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【3分間ブックレビュー】No.007/精神科医が見つけた3つの幸福

<3分間ブックレビューとは?>

この記事では、ビジネス雑誌などを中心に20年近くにわたり執筆を続けるフリーライター・ひらっちが、過去の名著や話題の一冊などをピックアップし、3分でサクッと読めてちょっぴり役立つ情報をお届けしています。

今日の一冊・・・『精神科医が見つけた3つの幸福』

先日、しばらく前に購入してちびちび読み進めていた『精神科医が見つけた3つの幸福』という本を読了しました。

この本、皆さんはご存じですか? 書店でもかなり売れているようで、僕が足を運んでいる本屋さんでは、ビジネス書部門の1位を獲得していました。

精神科医・作家の樺沢紫苑さんの著作です。ほかにも『精神科医が教えるストレスフリー超大全』など、ベストセラーを連発している方ですから、「樺沢さんの本、よく読んでいるよ!」という方もいらっしゃるかもしれませんね。僕も全部ではないですが、結構読ませていただいていると思います。

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さて、今回の著作は、タイトルの通り「幸福」がテーマです。「幸せになる」というのは、誰しも目指したい永遠のテーマですよね。

著者の樺沢さんは、この「幸福」が醸成されるメカニズムについて、精神科医らしく「脳内物質」をカギにして科学的に解き明かしていきます。

幸せのカギを握る脳内物質は、ドーパミン、オキシトシン、セロトニンの3種類。これらの性質を知ることで、幸せを手に入れようというのが本書の一番のテーマです。

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脳内物質が分泌される状況や効用に違いがあることから、本書では、それぞれの物質がもたらす幸福感について「ドーパミン的幸福」「オキシトシン的幸福」「セロトニン的幸福」という呼び名を付けています。

セロトニン的幸福は、健康の幸福。心と体の健康によってもたらされる幸福です。オキシトシン的幸福は、つながりと愛の幸福。友情、人間関係、コミュニティへの所属などによる幸福を指しています。そして、ドーパミン的幸福は、お金、成功、達成、富、名誉、地位などによる幸福のことです。

ここまで来るとなんとなく結論が見えてくると思いますが、幸福を手に入れるためにまず取り組むべきは、ドーパミン的幸福を追求することではなく、セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福を目指すこと。

健康という土台を作り、そこにつながりや愛を乗せたうえでないと、成功やお金といったドーパミン的幸福を積み上げることはできない。「この順序を間違えてしまうと、不幸が訪れるよ」というのが本書のメインテーマです。

そのほか、本書では「それぞれの脳内物質による幸福感は、どのように手に入れればいいのか?」について、具体的な方法を詳しく書いています。

「幸せ」という漠然とした概念を、納得感のある具体的な入手方法にまで落とし込んでいくあたりは、さすが精神科医の方だなと思います。ロジカルに物事を考えるのがお好きな方にとっては、「自分の幸せ」を見つめ直すきっかけを与えてくれる良書だと思います。

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僕個人としては、「幸せ」の概念は「すごく主観的なもの」だと捉えています。いやむしろ、他者比較では、幸せはやってこない。他者との比較によって幸せかどうかを定義してしまうと、いつまでも自分よりも幸せな誰かが現れ、永遠に幸せが訪れない可能性が高いと考えています。

「億万長者になりたい」「プロスポーツ選手になりたい」といった目標は、客観的事実によって定義づけされるもの。今すぐに実現することはできません。でも、「幸せかどうか」を定義するのは、あくまで自分自身。このことをちゃんと理解できれば、誰だって今から「幸せ」になれるわけです。

あなたは今、幸せですか? 「不幸だ」と思うのであれば、ぜひ今から「幸せな人」になってほしい。その方法は、「あなたがそう思うだけ」です。あたなが幸せかどうかなんて、他人に決められることじゃないですから。


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