を続けているメンズコスメに今後もぜひ注目してみてください!「メンズコスメのプロモーションを検討したい」という方は、化粧品・コスメのプロモーション・PR・WEB制作に強い会社WTCまでお気軽にご相談下さい!

本noteは以上となります。
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