創作民話 かゆうま
その雑炊屋のつくる粥はまずい。
いやまずいを通り超して、致命的ですらある。
当時の衛生状態はひどいもので、売れればかまわないと思う商人も居た。
現代でも痛んでも大丈夫という人もいる。
利点といえば安い事。
一文二文で腹一杯になる。
貧乏人には生命線ともいえるが、食してあたれば死んでしまう代物だ。
「安いよ安いよ」雑炊屋は今日もえたいのしれない
肉やら野菜やらを煮込んでいる。
決してうまそうな臭いでもないのに、食べる客はいる。
そこに六尺はありそう大男がきた。
「おれにもその粥