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創作民話 聖剣伝説

「この村には、岩に刺さった剣があるのじゃ」
村の古老が言うには、剣を抜いた者は勇者として
国を支配できると、言い伝えがある。

若いものが抜こうとしても、無理
旅人が抜こうとしても、無理
屈強な戦士が抜こうとしても、無理

「勇者は誰も居ないのか」
みな嘆くが、勇者が必要な時代でもない。
平和な時代に、剣を抜く者が居ないだけだろうと
噂をする。

ある日、幼い少年が剣を抜いてしまう。
「おお勇者だ、勇者が現れた」
みなが彼を褒め称える。

強力な武器を手にした彼は、覇道を歩む
国を統一して、国民の支持を受けて、
他の地域の領土を奪う。

「勇者が世界を統一してくれる」

他国は彼を恐れて、様々な妨害を始める
自分の国を奪われるのだ、黙ってはいられない。

貿易が停滞をして国民は苦しむが、
勇者が居る、我慢しろと皆が助け合う。

彼は、聖剣で現状を打破しようと考える。
絶大な聖剣の力は敵軍を殲滅できる
「聖剣の力を解放する!」

聖剣の力は強力だ、すべてを破壊して終わる。
もう国も国民も居ない。

役目を終えた聖剣は、岩に戻る。
また誰かが、世界を破壊するのを待つ。

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